--- title: "CASE 03: 箇条書きが多すぎてわかりにくい" book: 科研費申請書の赤ペン添削ハンドブック 第3版 chapter: 第1章 総論 case_number: 03 pages: 23-28 images: page_0023.png ~ page_0028.png advice: "箇条書きや見出し表記の種類は絞ろう。1~2カ所に限定して効果的に使い、数が多すぎるときは「・」を使ってシンプルに" tags: ["簡潔に", "レイアウト", "アピールする"] --- # CASE 03: 箇条書きが多すぎてわかりにくい ## アドバイス 箇条書きや見出し表記の種類は絞ろう。1~2カ所に限定して効果的に使い、数が多すぎるときは「・」を使ってシンプルに ## どこがよくないか (1)本研究の学術的背景、研究課題の核心をなす学術的「問い」 近年の大学入試の選抜制度は従来の学力試験以外に、推薦入試やAO入試など様々な方式が混在しており、入学時の学力の違いから入学後に授業についていくことが困難な例もしばしばみられる。本研究では多様な選抜試験の成績を用いて、大学入学後の学力を維持し、カリキュラム不適合を減少させる学力支援システムを構築する。学術的背景として以下の3点に着目する。 (背景1)大学入試の選抜方法の多様化と過大評価 (背景2)大学入学時の成績を基にしたカリキュラム効果測定 (背景3)母数推定の簡易化の必要性 本研究では(1)であげた(背景1)~(背景3)の各問題について以下のような理論的なことがらを明らかにし、大学入試の選抜方法に関わらず、入学後の学生の学力を客観的に判定することができる合否判定システムを構築する。 (理論1)学力の過大評価を防ぐためのベイズ推定量の導出 (理論2)カリキュラム効果の推定に向けた拡張 (理論3)開発された項目判定理論の簡易化 これらの理論とシステム構築によって、以下のような応用が想定される。 (応用1)多様な大学入試の選抜方法の合否判定の支援システムの開発 (応用2)損失関数設定の自動化機能の開発 (応用3)学力支援カリキュラムの効果測定機能の開発 ## 添削例 > (1)本研究の学術的背景、研究課題の核心をなす学術的「問い」 > > 近年の大学入試の選抜制度は従来の学力試験以外に、推薦入試やAO入試など様々な方式が混在しており、入学時の学力の違いから入学後に授業についていくことが困難な例もしばしばみられる。本研究では多様な選抜試験の成績を用いて、大学入学後の学力を維持し、カリキュラム不適合を減少させる学力支援システムを構築する。学術的背景として以下の3点に着目する。 > > (背景1)大学入試の選抜方法の多様化と過大評価 > (背景2)大学入学時の成績を基にしたカリキュラム効果測定 > (背景3)母数推定の簡易化の必要性 > > 本研究では(1)であげた(背景1)~(背景3)の各問題について以下のような理論的なことがらを明らかにし、大学入試の選抜方法に関わらず、入学後の学生の学力を客観的に判定することができる合否判定システムを構築する。 > > (理論1)学力の過大評価を防ぐためのベイズ推定量の導出 > (理論2)カリキュラム効果の推定に向けた拡張 > (理論3)開発された項目判定理論の簡易化 > > これらの理論とシステム構築によって、以下のような応用が想定される。 > > (応用1)多様な大学入試の選抜方法の合否判定の支援システムの開発 > (応用2)損失関数設定の自動化機能の開発 > (応用3)学力支援カリキュラムの効果測定機能の開発 **指摘された問題点:** 1. 箇条書きが多すぎる。1~2カ所までにする ## なぜよくないのか? 例文には「(背景1)~(背景3)」「(理論1)~(理論3)」「(応用1)~(応用3)」、ここには載せていないが、「(ア)~(ウ)」もあり、箇条書きが4カ所も登場する。 箇条書きも一種の強調手段である(申請者のギモン28参照)。使いすぎはよくない(強調の意図が薄れる)。また、箇条書きにするとしても括弧や数字、文字が多くなりすぎると雑多でまとまりのない印象を与えてしまう。 ## どのように改良すればよいか? 箇条書きは研究項目をまとめるのによい手段だが、登場回数が多すぎると逆効果になる。最適な箇条書きの数は多くても1ページに1カ所以内。基盤研究(C)の【研究目的、研究方法など】は4ページ以内に記入するが、そのなかには2カ所くらいがよい。それより多いときにはいくつかは箇条書きをやめて、文章でつなげて書く方がまとまった印象になる。 箇条書きの項目数が多くなると見た目がよくない。そんなときにはどうすればよいのか?例えば(1)とか(a)とかの括弧文字を使わないで、シンプルに「・」を使うのはどうだろう。こうすれば(1)~(5)や(a)~(d)などが少なくなって見た目上はすっきりする。 例文では「(背景1)~(背景3)」が上の文章部分と同じ内容の言い換えなので、カットして文章を整理する。「(理論1)~(理論3)」はシンプルに「・」にして、「(応用1)~(応用3)」のみを残す(case85も参照)。 ## 改善例 > (1)本研究の学術的背景、研究課題の核心をなす学術的「問い」 > > 近年の大学入試の選抜制度は従来の学力試験以外に、推薦入試やAO入試など様々な方式が混在しており、入学時の学力の違いから入学後に授業についていくことが困難な例もしばしばみられる。本研究では多様な選抜試験の成績を用いて、大学入学後の学力を維持し、カリキュラム不適合を減少させる学力支援システムを構築する。 > > 本研究では上記の問題について次のようなことがらを明らかにし、大学入試の選抜方法に関わらず、入学後の学生の学力を客観的に判定することができる合否判定システムを構築する。 > > ・学力の過大評価を防ぐためのベイズ推定量を導出するにはどのようにすればいいのか > ・カリキュラム効果の推定に向けた拡張をどのように進めるのか > ・開発された項目判定理論を簡易化するにはどうすればいいのか > > これらの理論とシステム構築によって、以下のような開発への応用が想定される。 > > (応用1)多様な大学入試の選抜方法の合否判定の支援システムの開発 > (応用2)損失関数設定の自動化機能の開発 > (応用3)学力支援カリキュラムの効果測定機能の開発