科研費の応募者数・採択率・平均配分額の推移 挑戦的萌芽から挑戦的研究(萌芽・開拓)に変更になったことで、配分額は 1.5 倍ほどになりましたが、採択率は一気に下がりました。一方で、他の種目は採択率 こそわずかに改善している一方で、平均配分額は2006年から2022年にかけて2 割ほど減っています(試薬代や人件費は下がらないのに)。 さらに、研究費の平均配分額からもわかるように、ほとんどの人が満額で申請し ているにもかかわらず、実際の配分額は70%程度になっています。これは、精査 した結果の減額ではなく、ほぼすべての人が一律に減額されてしまう機械的なオペ レーションの結果です。ただし、挑戦的研究の場合は、 研究種目の趣旨に沿った研究課題を厳選して採択するため、採択件数を一定数に絞 ります(※)が、挑戦的な研究計画の実行が担保されるよう、応募額を最大限尊重 した配分を行う予定です。 参考科研費公募要領 とあるように、挑戦することのインセンティブとして、充足率が原則100%で設定 されています。もっとも、挑戦的研究になってからはアイデアよりも予備データ、 業績勝負になってしまい、かなり競争が激しいです。 このように、研究費をめぐる環境はあまり良くなく、人によっては2つ3つと 採択されないと十分に研究が進められない状況のようです。いろいろな申請書に継 続的に応募するためにも、個々の申請書をいかに素早くかつ高いクオリティで作成 できるかが重要になります。 学振の応募者数・採択率の推移 学振DC1とDC2の応募者数は増加している一方で、PDや海外学振の応募者数 は減少しています。学振PDでは2006年から2023年にかけて半分以下となり、 将来の研究者の人材不足が懸念される状況です。一方で、採択者数はほぼ一定水準 に保たれていることから、競争は一時期よりもかなり緩和され、いずれの種目でも 20%前後の採択率となっています。応募するチャンスが一度きりではないことを 考えると、順調に研究成果を積み、一定以上のクオリティの申請書を出し続けられ れば、採択のチャンスがまわってくることを期待してもよさそうです。 第 申 記 1.2 9