(5-3) 独自性・妥当性|妥当性・他の研究と比較して優れている点 独自性の本体です。どういった点が独自なのか、その独自性はなぜ研究を進める うえで有利に働くと考えられるのかについて書きます。 「背景と問い」や「着想の経緯」でも似たようなことを書きます(表2.4)。 ■ 「背景と問い」では主にアイデアそのものについて ■「着想の経緯」ではアイデアを思いつくきっかけとそれがうまくいきそうで ある根拠 ■ 「独自性」では他と比べてどう優れているのか、すごいのか と最初2つがアイデア自体に注目することで価値を説明するのに対して、「独自性」 では他のアイデアとの比較を通じて価値を説明します。ただし明確に切り分けられ るものではないので、これら3つは似たような内容になりがちですが、短い申請書 中にまったく同じことを書いても新しい情報が増えたり説得力が増したりしないの で、同じ事柄であっても別の切り口から記述する、最低でも文章表現は変えるなど、 まったく同じことを繰り返さないような工夫が必要です。また、 NG 0〇〇についての研究はまったく存在せず、申請者の研究が初めてである。 のように「申請者の研究は独自なので、これまでに関連研究は存在しない(から比 較できない)」と言いたくなる気持ちはわかりますが、何もないところから研究は 始まりません。これは、どこまでを関連研究に含めるかの違いであり、どんな研究 でも詳しく見ていけば関連研究はありませんし(まったく同じ研究が存在しないか ら研究するのです)、広い視点で見ていけば関連研究は存在します。関連する研究 の現状を書く目的だけでなく、本研究課題のルーツを明らかにする目的もあります ので、何かしら書いておくことをおすすめします。 これまでの研究を自分の研究だけで固めてしまうと、他の人がまったく興味を示 してこなかったテーマであるかのように受け取られてしまいます。その反対に、研 究分野の重要性ばかりを強調し、申請者の貢献やアイデアが見えないと「あなたで なくてもいいよね?」となってしまいます。両方のバランスをとって、他の研究者 も注目している重要な分野であり、そのなかで申請者も重要な貢献をしてきたこと をアピールすることが効果的です。 さらに、「未解明な部分がある」や「不明な点が多い」といった曖味な言葉で現 在の状況を総括してしまうのも考え物です。 88