--- title: "CASE 11: 強調したい部分が目立たない" book: 科研費申請書の赤ペン添削ハンドブック 第3版 chapter: 第1章 総論 case_number: 11 pages: 57-60 images: page_0057.png ~ page_0060.png advice: "本当に重要な1~2カ所だけを太字にしよう" tags: ["アピールする"] --- # CASE 11: 強調したい部分が目立たない ## アドバイス 本当に重要な1~2カ所だけを太字にしよう ## どこがよくないか ①**研究の学術的背景**:**脊椎は体幹を支持する重要な臓器であり、脊椎アライメントの不整と運動機能低下の関連について、今までに多くの検討が行われている。**一部の研究では脊椎アライメントと運動機能に相互に作用する中間因子としてサルコペニアの重要性が示唆されているものの、**これら要因間での因果関係が証明されるまでにはいたっていない。**これは、解析対象となる集団の偏りから結果を一般化できないこと、相互に関連することが予想される脊椎アライメント・サルコペニアが包括的かつ体系的に評価されていないこと、評価の客観性・再現性に問題があること、評価基準が明確化されていないこと、が原因であると考えられ、上記問題点を解決し、**サルコペニアと脊椎アライメント・運動機能の因果関係を明らかにするために**、申請者は以下の手法を考案している。 1)**サルコペニア・脊椎アライメント・運動機能を評価するコホート調査の実施とデータベース化**:住民票よりランダムに抽出した住民検診を母体として、サルコペニア・脊椎アライメント・運動機能をターゲットにしたコホート調査へと拡大させることで、対象集団の選択バイアスを排除する。コホート調査における医用画像評価は、**X線画像(全脊椎その他)、腰椎単純MRI、DEXA**を用いた骨密度(腰椎・股関節)であり、**スパイナルマウスによる脊椎アライメント評価**に加え、筋力・筋量評価は、握力、下肢筋力、体組成計による筋量の測定を行う。また腰痛関連指標、QOL関連指標、ADLなどの聞き取り調査、歩行速度、立ちしゃがみ時間、片脚起立時間など運動機能テストも併せて行い、サルコペニア・脊椎アライメント・運動機能の因果関係が検討可能な包括的かつ体系的な調査を実施し、効率的データ利用のためにデータベース化を行う。 ## 添削例 > ①**研究の学術的背景**:**脊椎は体幹を支持する重要な臓器であり、脊椎アライメントの不整と運動機能低下の関連について、今までに多くの検討が行われている。**一部の研究では脊椎アライメントと運動機能に相互に作用する中間因子としてサルコペニアの重要性が示唆されているものの、**これら要因間での因果関係が証明されるまでにはいたっていない。**これは、解析対象となる集団の偏りから結果を一般化できないこと、相互に関連することが予想される脊椎アライメント・サルコペニアが包括的かつ体系的に評価されていないこと、評価の客観性・再現性に問題があること、評価基準が明確化されていないこと、が原因であると考えられ、上記問題点を解決し、**サルコペニアと脊椎アライメント・運動機能の因果関係を明らかにするために**、申請者は以下の手法を考案している。 > > 1)**サルコペニア・脊椎アライメント・運動機能を評価するコホート調査の実施とデータベース化**:住民票よりランダムに抽出した住民検診を母体として、サルコペニア・脊椎アライメント・運動機能をターゲットにしたコホート調査へと拡大させることで、対象集団の選択バイアスを排除する。コホート調査における医用画像評価は、**X線画像(全脊椎その他)、腰椎単純MRI、DEXA**を用いた骨密度(腰椎・股関節)であり、**スパイナルマウスによる脊椎アライメント評価**に加え、筋力・筋量評価は、握力、下肢筋力、体組成計による筋量の測定を行う。また腰痛関連指標、QOL関連指標、ADLなどの聞き取り調査、歩行速度、立ちしゃがみ時間、片脚起立時間など運動機能テストも併せて行い、サルコペニア・脊椎アライメント・運動機能の因果関係が検討可能な包括的かつ体系的な調査を実施し、効率的データ利用のためにデータベース化を行う。 **指摘された問題点:** 1. 太字が多すぎる。1~2カ所のみを太字に ## なぜよくないのか? 強調部分が多すぎる。 太字にするのはどのような意味があるのか?それをもう一度よく考えてほしい。強調するのは、その部分が重要であるからだと思う。そのため、その部分を"審査委員に絶対に見逃してほしくない"、"ぜひ注意して読んでもらいたい"と思って太字にしたことだろう。しかし、太字の部分が多すぎると、いったいどこが重要な部分なのかわからなくなり本来の意図が薄れてしまう。 ## どのように改良すればよいか? その部分を本当に強調する必要があるのか、もう一度考える。それでもなお強調したいのなら、その部分は非常に重要であるはず、そのような箇所は太字としよう。なお、見出しは該当部分の文章に何が書かれているかが端的にわかり、全体の構成をつかみやすくなるため、ゴシック体太字などにして強調するのがいいだろう。 例文では見出しと、重要な部分を太字にした(下線も同じような強調手段。こちらも使うときには注意が必要、申請者のギモン26参照)。 ## 改善例 > ①**研究の学術的背景**:脊椎は体幹を支持する重要な臓器であり、脊椎アライメントの不整と運動機能低下の関連について、今までに多くの検討が行われている。一部の研究では脊椎アライメントと運動機能に相互に作用する中間因子としてサルコペニアの重要性が示唆されているものの、これら要因間での因果関係が証明されるまでにはいたっていない。これは、解析対象となる集団の偏りから結果を一般化できないこと、相互に関連することが予想される脊椎アライメント・サルコペニアが包括的かつ体系的に評価されていないこと、評価の客観性・再現性に問題があること、評価基準が明確化されていないこと、が原因であると考えられ、上記問題点を解決し、**サルコペニアと脊椎アライメント・運動機能の因果関係を明らかにするために**、申請者は以下の手法を考案している。 > > 1)**サルコペニア・脊椎アライメント・運動機能を評価するコホート調査の実施とデータベース化**:住民票よりランダムに抽出した住民検診を母体として、サルコペニア・脊椎アライメント・運動機能をターゲットにしたコホート調査へと拡大させることで、対象集団の選択バイアスを排除する。コホート調査における医用画像評価は、X線画像(全脊椎その他)、腰椎単純MRI、DEXAを用いた骨密度(腰椎・股関節)であり、スパイナルマウスによる脊椎アライメント評価に加え、筋力・筋量評価は、握力、下肢筋力、体組成計による筋量の測定を行う。また腰痛関連指標、QOL関連指標、ADLなどの聞き取り調査、歩行速度、立ちしゃがみ時間、片脚起立時間など運動機能テストも併せて行い、サルコペニア・脊椎アライメント・運動機能の因果関係が検討可能な包括的かつ体系的な調査を実施し、効率的データ利用のためにデータベース化を行う。