--- title: "CASE 76: 論文から流用された図は申請書ではわかりにくい" book: 科研費申請書の赤ペン添削ハンドブック 第3版 chapter: 第12章 その他(研究経費や図など) case_number: 76 pages: 319-322 images: page_0319.png ~ page_0322.png advice: "論文の図を使うときは申請書にはめ込んで違和感のないように工夫しよう。読みにくい部分、申請書では詳しすぎる部分をシンプルに書き直す" tags: ["簡潔に", "図表"] --- # CASE 76: 論文から流用された図は申請書ではわかりにくい ## アドバイス 論文の図を使うときは申請書にはめ込んで違和感のないように工夫しよう。読みにくい部分、申請書では詳しすぎる部分をシンプルに書き直す ## どこがよくないか (※論文から流用されたグラフが掲載されている。cell line (EGFR mutation) として H3255、A763_Y764、HCC827 の3種のセルラインのイレッサ(gefitinib)濃度に対する増殖抑制率(proportion of cell viability, % control)を示すグラフ。エラーバー付きで観測値が密に打たれており、軸の英語表記も小さい) > EGFR変異のセルラインによってイレッサへの反応性が異なる。 > > (Kojima M et. al. BBR 2013)より ## 添削例 (※同じグラフが掲載されている) > EGFR変異のセルラインによってイレッサへの反応性が異なる。 **指摘された問題点:** 1. 論文からそのまま流用していて見にくい。見やすくなるようにまとめ直す ## なぜよくないのか? 例では発表した論文の図に解説を加えているのはよいが、グラフの文字が小さい部分があり、図もやや見にくい部分がある。論文ではグラフにエラーバーを入れるが、申請書の場合には必要だろうか? 論文から図を流用するときにはそのままでもわかりやすいのか、考えてみた方がよい。 ## どのように改良すればよいか? 論文の図をそのままもってこないこと。また申請書の実験図は正確さよりも、わかりやすさを優先する。そのためエラーバーなどは必要ないので、できれば省いて図を見やすくする。またグラフなどで観測値が多くてわかりにくいときには、適当に間引きして見やすくする。図中の文字の大きさは本文と同じか、やや小さめがよいので、申請書に図をもってきたときの大きさを考えて最適なフォントの大きさを決める(case75参照)。また英語表記はできるだけ日本語にする。その方が少し遠い分野の審査委員は理解しやすい。またクリアな図にするためには、描いた図をjpegファイルに変換するときに高解像度で保存するとよい。 例では、エラーバーをカットし、観測値を間引いたうえで、縦軸と横軸の英語を日本語にする。 ## 改善例 (※改善されたグラフ:エラーバーがカットされ、観測値が間引かれ、縦軸は「コントロールに対する生存率(%)」、横軸は「イレッサの濃度(μM)」と日本語表記に変更。フォントサイズも大きくなっている) > EGFR変異のセルラインによってイレッサへの反応性が異なる。 > > (Kojima M et. al. BBR 2013)より 改善ポイント: - フォントサイズを大きくする - エラーバーをカットする - 観測値を間引く - 英語を日本語にする