132 case 29 アドバイス 「背景」に埋もれないように、小見出しをつけて 「学術的「問い」」を別項目で示そう 添削例 (1) 本研究の学術的背景、研究課題の核心をなす学術的「問い」 我が国は超高齢社会に突入し、疾患を抱え介護を必要とする高齢者が増大している。そのため、 我々がみたことのないスピードで高齢者介護の負担が発生する、いわゆる介護の危機が到来してお り、その準備を整えることが強く求められている。たとえば、加齢に伴う認知症、慢性疾病 害などでは、長期的なケアが必要な高齢者の増加とともに家族介護者の数の増加をも伴う。 対するケアは多くの場合、まずは家族介護者に大きな負担をかけるのが現状である。世帯の縮小化が 進行する中、若年者層が介護を担う割合が年々増加している。最新の統計では若年者層が20.8%、そ れ以外の年代層が79.2%になっている(2014)。これまでの研究から若年者層の介護者 積極的に求めない傾向があり、周囲の人にあまり積極的な支援要請を行わない(2007)。また、虐待 の比率では若年者層によるものが61.3%と高い。また、眉待発生要因の上位は介護疲れ、介護ストレ ス(25%)、虐待者の障害・疾病(23.1%)である(老健局高齢者支援課調査結果:201 らの状況から、自ら支援を求めてこない若年者層の特性を踏まえた高齢者介護への支援が危急の課題 である。 これまでの研究から若年者層の家族介護者の特徴や性差に関する研究はされ、支援に向けた課題や その必要性については述べられている。申請者のこれまでの研究から、若年者層は介護をまるで仕事 のように捉えて被介護者の病状や日常生活の変化に対応しそれらを乗り越え介護しており、介護開始 当初には負担感を抱くもののそれらを乗り越えることで、介護に完璧さを求め自分のペースでやり い思いが強い特徴があることがわかっている。また「家族会等利用者は介護負担感やストレスが利 していない人より高い」「調査対象の8割が介護者会に行きたくない、その理由に苦労話を共 も仕方がないという背景がある」ことをこれまでの研究から明らかにしている。これらの調査結果を 基に、踏み込んだ実践に結びつく若年者層の家族介護者の介護負担の軽減と虐待防止、心身の健康保 持に繋がる支援に向けたモデルの開発研究がされているとは言い難い。申請者は、この研究で未 発されていない若年者層の家族介護者への支援モデルを開発することで、若年者層 談負担の軽減と虐待防止を図り、心身の健康の保持につながる支援が提供できると考える。 ここまで読まないと研究課題の核心をなす 学術的「問い」がわからない