--- title: "CASE 74: 写真が不明瞭で意図がよくわからない" book: 科研費申請書の赤ペン添削ハンドブック 第3版 chapter: 第12章 その他(研究経費や図など) case_number: 74 pages: 313-314 images: page_0313.png ~ page_0314.png advice: "写真は審査委員の手元ではモノクロになることを見越して作成する" tags: ["図表"] --- # CASE 74: 写真が不明瞭で意図がよくわからない ## アドバイス 写真は審査委員の手元ではモノクロになることを見越して作成する ## どこがよくないか > ショウジョウバエの脂肪体(Fat body)はさまざまな生理活性ペプチドを分泌する > > ほ乳類の脂肪組織からはレプチンやアディポネクチンをはじめとして、さまざまな生理活性ペプチドやペプチド・ホルモンを分泌している。これらの脂肪組織由来の生理活性ペプチドは、個体の栄養状態に応じて合成や分泌が制御されており、生体の成長・発育に重要な役割を担っている。ほ乳類以外にも例えばモデル生物で研究によく使われるショウジョウバエには、ほ乳類の脂肪組織に相当する器官として脂肪体があるが、脂肪体で合成・分泌される生理活性ペプチドにはどのようなものがあり、どのような機能を担っているのかは、まだ十分に解明されていない。申請者らは最近、ショウジョウバエ脂肪体から新規の生理活性ペプチドを見つけ出した。(図1) (※図1は暗いモノクロの蛍光顕微鏡写真で「抗ペプチド抗体」とのみ記載。モノクロ印刷では何を示しているのかほとんどわからない) ## 添削例 > ショウジョウバエの脂肪体(Fat body)はさまざまな生理活性ペプチドを分泌する > > ほ乳類の脂肪組織からはレプチンやアディポネクチンをはじめとして、さまざまな生理活性ペプチドやペプチド・ホルモンを分泌している。これらの脂肪組織由来の生理活性ペプチドは、個体の栄養状態に応じて合成や分泌が制御されており、生体の成長・発育に重要な役割を担っている。ほ乳類以外にも例えばモデル生物で研究によく使われるショウジョウバエには、ほ乳類の脂肪組織に相当する器官として脂肪体があるが、脂肪体で合成・分泌される生理活性ペプチドにはどのようなものがあり、どのような機能を担っているのかは、まだ十分に解明されていない。申請者らは最近、ショウジョウバエ脂肪体から新規の生理活性ペプチドを見つけ出した。(図1) **指摘された問題点:** 1. 写真の意図は濃淡だけでも表せているか? ## なぜよくないのか? 例文は、カラー印刷だとよくわかるのかもしれないが、モノクロではいったい何を示すのかわからない。通常、画像というものは非常にインパクトがあって一目でわかるものである。ただし、申請書に写真を載せるときには要注意だ。一部の種目を除き、審査委員にはモノクロ印刷で送られてくるが、写真はモノクロになるとわかりにくいものが多いからだ。特に医歯薬学系や生命科学系の組織切片の写真はわかりにくいことが多い。 ## どのように改良すればよいか? モノクロ印刷になる申請書では、特に写真はわかりにくくなりがちと思おう。そのためモノクロで図を印刷して意図通りに理解できるかを判断して、写真を使うかどうかを決める。もしモノクロ印刷で写真の意図がはっきりと伝わりそうにないときには、思い切って写真をカットし、イラストや言葉での説明を増やす方がよい。