--- title: "CASE 86: 不適切な接続詞を使っている" book: 科研費申請書の赤ペン添削ハンドブック 第3版 chapter: 第12章 その他(研究経費や図など) case_number: 86 pages: 353-355 images: page_0353.png ~ page_0355.png advice: "前後の文章の意味をよく考えてつながりに合わせた接続詞を使おう" tags: ["推敲のヒント"] --- # CASE 86: 不適切な接続詞を使っている ## アドバイス 前後の文章の意味をよく考えてつながりに合わせた接続詞を使おう ## どこがよくないか 研究代表者は抗うつ薬の用量反応性に関する研究を行い、低用量での処方によって効果が認められる症例も多い反面、効果が不十分な場合には増量によって症状が改善する患者も存在することを明らかにした。 ## 添削例 > 研究代表者は抗うつ薬の用量反応性に関する研究を行い、低用量での処方によって効果が認められる症例も多い反面、効果が不十分な場合には増量によって症状が改善する患者も存在することを明らかにした。 > > この前後は並列 **指摘された問題点:** 1. 「~も多い反面」という逆接の接続詞を使っているが、前後の文章の内容は逆ではなく並列の関係にある ## なぜよくないのか? 例文では「~も多い反面」とあり、審査委員は前の文章と後の文章で逆の効果があるようなことを期待して読み進めるが、特にそのようなことはない。ここでは内容が逆ではなく、「低用量での処方によって効果が認められる症例も多い」ことと「効果が不十分な場合には増量によって症状が改善する患者も存在する」ことの特徴を2つ並べて書いているだけ。ならば、より適切な接続詞がある。 これと同じような、つなぎが不適切になりがちな表現に「~だが」がある。これは本来は内容が逆の文章をつなぐ場合にのみ使われるのが正しい表現だ。しかし、多くの人が順接でも使っているため、順接での使用が普通になってしまっている。ただし、書類をつくるときには特に注意したい。 ## どのように改良すればよいか? 2つの文章をつなげて書いたとき、前後の文章の意味をよく考えて、つながりに注意しなければならない。もし苦手意識がある場合は、順接、逆接、並列、説明の4つをまず意識する。それぞれ「そして」「だから」、「しかし」「けれども」、「また」「および」、「すなわち」「つまり」などで示せる。 例文の場合、「また」を用いるか、あるいは文章を2つに分ける。 ## 改善例 > **例文-a** > > 研究代表者は抗うつ薬の用量反応性に関する研究を行い、低用量での処方によって効果が認められる症例も多く、**また**、効果が不十分な場合には増量によって症状が改善する患者も存在することを明らかにした。 > > 「また」でつなぐ > > **例文-b** > > 研究代表者は抗うつ薬の用量反応性に関する研究を行い、低用量での処方によって効果が認められる症例が多いことを見いだした。また効果が不十分な場合には増量によって症状が改善する患者も存在することを明らかにした。