1総論 case 06 美しくない申請書は 読むのが苦痛(1) 理工系 生命科学系 医歯薬系 人文学系社会科学系 複合領域系 重要度★★★ 類度 ★★★ どこがよくないか (概要) 抗血小板薬によって心筋梗塞や脳梗塞の発症リスクが低下することが大規模調査で明らかになって いる。しかし血小板に対してより高い特異性を有し、副作用の少ない薬剤の開発のためには、ADP セプターより下流に位置する血小板凝集のシグナル分子をターゲットにする必要がある。その候補分 子のひとつが、血小板の膜表面上のインテグリンの活性化に関与しているRaplであるが、 機能については不明である。 本研究の目的は、Raplがわるシグナル伝達経路において、血小板内顆粒の放出反応に関与す ンパク質とその機構を明らかにすることである。これによって、新しいメカニズムの抗血小板薬の開 発につながり、心筋梗塞や脳梗塞の予防・治療に貢献できると考える。 (本文) わが国においては悪性新生物、心疾患、脳血省疾患が死因の第1位から第3位を占める。そのうち 死因の第2位、第3位を占める心疾患、脳血管疾患は血管障害および血栓形成に関わる疾患という共 点があり、なかでも心筋梗塞や脳梗塞などの虚血性疾患は人口の高齢化や食事の欧米化により近年 加の傾向にあり、その死亡者数の合計は悪性新生物による死亡者数に匹敵するため、これらの疾患に ついての基礎研究には大きな関心が払われなければならないものと考えられる。虚血性疾患の病因は 動脈硬化などの血管病変に加え、血小板や凝固系、線溶系などが関与した血栓形成反応が直接的な原 因となっている。アスピリンなどの抗血小板薬によって血栓形成反応を阻害することで心筋梗塞や服 梗塞の発症リスクが低下することが欧米での大規模調査で明らかになり、現在、より有効な抗血小板 薬を求めて多くの研究が進められている。 我々の研究室では1989年にコラーゲンとの反応性を欠損している思者の血小板より、血小板糖 パク質のGPVIを初めて同定するとともに、GPVIがコラーゲンレセブターとして機能している 示した。GPVIがそのリガンドであるコラーゲンと結合し、その情報は血小板内へ伝えられ 中に存在する顆粒の放出を引き起こし、顆粒中に含まれていたADPがさらに血小板膜表面上に存在す るADPレセプターを介して周囲の血小板を活性化し、血小板の凝集反応が進行していく。 として以前より使用されてきたチクロピジンと比較して、より副作用が少ない優れた抗血小板薬と て本年より国内承認が下りたクロビドグレル、2007年販売開始予定のプラスグレルはともにAD プターをターゲットとした楽剤であるが、抗血小板薬として、血小板に対してより高い特異性 副作用の少ない薬剤の開発のためにはADPレセプターより下流に位置する血小板凝集のシグナル伝達 に関与する分子をターゲットにする必要があると考えている。 そこでGPVIによる刺数に伴って血小板からの顆粒放出反応、すなわちADP放出反応 じくして活性化されるタンパク質を検索したところ、Rap1の関与が強く示唆された。Rap1は 似のタンパク質として見出されたが、細胞機能の広範囲な部分に関与しており、その生理的機 して統一的な解釈ができていないのが現状である。Raplの機能を調節するGEFやGAPの組み 細胞の種類によって大きく異なっているため、Raplは多様な機能を担うことができるのであろう 小板中には大量のRap1が存在しており、血小板の刺激によりGTPを結合した活性型に変 が知られている。このRap1の活性化は血小板膜表面上のインテグリンの活性化に関与している .037