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title: "CASE 68: 「(2)研究環境」の書き方が主観的で、具体性が不十分(2)"
book: 科研費申請書の赤ペン添削ハンドブック 第3版
chapter: 第10章 応募者の研究遂行能力及び研究環境
case_number: 68
pages: 293-296
images: page_0293.png ~ page_0296.png
advice: "申請者の研究遂行に必要な施設・設備が整っていることをできるだけ具体的に書こう"
tags: ["具体的に", "アピールする"]
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# CASE 68: 「(2)研究環境」の書き方が主観的で、具体性が不十分(2)
## アドバイス
申請者の研究遂行に必要な施設・設備が整っていることをできるだけ具体的に書こう
## どこがよくないか
① 本研究を実施する研究施設は、K大学ならびに同大学院を中心として、F県T地区教育研究所も含まれる。大学や研究所においては、本研究に必要な設備がほぼ整備されているが、本研究で新たに必要な機材をある程度購入する必要がある。
② 本研究はK大学を拠点として実施し、協力校との連絡調整は良好に行える環境である。大学等の研究機関の調整は、メールその他を用いて円滑に行える状況であるとともに、必要に応じて訪問可能な環境にある。
## 添削例
> ① 本研究を実施する研究施設は、K大学ならびに同大学院を中心として、F県T地区教育研究所も含まれる。大学や研究所においては、本研究に必要な設備がほぼ整備されているが、本研究で新たに必要な機材をある程度購入する必要がある。
>
> 裏づけがない、具体例をあげる
>
> ② 本研究はK大学を拠点として実施し、協力校との連絡調整は良好に行える環境である。大学等の研究機関の調整は、メールその他を用いて円滑に行える状況であるとともに、必要に応じて訪問可能な環境にある。
>
> 客観的でない。具体的に書く
**指摘された問題点:**
1. 「ほぼ整備されている」の裏づけがない
2. 「ある程度購入する」が具体的でない
3. 「連絡調整は良好に行える環境」が客観的でない
4. 「円滑に行える状況」「訪問可能な環境」が客観的でない
## なぜよくないのか?
Case67でも書いたが【(2)研究環境(研究遂行に必要な研究施設・設備・研究資料等を含む)】を記述する理由は、「応募者の研究計画の実行可能性を示すため」である。この例文では必要な研究施設・設備が「ほぼ整備されている」と書かれているが、裏づけがなく実際の内容はわからない。また「協力校との連絡調整は良好に行える環境」とあるが、あまり客観的ではない。
この部分では申請者の「研究環境」を具体的に記載する必要があるが、例文は他の申請者の申請書に書かれていても通用する。もっとオリジナルなものを書かないといけない。
## どのように改良すればよいか?
申請者のオリジナルな「研究環境」を審査委員が客観的に判断できるように具体的に書くこと。例文では、「必要な設備」や「新たに必要な機材」は具体的に例をあげて説明する。「連絡調整は良好に行える環境」とある部分も、もっと詳しく説明する。
## 改善例
> ① 本研究を実施する研究施設は、K大学ならびに同大学院を中心として、F県T地区教育研究所も含まれる。K大学においては、教員養成カリキュラム開発のための教職キャリアデータベースがあり、また教職キャリアカウンセリングツールが導入されているなど、本研究に必要な設備や資料がほぼ整備されている。さらに本研究では、現役教員向けのWebプログラム作成のために新たに必要な機材(音声レコーダー、ビデオレコーダー、編集ソフトなど)をある程度購入する必要がある。
>
> ② 本研究はK大学を拠点として実施し、Web会議システムを使って協力校との連絡調整は良好に行える環境である。また大学等の研究機関の調整は、メールその他を用いて円滑に行える状況であるとともに、F県内の同じ地区であるため必要に応じて訪問可能な環境にある。
## 申請者のギモン 27 強調 その3
強調に波線や二重下線を使ってもよいですか?
使ってもよいが、波線はそれほど目立たず、意外に存在感がない。また二重下線は、一本線の下線よりも確かに目立つが、ごちゃごちゃした印象になる。
もし下線を付けるのなら、波線や二重下線でなく、普通の下線にした方がよい。もしくは、強調手段としては文字をゴシック太字にするとよい(申請者のギモン25も参照)。なお、重要な部分がわからなくなるので、くれぐれも強調文字は多すぎないこと(Case07, 11参照)。