ただし、論文とは違って、ここで書く「未来の状況」はまだ結果すら出ていない 申請者の希望(妄想)にすきないので、長々と書いてもあまり審査員には響きませ ん(審査にプラスに働かないのであれば、むしろスペースがもったいない)。この 研究が、申請者の興味を満たすためだけのものではなく、他の研究や社会に対して も多くのメリットをもたらしうることが伝わればそれで十分です。 (7-1)研究目的|採用する研究アプローチ 具体的な方法は研究計画で書きますが、本研究で用いる研究アプローチの概要に ついては簡単でよいので、目的に書いておくようにしましょう。研究方法の妥当性 については「背景と問い」あるいは「着想の経緯」で説明しますので、詳しい説明 は不要です。 2.2 節 NG 宇宙の果てを明らかにすることを目的とする。 OK 光速を超えることのできる〇〇〇法の開発により、宇宙の果ての直接観 察を目的とする。 このように、研究目的だけを書くよりも、簡単な方法を併せて書く方がずっと説得 力があります。長く書きすぎると1文が長くなってしまい読みにくくなります。こ こで書くべきことのメインは目的ですので、軽い記述で構いません。 (7-2) 研究目的|本研究で何を明らかにするのか(メイン目的) 手段と目的は連続的なものであり、区別をつけにくいものです。 この実験をする(手段)のは、〇〇〇を明らかにするためであり(目的)、 〇〇〇を明らかにする(手段)のは、AAAを検証するため(目的)で、 AAAを検証する(手段)のは、ロロロを解決するため(目的)である・・・ のように、手段と目的はどこまでも遡って書き続けることができます。この調子で いくと最後は人類の幸福とかそのあたりの目的に行きつくことでしょう。実際、こ うした混乱はしばしば見られ、研究期間内に絶対に達成できないであろう大きすぎ る目的や、すぐにでも達成できるような小さな目的が書かれている申請書を読むこ とがしばしばあります。ちょうどいいサイズの研究計画を書くようにしてください。 審査員だけでなく申請者自身が混乱しないためにも、本研究で明らかする(しょ うとする)範囲を明確に定めることが重要です。すなわち「どうなればこの研究 成功だといえるのか」を明確にする必要があります。 A B C D E F G K L M N 95