case 17 .083 なぜよくないのか? 例文1には研究の「目的」や「展開」は書かれているが、「背景」が書かれ ていない。現在の研究はどのような状況で、何が問題で、何を解決すべきなの か、なぜその研究を行うのか、それをしっかりと書かないといけない。 例文2では、研究の背景は書かれているようにみえるが、事実の羅列のみ あり申請書で求められている「背景」にはなっていない。申請書で求められて いる「背景」とは解決すべき課題(学術的「問い」)が書かれているものだ。 このままでは審査委員は、何が問題で、この研究計画によって何が解決できる のかが認識できない。 「背景」と「問い」を明示しないと専門が異なる審査委員には「目的」の重 要度が伝わらない。研究課題をとりまく状況(背景)と解決すべき課題(問 い)があってこその研究である、そして、「問い」を解決することが研究の目 的である。 どのように改良すればよいか? 【概要】で研究の「背景」を書いていない例は結構多い。しかし、そのほとん どにおいて(全部で?),【本文】には研究の「背景」がきちんと書いてある (case16参照). 例文1の場合も【本文】から、「背景」を抜き出してくると、 ・日本が直面する超高齢社会において、歩行障害をきたしてリハビリを行う方 は急増している ・高齢者の歩行訓練のリハビリで、支援ロボットを使った例が多くなっている が、支援ロボットを現場のニーズに合わせて持続的に改良可能なシステムは まだない となる。例文2の場合、 ・今後、年金機構が先進国企業の主要株主になる ・そのため、役員選任・派遣など株主としての権利を行使すると予想される ・日本では、年金機構の投資受け入れの制度面の研究が進んでいない と研究の背景で解決すべき課題などが書いてあった.これらの記述を整理して まとめ、「背景」として加えるのがよいだろう。