136 case 30 アドバイス 「背景」と区別して「「問い」はこれだ」と はっきり示そう 添削例 ここが「問い」の中心 研究課題の核心をなす学術的「問い」 申請者はこれまで精神疾患の患者において、眼球運動検査により疾患の病態を明らかにする研究 継続してきた。この研究では、眼球運動は顔の表債の一部であり、表情とともに精神疾患の病態 出されてきたものと解釈できると考えた。 」そこで、うつ病患者やアルツハイマー型認知症患者などの 様々な精神疾患で表情の表田異常にはどのような特徴があり、それぞれの基盤にある病態はなにか 本研究課題の核心をなす学術的「問い」である。 例えば、うつ病において仮面様顔貌といわれる表情の乏しさは、表情筋の動きが乏しいだけでな 5、瞬きや視線の動きも少なく、これらは脳内のセロトニン濃度の不足を反映すると考え る。アルツハイマー型認知症患者でも表情や視線の動きの乏しさが認められるが、この場 の関心の低下、認知機能低下を反映すると考えられる。脳梗塞のある症例では、意図 きはできるが、喜怒哀楽の自然な表情は表出できないといった報告がされている。また精神 強制笑い、強制泣きのように意的ではない表情が出現することがある。一方、正常人におい 面の右側に本来の表情があらわれやすいとされており、 「顔は笑っているが、眼は笑っていない」と いうような言い方もされる。 したがって表情表出の異常と病態を明らかにするには、脳の様々なレベルで表情筋ごとにどのよう にコントロールされているかを明らかにする必要がある。そのためには、様々な神経レベルの異常と 表情の異常を結びつけるだけでなく、神経生理学的手法を応用して表情筋を定量的かつ容観的に分 類・解析し、顔面表情筋の大脳や脳幹による運動制機構を明らかにする必要があると考えた。 「問い」として長すぎる どちらも背景に相当する内容