===== Page 206 ===== あるので、強調する個所は限定し、強調の基準も一定になるように意識する。 ■ 図のテイスト:論文や著書からのコピー&ペーストを極力避けて、申請書の ための図やイラストを作り直すことで、テイストを揃える。 3.10節削る・詰め込むテクニック #料研費のコツ 101あと少しの申請書を詰め込むテクニック まれに、申請書に空白が目立ちスカスカな方を見かけます。「人権の保護」など は無理に埋める必要はありませんが、研究計画や遂行能力の欄で空白があると、印 象はよくありません。研究計画やこれまでの研究がせいぜい数ページで収まるわけ はないので、書けないという人は何かを見落としています。少しでも採択率を上げ たいならば、ぴったり書いてください。 問題は多すぎる場合です。いきなりフォントサイズを小さくしたり、行間を詰め たりして収めようとする方が多いですが、それではわかりにくくなってしまいます。 安易に詰め込むのではなく、まずは内容を精査し、わかりやすさへの影響が小さい ところから試すべきです。 削る・詰め込む手順 内容の見直し 詰め込む方法は数多くありますが、まずは本当に必要な情報なのかを再検討する ことが最優先です。申請書の内容を段落単位でチェックし、「ここに書かれている 情報は、審査員がこの申請書を評価するうえで必須か?」という点に気をつけなが らチェックしてください。候補が見つかったら、その部分を削ってみて、審査員が 理解できるかを改めて考えてみます。審査員に100%理解してもらうことを求めな ければ、渡す情報は大幅に減らせます。 1.必要最低限の情報セットになったら、次は文章単位で表現を見直します。同じ 表現が異なる場所に繰り返し書かれていないか、2つの文章で言い方が違うだ けで、ほぼ同じ内容の文章が続いていないか、文章の統廃合は可能かを検討し ます。 また、文末は断定を避けたいという意識が強いとくどくなりがちなので、もっ とすっきりと表現できないかを意識して見直します。 2. 図が大きすぎる場合は、もっとすっきりとした図にして小さくできないかを考 えます。ほとんどの場合、審査員はそこまで詳細な図は求めていません。図の 206 ===== Page 207 ===== 細かいところまで読み込んでいる時間はありませんので、詳細すぎる図はス ペースの無駄使いになりがちです。 詰め込むテクニック(1から順に試す) 1. 図の内容を変えずに、図の高さを小さくできないか、図の位置を微調整する だけで1行を詰められないか検討する(行末と図の右端を揃えるのは死守)。 2.数文字だけで1行を使っている行があれば、文章表現・単語の変更、語順の 変更、読点の削除などで1行分を削れないか考えてみる。 3.2でも無理なら、削りたい文章をハイライトして文字間隔を0.1ptずつ詰めて いき、1行を削れないか考える。0.2pt~0.3pt程度までなら見た目にはほと んど影響しない。 4. 2、3でも無理なら、削りたい文章を含む段落全体をハイライトして文字間隔 を0.1ptずつ詰めていき1行を削りにかかる →この場合、わずかとはいえ余計な部分も文字間が詰まってしまうので、1行 を削るのに最低限必要な部分を割り出し、関係しない部分は[標準]に戻し ておく。 5. 本書での行間のデフォルトである固定値 18pt → 17.5pt→17ptと試す。あ るページで行間を変えたら、他のページの行間も揃えるように変更しておく。 6. 大見出し前に設けている空行の間隔を1行→0.7行→0.5行と小さくする。 ここも1箇所変えたら他のページの空行についても同じサイズにしておく。 …ここ以降は最終手段なので、なるべくなら使わずに済ませたい…・ 7.行間をさらに小さくし、固定値 17pt →16.5pt→16ptと試す。 8. 図がわかりにくくなることを覚悟で小さくしたり、情報を削ったりしてサイ ズを小さくする。 9.段落全体をもう 0.1pt詰めることで、1行削れる場所がないか探す。 10.見出しと同じ行から本文を書く。 11. 行間を 15ptまで0.1pt刻みで小さくしていく。 12. フォントサイズを 10.5ptにする。 業績リストを詰め込む 業績リストで示す論文などの業績は、数が多いと有利に働くことは間違いありま せん。ただし、業績リストだけからは、そうした業績が研究遂行能力とどう結びつ くのかはわかりません。業績が十分に多いことがわかればそれでよいので、業績を 説明する文章を書くためのスペースを確保するようにしましょう。 3.10 節 207 ===== Page 208 ===== 具体的には、以下の方法で業績リストを圧縮できます。 見せる業績を削る 業績が多い場合は直近のもの、主要なものを中心に書き、残りは「他◎件」と書 いておきます。完全に省略するともったいないので、他にも業績があることはア ピールするようにしておきましょう。 また、業績数を減らさなくとも、 ■〇〇〇,AAA,申請者、・・他◎名 〇〇〇.”申請者,(〇名中番目) のように、かさ高い著者名を省略することでも省スペース化は可能です。他には、 タイトルを省略するなども有効ですが、タイトルを削ると何についての業績なのか わからなくなってしまいかねないので、優先順位は低めです。 行間・文字間を詰める、フォントサイズを小さくする 詰め込むテクニックでも説明したように、行間や文字間、フォントサイズは軽々 しく変更せず、申請書全体を通して一定に統一すべきです。しかし、業績リストだ けは例外としても扱ってもよく、かさ高いだけでなく、しっかりと読み込むもので もないので、多少詰め込んでも申請書全体の理解度にはそれほど影響しません。 フォントサイズ:10pt、行間:固定値 14ptくらいでもよいかもしれません。行 間を詰めすぎると文献ごとの切れ目がわかりづらくなりますので、文献の間を 0.2 行くらい空けるなどの工夫はあってもよいでしょう。もちろんその分スペースは増 えますが、それでも差し引きでは数行程度は詰められるでしょう。文字間を多少詰 めることで1行を削れるのであれば、それも有効な手段です。 見出しと同じ行から書き始める 大見出しは「本研究の目的」や「研究計画」のように短いものも多いので、大見 出しの横にはスペースがあります。本当に何をやってもスペースが足りないなら、 この部分のスペースを活用することも考えましょう。 大見出しに続けて本文を書くので、見出し部分と本文部分がそれぞれ区別できる ように書かないといけません。 本研究の目的 本研究では〇〇〇により〇〇〇を…・・ 【本研究の目的】本研究では〇〇〇により〇〇〇を… 本研究の目的 本研究では〇〇〇により〇〇〇を…・ 208 ===== Page 209 ===== ■ 本研究の目的:本研究では〇〇〇により〇〇〇を・・・ 本研究の目的|本研究では〇〇〇により〇〇〇を・・・ このように、見出しを太字ゴシック、本文を明朝体にして両者を区別するだけでな く、最低でも全角スペース1つ分を空けます。見出しと本文の違いをより明確にし たいのであれば、隅括弧や網掛け、コロン(:)、|などで区切っておくのもよい アイデアでしょう。 3.10 節 削る 209