--- title: "CASE 08: 一文が長くて読みにくい" book: 科研費申請書の赤ペン添削ハンドブック 第3版 chapter: 第1章 総論 case_number: 8 pages: 45-48 images: page_0045.png ~ page_0048.png advice: "文章は短くしよう。2行を超える一文は分割する" tags: ["簡潔に"] --- # CASE 08: 一文が長くて読みにくい ## アドバイス 文章は短くしよう。2行を超える一文は分割する ## どこがよくないか **例文1** (概要) 本研究では、ラット頭蓋骨欠損モデル等の造骨の評価に適した動物モデルに脱灰した象牙質を移植後、次世代走査型顕微鏡(Focused ion beam; FIB/SEM)を用いて、象牙質とその周囲に形成される骨組織との境界面を3次元的微細構造レベルで観察し、それらの相互関係の組織構築を超微形態レベルで形態学的に解析することを目指すとともに移植材料に骨髄幹細胞等を用いて脱灰象牙質と比較し、より効率的な骨再生療法を追求することを目的とする。顎顔面領域において、骨造成を期待する治療法の一つに骨欠損部に対して脱灰象牙質を移植する補填術があり、近年臨床でも用いられている。その形成骨と脱灰象牙質の境界面構造およびその周囲組織構築の詳細については臨床的に重要であるものの、未だ明確ではない。 **例文2** 本研究においては、住民代表性の確立した幅広い年齢を対象に脊椎アライメントと運動機能に関する情報を包括的かつ体系的に収集するとともに、重要な中間因子であるサルコペニアに関しても検討を行うことで、効果的予防法(一次予防)と運動機能低下ハイリスク群の効率的選択法(二次予防)に関するエビデンスを構築することが可能である。 ## 添削例 **例文1** > (概要) > > 本研究では、ラット頭蓋骨欠損モデル等の造骨の評価に適した動物モデルに脱灰した象牙質を移植後、次世代走査型顕微鏡(Focused ion beam; FIB/SEM)を用いて、象牙質とその周囲に形成される骨組織との境界面を3次元的微細構造レベルで観察し、それらの相互関係の組織構築を超微形態レベルで形態学的に解析することを目指す**とともに**移植材料に骨髄幹細胞等を用いて脱灰象牙質と比較し、より効率的な骨再生療法を追求することを目的とする。顎顔面領域において、骨造成を期待する治療法の一つに骨欠損部に対して脱灰象牙質を移植する補填術があり、近年臨床でも用いられている。その形成骨と脱灰象牙質の境界面構造およびその周囲組織構築の詳細については臨床的に重要であるものの、未だ明確ではない。 **例文2** > 本研究においては、住民代表性の確立した幅広い年齢を対象に脊椎アライメントと運動機能に関する情報を包括的かつ体系的に収集するとともに、重要な中間因子であるサルコペニアに関しても検討を行う**ことで**、効果的予防法(一次予防)と運動機能低下ハイリスク群の効率的選択法(二次予防)に関するエビデンスを構築することが可能である。 **指摘された問題点:** 1. 例文1:文章が長い。「ここで文章を分ける」(「目指すとともに」の箇所) 2. 例文2:文章が長い。「ここで文章を分ける」(「行うことで」の箇所) ## なぜよくないのか? 例文1は1つの文章が長すぎる。最初の一文は5行もある。 例文2では「住民代表性の確立した幅広い年齢を対象に脊椎アライメントと運動機能に関する情報を包括的かつ体系的に収集するとともに、重要な中間因子であるサルコペニアに関しても検討を行う」と「効果的予防法(一次予防)と運動機能低下ハイリスク群の効率的選択法(二次予防)に関するエビデンスを構築する」という2つの内容がつながっているので、文章が長く、わかりにくい。 ## どのように改良すればよいか? 長すぎる一文は二文に分ける。最大でも2行くらいにするのが適当。「とともに」とか「することで」とあるときには、2つの内容が書かれていることが多く、そこで文章を切ることができる。 例文1の場合、「目指すとともに」でカットして、文章を分ける(それでも一文目は約3行だが)、さらに段落を分けて文章をわかりやすくし、全体を整える。 例文2も「行うことで」とあるところで文章を切って、2つに分けた方がわかりやすくなる。 ## 改善例 **例文1** > (概要) > > 本研究では、ラット頭蓋骨欠損モデル等の造骨の評価に適した動物モデルに脱灰した象牙質を移植後、次世代走査型顕微鏡(Focused ion beam; FIB/SEM)を用いて、象牙質とその周囲に形成される骨組織との境界面を3次元的微細構造レベルで観察し、それらの相互関係の組織構築を超微形態レベルで形態学的に解析する。さらに移植材料に骨髄幹細胞等を用いて脱灰象牙質と比較し、より効率的な骨再生療法を追求する。 > > 顎顔面領域において、骨造成を期待する治療法の一つに骨欠損部に対して脱灰象牙質を移植する補填術があり、近年臨床でも用いられている。その形成骨と脱灰象牙質の境界面構造およびその周囲組織構築の詳細については臨床的に重要であるものの、未だ明確ではない。 **例文2** > 本研究においては、住民代表性の確立した幅広い年齢を対象に脊椎アライメントと運動機能に関する情報を収集し、重要な中間因子であるサルコペニアに関しても検討を行う。これによって、効果的な予防法(一次予防)と運動機能低下のハイリスク群の効率的な選択法(二次予防)に関するエビデンスを構築することが可能である。