かどうかを判定することは実質的に不可能です)。そのため、申請者の主張をある 程度の根拠をもって説明できればそれで十分です。最低でも「どういった視点が欠 けていたのか」に対する答えを書き、可能ならば「なぜそうした視点は欠けていた のか」に対する答えも書くようにします。 (5-1) 独自性・妥当性|着想の経緯、(5-2)独自性・妥当性|研究のアイデア 「背景と問い」で研究のアイデアと着想の経緯を書くことも多いですが、詳しく は後の「着想の経緯」で説明します(p.74)。 「着想の経緯」を書く欄が別に用意されている場合 「背景と問い」では数行で、ごく軽くアイデアを紹介する程度にとどめておき、 「着想の経緯」で詳しく説明します。同じ内容を繰り返して書く余裕がない場合が ほとんどですから、表現や内容の重複をなるべく避けるようにしましょう。 「着想の経緯」を書く欄が別に用意されていない場合 アイデアや着想の経緯について説明するため、ある程度のスペースをとって丁寧 に説明する必要があります。 (6-1) 現在の状況|他人の成果 「背景・重要性」では研究の重要性を含め、一般的に真実だと考えられていること を書くのに対して、「現在の状況」では他の研究者がこれまでにどう考え、どのよ うに取り組んできたのかについて書きます。すでに説明した「少し前の状況」との 違いはそれほど大きくなく、「少し前の状況」ではアイデア(本研究に関するこれ までの取り組み)を実施する前の状況を、「現在の状況」ではアイデアを実施した 後の状況について書きます。そのため、どちらか一方で十分であるケースは少なく ありません。 真実と考えられていることを書く以外にも、「これまでは〇〇だとされてきた (が、実はそうではない)」のように、世間ではそういわれているものの、申請者自 身は必ずしも正しいとは考えていないようなことを伏線として書くケースもありま す。これまでにどのような考え方があり、どのような研究がなされてきたのか、を まとめることは研究のスタート地点を具体的に定義することにつながります。 また、申請書の物語はハッピーエンドの物語であり、研究を通じて「現在の状 況」よりも良くなることが大前提です(そうでなければ研究する意味がない)。こ こで書く「現在の状況」は本研究の完成後にはアップデートされる運命にあり、 「背景・重要性」との大きな違いです。 68