case 24 .111 しい。例えば「仮説生成』とは、どのような仮説を生成することなのか?明 言されない仮説は審査委員にはイメージできない。 「仮説を立てる」「仮説を検証する」という表現は科研費申請書でしばしばみ られるが、「仮説」とは「自然科学その他で、一定の現象を統一的に説明しう るように設けた仮定」で「理論的に導きだした結果が観察・計算・実験などで 検証される」(広辞苑より)ものであるべきだ。したがって例文1のような実 証実験にそぐわない内容の研究には「仮説」はふさわしくない。 例文2は「政策提言」とあるが、これは本当に科研費の申請書が要求してい る「目的」として適しているのだろうか?最終的な研究の目標としての「政 策の提言」「社会への提言」はよいのだが、科研費くらいの研究の規模では「政 策の提言」「社会への提言」など大げさすぎると思う審査委員もいる。科研費 の目的として書くのは、研究に関するものをさらりと書いておくので十分。特 に【概要】の部分では、 どのように改良すればよいか? 仮説を立てることを研究の「目的」としたら、それはあまりに漠然としすぎ ている.「(闇雲に)集めたデータをみてからいろいろ考えます」ということ と、「考えた目的に沿ってデータを集めます」ということと、どちらに計画性 を感じるだろうか。せめて、どのような仮説なのかを示しておくべきだ。まず はそこからはっきりさせないとダメである。また、例えば「望ましい会社法の 制度の在り方について政策提言する」こと自体はよいのだが、このような最終 目標を書かないで、客観的にも科研費で実現できると思えることを「展 して書くだけで十分. 例文1の場合、仮説を「目的」としてしまっていることが難しい点だ。申請 書をじっくりと読んでいくと、次のような背景がわかってくる。 ・中心となるのは不足している介護福祉士の確保について ・女性のライフデザインにおいてさまざまな問題が、介護福祉士として継続し て働くことを妨げている ・そのような女性特有の問題点を明らかにして、介護福祉士を長期的に安 給するようにつなげる これらの内容をできるだけわかりやすく、難しい言葉をなるべく使わないで