040 case06 改善例 (概要) 抗血小板薬によって心筋梗塞や脳梗塞の発症リスクが低下することが大規模調査で明らかになって いる。しかし血小板に対してより高い特異性を有し、副作用の少ない薬剤の開発のためには、ADPレ セプターより下流に位置する血小板凝集のシグナル分子をターゲットにする必要がある。その候補分 子のひとつが、血小板の膜表面上のインテグリンの活性化に関与しているRap1であるが、その詳細な 機能については不明である。 日ん上 読みやすいフォントを工夫する 経路において、血小板内顆粒の放出反応に関与するタ れによって、新しいメカニズムの抗血小板薬の開発につ きると考える。 (本文) 【本研究の学術的背景】 わが国においては悪性新生物、心疾患、脳血管疾患 が死因の第1位から第3位を占める。そのうち、死因の 本申請者の研究計画の流れ コラーゲンがGPVIに結合 第2位、第3位を占める心疾患、脳血管疾患は血管障害 および血栓形成に関わる疾患という共通点があり、な血小板顆粒からADPの放出 これまでの抗血小板薬の 作用箇所 かでも心筋梗塞や脳梗塞などの虚血性疾患は人口の高 齢化や食事の欧米化により近年増加の傾向にあり、そ ADPレセプターの活性化 の死亡者数の合計は悪性新生物による死亡者数に匹敵 するため、これらの疾患についての基礎研究には大き 血小板凝集の阻害 な関心が払われなければならないものと考えられる。 この間をターゲットにした 阻害剤=新しい機序の 抗血小板薬 虚血性疾患の病因は動脈硬化などの血管病変に加え、 血小板や凝固系、線溶系などが関与した血栓形成反応が1研究計画の流れを図示する ど の抗血小板薬によって血栓形成反応を阻害することで心筋梗塞や脳梗塞の発症リスクが四下すること が欧米での大規模調査で明らかになり、現在、より有効な抗血小板薬を求めて多くの研究が進められ ている。 余白行を入れる 【申請者のこれまでの研究成果】 我々の研究室では 1989年にコラーゲンとの反応性を欠損している患者の血小板より、血小 ンパク質の GPVI を初めて同定するとともに、GRVI がコラーゲンレセプターとして機能して とを示した。GPVI がそのリガンドであるコラーゲンと結合し、その情報は血小板内へ伝えら 小板中に存在する顆粒の放出を引き起こし、顆中は含まれていた ADP がさらに血小板膜表面上に 存在するADP レセプターを介して周囲の血小板を活州 していく。抗 血小板薬として以前より使用されてきたチクロピジン 見出し項目を入れる 愛れた抗血小 板薬として本年より国内承認が下りたクロビドグレル 2001 平取用知子足のアフスグレルはとも にADP レセプターをターゲットとした薬剤であるが、抗血小板薬として、 特異性を有し副作用の少ない薬剤の開発のためにはADP レセプターより下流に位置する血小板凝集 のシグナル伝達に関与する分子をターゲットにする必要があると考えている。 【研究課題の核心をなす学術的「問い」】 そこで GPVIによる刺激に伴って血小板からの顆粒放出反応、すなわち ADP 放出反応と時系 同じくして活性化されるタンパク質を検索したところ、RapIの関与が強く示唆された。Raplは Ras