020 case 02 アドバイス 図は一目見てポイントがつかめるよう シンプルにしよう 添削例 (概要) 本研究の目的は、129系統ES細胞が血清条件下で安定に自己複製できる理由を明らかにす ある。これまでに申請者は、GSK3/MAPK 阻害剤を含む無血清 2i培地を用いて、血清条件下 複製できる系統(129系統)とできない系統(NOD 系統)からES細胞を勘立 にした。①129-ES細胞では血清条件下でサイトカイン LIF の標的である転写因子 TFCP ている、②TFCP の過剰発現により、NODES細胞は血清条件下で STAT3 依存性に自己複 る。そこで、本研究ではTFCP の機能を解析し、ES 細胞の血清条件下での自己複製の獲得と維持 構を明らかにする。これにより、ヒトを含む動物種に山並みむ的のみなし性が可 能になり、再生医療に大きく貢献できると考えていう 図中の文章が多く、また図自体 からも複雑な印象を受ける (本文) (1) 本研究の学術的背景 申請者は、2i培養法を用いてマウス系統 (129SV、C57BL/6, CBA/ca, FVB/N、Msm お よび NOD)からES 細胞を独自に相立し、検討 した結果、以下のことが明らかとなっている(右 図参照)。 1) 異なったマウス系統由来 ES細胞は、サイト カイン LIF に対して異なった応答性を示す:すな わち、血清条件下での自己複製が可能な系統の ES 細胞(129、B6 系統)では、LIF-STAT3 標的遺伝 子が強く誘導されるが、できない系統の ES細胞 (CBA/ca、FVB/N、NOD 系統)では弱いことを 報告した(Kojina Development 2015)。 2)転与因子 TFCPの過剰発現で NOD-ES 細胞 は血清条件下で自己複製が可能となる:マイクロ アレイを用いた遺伝子発現解析により、短期間の 血清条件下で 129-ES細胞に高発現しているが、 NOD-ES細胞では消失する遺伝子を探索し、LIF の標的遺伝子である転写因子 TFCP を同定した。 このTFCP の過剰発現により、NOD-ES 細胞は血 清条件下で自己複製でき、かつ LIF 標的遺伝子の 誘導(LIF 応答性)の特徴も 129-ES 型に転換して いた。 3) TFCP は ES 細胞の自己複製に必須である: 129-ES細胞のTFCP ノックアウト(KO)ES細胞 は、血清条件下で細胞死に陥る(未発表)。 着想に至った経緯および予備実験の結果のまとめ 1)血清条件下でのES細胞の掛立と維持におけるマウス系統差 マウス系統によりLF-STAT3標的遺伝子の誘導に差がある、 すなわち、129-ES細胞では強く、NOD-ES細胞では弱い (Kojima Development 2015) 可能なマウス系統 できないマウス系統 (129-ES細胞) (NOD-ES細胞) LIF LIF STAT3 STAT3 自己複製 分化/番胞死 2)129-とNOD-ES細胞の遺伝発現の比較(血清条件下)による 転写因子 TFCP の同定 ES細胞において血清条件下の TFCPの発現は、 ①129-ES細胞で高く、MOD-ES細胞では消失する NOD-ES細胞において、TFCPの発現により CLIF応答性が129-ES型へ変換される ③血清条件下での自己複製が可能となる 3)TFCPはES細胞の自己複製に必類である 129-ES細胞において、TFCP KO-ES細胞は細胞死に陥る 4)TFCPとSTAT3との協額作用による遺伝子発現制街 ES細胞における TFCP 結合部位 (GSM288350) TFCP とSTAT3の ChiP-Seaデータのメタ 解析から、両者が結合 するゲノム領域には自 STAT3結合部位 (GSM288353) Oct4 Sox2 Nanog など 己複製に必額な遺伝子 が含まれる