280 case 64 改善例 申請内容に関連する発表論文の (1) これまでの研究活動 グレリンに関する申請者のこれまでの研究成果: 内容を文章で加える グレリンの発見以来、申請者はグレリンの生理作用の解明、脂肪酸修飾のメカニズム、様々な動物種 でのグレリンの構造解明などを行ってきた。 ①成長ホルモン分泌刺激活性および摂食亢進作用を示すペプチド・ホルモンのグレリンを胃から発見 した。グレリンはオクタン酸で修飾されており、この修飾基が活性発現に必須であることを明ら にした。(Nature 402,656-660, 1999) ②グレリンのラジオイムノアッセイ (RIA)による測定系を開発し、グレリンが胃に一番多 消化管や膵臓に存在することを明らかにした。(BBRC 279,909-913, 2000) ③経口摂取した中鎖脂肪酸がグレリンの脂肪酸修飾に直接使われることを明らかにした。 (Endocrinology 146, 2255-2264, 2005) ④視床下部でのグレリンが、胃と同じくオクタン酸で修飾されたフォームであることを確認した。 (Endocrinology 146, 2510-2516, 2005) ⑤ほ乳類以外にも、鳥類、魚類、両生類など、グレリンは脊椎動物全部に存在し、しかも脂肪酸によ る修飾基もすべての動物種のグレリンで認められることを明らかにした。(JBC, Endocr か2001~2005) ⑥グレリン活性化に必要なグレリン脂肪酸転移酵素の酵素学的性質を明らかにした。グレリン脂肪酸 転移酵素が、グレリンの主要な修飾基であるオクタン酸よりも、ヘキサン酸の方をより効率的に転 移することを明らかにした。(BBRC 386,153-158,2009) ⑦グレリン欠損マウスを作成し、これが摂食行動や体重変化に野生型と差がないことを明らかに た。(Regul Pept 145, 7-11, 2008) 8グレリン阻害によって食塩感受性の高血圧発症が早期に起こることを見出した。J Mol Neurosci 43,193-199, 2011) ⑨グレリンが海馬の神経細胞幹細胞を刺激して、神経再生を行うことを明らかにした。(Endocr 781-789,2013) 10小児遺伝性疾患のレット症候群において、グレリンがジストニアや振戦を改善することを明らかに した。(JNeurol Sci 377,219-223, 2017) 今回の研究計画に必要な実験手法を扱った研究論文: 論文は PubMedで検索できる情報で十分 グレリン欠損マウスの表現型の解析については次のような研究成果をあげている。 ①予想外のことにグレリン大損マウスでは摂食活動や摂食リズムには変化がないことを明らかにし た。 (Regul Pept. 145, 7-11,2008) ②グレリン欠損マウスを使って、グレリンが成人の海馬神経発生を刺激して学習・記憶に関与してい ることを見いだした。(Endocr J. 60, 781-789, 2013) ③グレリン欠損マウスでは食餌制限によって海馬の神経発生が刺激されることを見いだした。 (Endocr J. 62, 269-275, 2015) また褐色脂肪細胞に関する実験について以下の研究を行っている。 ④褐色脂肪細胞の培養系を用いて、ベージュ細胞におけるFABP3とミトコンドリアの脂肪酸酸化酵糸 群がUCPIとは異なる制御過程で誘導されることを明らかにした。(BBRC, 441,42-4 このように申請者は、グレリンやその他のペプチドホルモンの遺伝子改変マウスの解析、ならびに 褐色脂肪細胞の培養細胞を使った実験を行ってきており、今回の研究計画に必要な実験動物を準備 し、実験手法をマスターしている。