とくに非専門家が審査する申請書においては、「わかりやすい」文章であること が第一に求められます。では、わかりやすい文章とはどんな文章でしょうか? 誰に向けての文章なのかを明確にする 具体的な読者を想定せずに文章を書き始めると、説明が足りなかったり、冗長 だったりして、わかりにくくなります。新聞やブログのように読者がどれくらいの 知識を持っているか予想しにくい場合とは異なり、審査員像はかなり具体的に想定 することが可能です。審査は研究者が担当することがほとんどですし、過去の審査 員が公開されている場合も多いですから、どんな人たちが審査員なのか、知識レベ ルはどれくらいなのかについては事前に調べておきましょう。 ほとんどの場合、審査員はあなたの研究分野の専門家ではありませんが、きちん と説明されれば理解することが可能な経験を積んだベテラン科学者です。そうした 審査員に向けて申請書を書く際には「デルブリュックの教え」を胸に刻みましょう。 ひとつ。聴衆(審査員)は完全に無知であると思え。 ひとつ。聴衆(審査員)は高度な知性を持つと想定せよ。 専門分野に関する説明は丁寧に、ただし余計な情報を詰め込みすぎないようにし、 科学者であれば知っていると想定できることの説明はシンプルに、が基本です。 審査員の目線に立ったシンプルな内容である 論文を読むときと申請書を読むときの違いを考えてみましょう。 論文を読むときは、 ■ 自分が興味を持っている分野の論文を、自分で探し、自分の意思で読み始める ■多少読みづらくても、興味があるので頑張って読もうとする ■ 多少ごちゃごちゃしても、知りたい情報が網羅されている方がありがたいし、 詳しければ詳しいほど暮しい 申請書を読むときは、 ■ 自分の専門とは異なり、とくに興味がある分野でもない申請書が仕事として 割り当てられる ■ とくに興味があるわけでもないので、細かな内容について積極的に知りたい とは思わない ■ 申請書を評価することが目的であるため、要点は整理して書いておいて欲し いし、必要最小限の情報にして欲しい 2.1 節 35