--- title: "CASE 55: たくさんの項目を文章だけで説明しようとしていてわかりにくい" book: 科研費申請書の赤ペン添削ハンドブック 第3版 chapter: 第8章 研究目的、研究方法など:何をどのように case_number: 55 pages: 241-244 images: page_0241.png ~ page_0244.png advice: "箇条書きや図表を活用して関係性が視覚的にもわかるようにしよう" tags: ["レイアウト", "図表"] --- # CASE 55: たくさんの項目を文章だけで説明しようとしていてわかりにくい ## アドバイス 箇条書きや図表を活用して関係性が視覚的にもわかるようにしよう ## どこがよくないか **例文1** > 聞き取りおよびアンケート調査:介護予防への興味の程度、自分の介護予防のために必要であると考えている知識(筋力、筋・骨格、バランス、転倒、認知機能、痛みの対処など)、運動器の機能向上プログラムに参加するにあたり、希望や期待している効果、現在困難に感じている動作や自信がない日常生活動作、それに対しての対処法、今後どのような対処をすればうまくできると考えるか、どのような対処をすれば自信がつくと考えるか。 **例文2** > (認知機能、各種評価尺度とTMSとの関連についての検討) > 経頭蓋磁気刺激法(TMS:Transcranial magnetic stimulation)の治療効果予測指標を開発の目的で、TMS開始前にWAIS-III(Wechsler Adult Intelligence Scale 3rd Edition)を用いて認知機能、前頭葉機能を評価する。また、それぞれの疾患ごとに特有の症状評価は、うつ病の場合はBDI(Beck Depression Inventory)およびSDS(Self-rating Depression Scale)、統合失調症の場合はPANSS(Positive and Negative Syndrome Scale)およびSAPS(Scale for the Assessment of Positive Symptoms)、強迫神経性障害の場合はY-BOCS(Yale-Brown Obsessive Compulsive Scale)によって行う。また日常機能障害はGAF(Global Assessment of Functioning)を用いて評価する。 ## 添削例 **例文1** > 聞き取りおよびアンケート調査:介護予防への興味の程度、自分の介護予防のために必要であると考えている知識(筋力、筋・骨格、バランス、転倒、認知機能、痛みの対処など)、運動器の機能向上プログラムに参加するにあたり、希望や期待している効果、現在困難に感じている動作や自信がない日常生活動作、それに対しての対処法、今後どのような対処をすればうまくできると考えるか、どのような対処をすれば自信がつくと考えるか。 **指摘された問題点:** 1. アンケート項目。箇条書きか表を使う **例文2** > (認知機能、各種評価尺度とTMSとの関連についての検討) > 経頭蓋磁気刺激法(TMS:Transcranial magnetic stimulation)の治療効果予測指標を開発の目的で、TMS開始前にWAIS-III(Wechsler Adult Intelligence Scale 3rd Edition)を用いて認知機能、前頭葉機能を評価する。また、それぞれの疾患ごとに特有の症状評価は、うつ病の場合はBDI(Beck Depression Inventory)およびSDS(Self-rating Depression Scale)、統合失調症の場合はPANSS(Positive and Negative Syndrome Scale)およびSAPS(Scale for the Assessment of Positive Symptoms)、強迫神経性障害の場合はY-BOCS(Yale-Brown Obsessive Compulsive Scale)によって行う。また日常機能障害はGAF(Global Assessment of Functioning)を用いて評価する。 **指摘された問題点:** 1. 表を使って試験を整理する ## なぜよくないのか? 「アンケート調査を行う」と書いているのに、その中身を書いていない例が多いなかで、例文1ではアンケートの項目をきちんと書いていてその点は評価できる。しかし書き方として、項目を次々と列挙し、文章のみで説明しようとしている点がわかりにくい。 例文2は、認知機能、症状評価、日常機能障害などの試験方法が順番に書かれているが、文章のみで説明しようとしているだけでなく、試験名の和文表記、欧文表記の略称とフルスペルが括弧で示され、文章のつながりが非常にわかりにくい。目で文章を追うだけでもたいへんだ。 ## どのように改良すればよいか? 多くの項目を順番にあげるときには、文章で続けて書かないで、箇条書きにするか、図表にするとわかりやすい。特にアンケート調査やインタビュー調査では、項目を次々と書いて煩雑になりやすいので、箇条書きや表にするとよい。 ## 改善例 **例文1-a(箇条書きにする)** > 聞き取りおよびアンケート調査: > ・介護予防への興味の程度 > ・自分の介護予防のために必要であると考えている知識(筋力、筋・骨格、バランス、転倒、認知機能、痛みの対処など) > ・運動器の機能向上プログラムに参加するにあたり、希望や期待している効果 > ・現在困難に感じている動作や自信がない日常生活動作、それに対しての対処法 > ・今後どのような対処をすればうまくできると考えるか、どのような対処をすれば自信がつくと考えるか **例文1-b(表にまとめる)** > | 番号 | 聞き取りおよびアンケート調査 | > |------|------| > | 1 | 介護予防への興味の程度 | > | 2 | 自分の介護予防のために必要であると考えている知識(筋力、筋・骨格、バランス、転倒、認知機能、痛みの対処など) | > | 3 | 運動器の機能向上プログラムに参加するにあたり、希望や期待している効果 | > | 4 | 現在困難に感じている動作や自信がない日常生活動作、それに対しての対処法 | > | 5 | 今後どのような対処をすればうまくできると考えるか、どのような対処をすれば自信がつくと考えるか | **例文2(表にまとめる)** > TMSの治療効果予測指標を開発の目的で、次表の試験方法で各種の評価を行う。 > > | 調べる項目 | 試験方法 | | > |------|------|------| > | 認知機能、前頭葉機能 | WAIS-III | (Wechsler Adult Intelligence Scale 3rd Edition) | > | うつ病 | BDI および SDS | (Beck Depression Inventory)(Self-rating Depression Scale) | > | 統合失調症 | PANSS および SAPS | (Positive and Negative Syndrome Scale)(Scale for the Assessment of Positive Symptoms) | > | 強迫神経性障害 | Y-BOCS | (Yale-Brown Obsessive Compulsive Scale) | > | 日常機能障害 | GAF | (Global Assessment of Functioning) |