===== Page 176 ===== 「申請者は〇〇〇という理由から、〇〇〇を志望した」や「本研究は〇〇〇という 点で独自である」とすればもっとシンプルに書けます。 ちなみに、極力まで文字数を減らす努力をすると表現がシンプルになります。そ れを目指すためにも安易にフォントサイズを小さくしたり行間を詰めたりしてはい けません。 具体的に書く 曖昧すぎるために、結局のところ何がどうなのかがよくわからない申請書もよく 見かけます。シンプルであることと具体性に乏しいことは別の話です。 NG そこで本研究では、社会保障のあるべき姿を模索する。 NG 〇〇〇の検討を行う。 たとえば、上記の例では「社会保障のあるべき姿」「検討」が曖昧すぎて結局の ところ申請者は、何がどうなればよいと考えているのかがまったくわかりません。 あるべき姿とはどういったものなのかは人によって考え方が異なるでしょうから、 ここでの定義を具体的に書く必要があるでしょうし、どうやって模索するのか、ど うなればあるべき姿を模索したといえるのか、などについてもっと具体的に記述す べきでしょう。こうしたケースに該当する時は、申請者自身もよくわかっていない ことがほとんどですので、具体的に何をどうするのか、どうなればこの研究はうま くいったといえるのかについて事前にしっかりと考えておきましょう。 3.4 節ニュアンスを示す日本語作文テクニック #科研費のコツ #科研費のコツ #科研費のコツ 90: シンプルに言い切る 91ある・あったの法則 92語尾の微妙なニュアンスの 違いを意識せよ #料研費のコツ93個人の経験・感情を前面に出さない #料研費のコッ94口語を使わない、無駄に難しい言葉を 使わない 回りくどい表現 何かを断定するためには、それなりの根拠や覚悟が必要です。しかし、それを避 けた表現にすると曖味で何とも歯切れの悪い表現になってしまいます。 176 ===== Page 177 ===== NG 本研究により、〇〇〇に向けた基盤構築のための重要な基礎データの一 部を得ることができる可能性が示された。 OK 本研究により〇〇〇を明らかにした。これにより、〇〇〇に向けた基盤 の構築につながる。 「本当に『明らかにした」と言い切っていいんだろうか」とか「本研究だけでは 必ずしもそうはいえないじゃないだろうか」と考え出すと何も書けなくなってしま いますし、これについてもっともよく知っているはずの申請者自身がそういった態 度を示していては、審査員も高く評価することできません。 審査員としては、多少のことには目をつぶってでも言い切ってくれた方が、評価 のしょうがあります。ただし何でもかんでも言い切ればよいわけでもなく、明らか に根拠不足であったり、それを通り越して嘘であったりと思われれば、今度は一転 して評価が辛くなるので、押し引きのバランスは見極めてください。「嘘ではない 範囲で強気」が基本的なスタンスです。 また、言い切らないこと以外でも回りくどい表現は見られます。たとえば、以下 のような表現はよく見かけます。 3.4 節 NG 以上が、本研究の(目的/独自性/着想の経緯]である。 NG 0〇〇の理由は、〇〇〇だからである。 NG 驚くべきことに(驚いているのは申請者だけであることが大半) 無駄にへりくだらないこと、大げさでないこと NG 0〇〇研究室で〇〇〇の研究をさせていただいている。 NG 共同研究者である〇〇〇教授の御協力のもと、〇〇〇における〇〇〇を 検証する。 研究環境の説明などで、時々このように書く人がいます。申請書には普通に「〇 〇〇の研究を行っている」と書けば十分です。また、2番目の文についても、実際 に誰かに話す時などであれば「御協力」でもよいかもしれませんが、ここは、「〇 〇〇教授と共同で〇〇〇における〇〇〇を研究する」や「〇〇〇における〇〇〇に ついて〇〇〇教授と共同研究を行う」と書いて十分です。 申請書において敬語を使う心理はわからなくもないですが、読んでいてくどい表 177 ===== Page 178 ===== 現になりがちです。敬語表現を用いたから、用いなかったからといって評価が変わ るわけでもありません。普通で良いです、普通が良いです。 NG この方法は、申請者の極めて独創的かつ柔軟で大胆な発想に基づいたも のであり…・・・・ →自分の研究を過度に重要であるかのように書く人もいます。こうした誇張 表現も自分の内容を客観視できていないと思われるので得策ではありません。 NG しかし、大きな問題が残っている。〇〇〇における〇〇〇が存在してい ないのである。 どんなに、「すごい」「新しい」「独創的だ」という言葉を並べても審査員には届 きません。そう書くだけならば誰でも可能だからです。どこが、どういった点で、 どのようにすごいのかについての説明がなかったり、実際の内容と表現が乖離して いたりすれば、客観的な文章とはいえません。 自己礼賛以外にも劇画調の書き方も問題です。文章を書き慣れていない人ほど、 「~のである」といった大仰な表現を使う傾向にあります。こんなところでドラマ ティックにする必要はありません。もっと淡々と事実を書いて凄みを出してくださ い。 表現の強弱 強い表現 何でもかんでも強気がよいというわけではありませんが、強く自にあふれる表 現は魅力的に映るのも事実です。大仰な表現とは紙一重であることを十分に理解し たうえで、読み疲れない程度に強気表現を織り交ぜるのは効果的です。申請者が自 分自身をじなければ何も始まりません。 ■ 世界にさきがけて ■ ~と確言している 〇〇〇の研究を新たなフェーズへと導くことができる ~(と/が,強く期待される ■ に挑戦する ■本研究は〇〇〇を明らかにする〇〇〇の研究であると同時に、〇〇〇を 〇〇〇する挑戦でもある ■ 世界をリードする〇〇〇 ■ 新たな研究(領域)を創造する 178