公用文独特の表現 令和4年1月に文化庁がまとめた「「公用文作成の考え方」について(建議)」 はとてもよくまとまった文章ですので、日本語作文の基礎を見直すうえで一度目を 通しておいて損はないでしょう。基本的にはこれに沿って書けば問題はありません。 3.3節 わかりやすい日本語作文のテクニック #科研費のコツ 89文が長すぎない、短すぎない #料研費のコツ 87その略号は必要? #料研費のコツ 88内容は極力シンプルに 略号表記 象です)。 略号を多用した申請書を読むことがあります(医学系の申請書でよく見かける印 NG そこで本研究では、ALS、PD、AD などの神経変性疾患に対する治療法の 開発を目的とする。とくに、BDNF、GDNF、NGF などの神経成長因子を 用いた治療法の効果を検証するため、DBS、PET、fMRIなどの画像診断 法や、ALSFRS-R、UPDRS、MMSE などの評価尺度を用いて臨床試験を 3.3 節 わ 普段の同僚との会話など、背景をよく知っている人たちに向けてはこうした表現 でも問題ありません。略号表記にすると、複雑な言葉や概念をすっきりと表現する ことができ、スペースが不足しがちな申請書ではつい使いたくなります。しかし、 たとえ略号の説明が初出でなされていても分野外の審査員にとってはなじみのない 単語が頻出するとどうしても黙読の流れはそこで途切れ、理解につながりません。 使用頻度から考えると、略号表記しない方がスペースの節約になる場合も多い せっかく略号表記をしても2、3回登場するだけだと、かえって余計なスペース を使ってしまいます。多くの審査員にとっては馴染みのない号を使うことは、わ https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/kokugo/hokoku/ 1法令・公用文に特有の用語は適切に使用し、必要に応じて言い換える 例)及び、並びに、又は若しくは(「公用文作成の考え方」について(建議)P.7) とあるように、法律関係の文や公用文は「及び」「並びに」「又は」「若しくは」などは漢字で書くとされています。 実際、科研費の注意書きも「及び」で統一されています。これは平成22年11月の内閣訓令第1号「公用文における漢 字使用等について」に従った使い方です。 しかし、本書では「及び」は何かに影響が及ぶ時に使うべきであり、併記の意味では「AおよびB」と書いた方がわ かりやすいという立場であり、本書では「および」で統一しています。漢字・かな比や漢字を連続させないという原則 から考えても、ひらがなの方が据わりのよい場合が多いと思います。 173