--- title: "CASE 81: 時事問題への配慮が足りない" book: 科研費申請書の赤ペン添削ハンドブック 第3版 chapter: 第12章 その他(研究経費や図など) case_number: 81 pages: 339-340 images: page_0339.png ~ page_0340.png advice: "時事問題への配慮・対応を記そう.どこに時事的な要素が含まれているか把握しておく" tags: ["推敲のヒント"] --- # CASE 81: 時事問題への配慮が足りない ## アドバイス 時事問題への配慮・対応を記そう.どこに時事的な要素が含まれているか把握しておく ## どこがよくないか 野鳥や蚊の種類構成は、地域によって異なると考えられるため、調査地は、東京都(林試の森公園)、新潟県(佐潟湿地)、鳥取県(湖山)とする。これらの調査地では、過去に蚊の生息調査を実施し、分析に十分なサンプルが得られることを確認している。 ## 添削例 > 野鳥や蚊の種類構成は、地域によって異なると考えられるため、調査地は、東京都(林試の森公園)、新潟県(佐潟湿地)、鳥取県(湖山)とする。これらの調査地では、過去に蚊の生息調査を実施し、分析に十分なサンプルが得られることを確認している。 > > デング熱騒動があったが対応は? **指摘された問題点:** 1. 申請書作成中の2014年夏に東京の公園でデング熱が発生しており、「東京都(林試の森公園)での調査」を書くことに対する配慮がない ## なぜよくないのか? 申請書の記述が、時事問題に関連するときがある。例文では、「調査地は、東京都(林試の森公園)、新潟県(佐潟湿地)、鳥取県(湖山)」とある。しかし、申請書作成中の時期2014年夏に東京の公園でデング熱が発生した。このタイミングで「東京都(林試の森公園)での調査」を書いてよいか。 ## どのように改良すればよいか? 時事的な事柄が研究計画に影響をおよぼすことは、ないことではない。時事問題については、かかわることが申請前に明らかな場合は対応についての記述が必要であるし、そうでない場合でもかかわりそうな研究項目がどこかは申請者としてせめて把握しておこう。 例文では、東京での蚊の採取については何らかの注意事項を書いておくか、あるいは別の地域に変更するという改良のしかたが考えられる。具体的な場所を2カ所ほど言及しているので未定でもよいかもしれない。 ## 改善例 > 野鳥や蚊の種類構成は、地域によって異なると考えられるため、調査地は、新潟県(佐潟湿地)、鳥取県(湖山)ともう一カ所(現時点では未定)とする。これらの調査地では、過去に蚊の生息調査を実施し、分析に十分なサンプルが得られることを確認している。 > > 問題になりそうな場所を避けて未定とする