--- title: "3.8節 配置と間隔のテクニック" book: 科研費申請書の教科書 chapter: 第3章 申請書のデザイン pages: 195-202 images: page_0195.png ~ page_0202.png --- # 3.8節 配置と間隔のテクニック > **#科研費のコツ 98** テキストボックスの余白は削れ > > **#科研費のコツ 99** 見出しの前には空行を ### テキストボックスの余白(マージン)の設定 図の説明文などは図形の挿入から出せるテキストボックスに書いておくと幅を自由に調節できるので便利です。本文の一部として書いている人もいますが、そうしてしまうと文章の推敲過程でズレてしまった場合に修正が面倒になります。 ただし、このテキストボックスは初期設定ではパディング(上下左右の余白)が設定されており、図と一緒に扱うときにきれいに揃わない原因になってしまいます。まずは以下の手順で**余白をゼロ**にしておきましょう。 1. テキストボックスの外枠をクリックして選択し、右クリックして[オブジェクトの書式設定]を選択します。 2. [図形の書式設定]タブで[文字のオプション]→[レイアウトとプロパティ]をクリックします。 3. [テキストボックス]の**上下左右の余白を 0 mm** にします。 > 「図形の書式設定」の「テキストボックス」項目。左余白・右余白(初期値 2.54 mm)、上余白・下余白(初期値 1.27 mm)をすべて 0 mm にする。 こうすることで、図3.19のようにきれいに揃えることができます。 > 左:余白ありの場合、図の端と説明文の端が一致せず、テキストボックスの高さも余計に必要。右:余白なしの場合、端が揃い省スペース。 ### 文字列の折り返しの設定と本文と図の間隔 **折り返し設定** 図を挿入したら、文字列の折り返しの設定をします。 1. テキストボックスの外枠をクリックして選択し、[図形の書式]→[文字列の折り返し]または図形の近くにある[レイアウトオプション]→[文字列の折り返し]と進みます。 2. 申請書において用いる折り返しは以下の**2つ**です。 - **四角形**:基本的にはこれだけで十分で、すべての図に使えます。 - **上下**:横幅いっぱいの図の場合はこちらを選択しておくと、文字が回り込まず便利です。 > 文字列の折り返しの選択肢。「四角形」と「上下」が申請書で使う主な設定。 罫線を見えなくした表に図を埋め込んだり、改行等で無理やりあけたスペースに図をオーバーレイ(前面)したりする人もいますが、文章や図の修正が大変になるので推奨しません。 **本文と図の間隔** あまり意識されませんが、本文と図の間隔は少し広めに設定されているので、1行、1文字を削りにいきたい時は検討に値します。 1. テキストボックスの外枠をクリックして選択し、右クリックして[その他のレイアウトオプション]を選択します。[図形の書式]→[文字列の折り返し]→[その他のレイアウトオプション]でもできます。 2. [文字列との間隔]の初期値は **3.2 mm** に設定されていますが、**2 mm 〜** くらいでも大丈夫です。 ただし、文章と図の間の間隔は一定に揃えた方が美しいので、変更するのであれば**すべての図について同様の設定**にします。 > 右クリックから「その他のレイアウトオプション」を選択する操作例。 > 上下左右の間隔設定。初期値は上下 0 mm、左右 3.2 mm。 ### 文字間の設定 申請書のスペースは不足しがちです。数文字だけで1行を使ってしまっている場合は、行数を減らす絶好のチャンスです。 1. 文字間隔を小さくしたい文字を選択し、`Cmd+D` あるいは `Ctrl+D` で[フォント][詳細設定]を開きます。[フォント]タブの右下の矢印からも開けます。 2. [文字幅と間隔][文字間隔]から文字間隔を[広く]あるいは[狭く]を選択し、どの程度広く/狭くするかを設定します。**0.1pt や 0.2pt** だと見た目にはほとんど変化がありません。 > 「文字幅と間隔」で文字間隔を「狭く」に設定し、間隔を 0.1pt に指定する画面。 > 文字間隔[標準] > 今回はこれまでの動物の常識が変わるかもしれない、世界初の発見について取り上げ > ます。 > 文字間隔[狭く]- 間隔[0.1 pt] > 今回はこれまでの動物の常識が変わるかもしれない、世界初の発見について取り上げま > す。 文字間隔を調節すると**1〜2行であれば自在に捻出**でき、行間を調節するよりも見た目に与える影響は小さいので重宝します。ただし、文字間隔がどう設定されているかは調べないとパッとはわからないので、**十分に推敲が終わった文章に対して、最後の微調整**に用いてください。 さらに、文字間隔を狭くすることで、**全角丸括弧の前後が空きすぎる問題**を修正することも可能です。 > 括弧閉じ「)」を選択して間隔を 2pt ほど狭く > 丸括弧を書くと(前後が空きすぎる)という問題がある。 > 括弧の1つ前の文字「と」を選択して間隔を 2pt ほど狭く > 丸括弧を書くと(前後が空きすぎる)という問題がある。 ### 行末・行頭を工夫する > ↓ 網掛け部分を選択して文字間を 0.1pt ほど狭く > 餅の食べ方には様々ある。あんこも捨てがたいが、私は特にきなこが好きである。大好 > **きなこ**の町で、食べる持ちは最高である > 餅の食べ方には様々ある。あんこも捨てがたいが、私は特にきなこが好きである。大好き > なこの町で、食べる持ちは最高である 先に紹介した「この先生きのこる(この先、生き残る)」と同様、行末や行頭を調節しないままだと**誤読を誘う**ことがあります。また、特殊な読みをする熟語(例:飛鳥、明後日、意気地など)が行末にかかって2つに分かれてしまう場合、初読ではうまく読めないこともあります。そうした場合には、文字間を調整して、同じ行に収まるような工夫が必要になります。 これにより見た目にはほとんど違いがわからないまま、1文字を詰めたり、次の行に送ったりすることが可能になります。あまり極端に文字間隔を調整すると不自然になるので、**0.1pt〜0.3pt くらい**にとどめておくとよいでしょう。 また、1文字だけを次の行に送りたい場合は**半角スペースを挿入する**という方法もお手軽です。ただしこの方法では後で推敲した際に文字がずれると余計な空白が残ったままになりがちなので、気をつけてください。 また、左インデントを調節することで行頭文字を揃えることも可能です。 > 括弧などがあると行頭が揃わずガタつくので、該当行の左インデントを -0.5字 にする ``` 研究計画 研究計画 【〇〇〇の解析】 → 【〇〇〇の解析】 本研究では、〇〇〇を… 本研究では、〇〇〇を… ``` また、大見出しあるいは小見出しに続く本文に対して左インデント(本文左側を空けて、レベルを1つ下げる)を設定する方を時々見かけますが、大してわかりやすくならないばかりか、**スペースを無駄に消費してしまう**のでおすすめできません。 箇条書き時に行数が増えないのであれば、1字程度の左インデントを設定してもよいでしょうが、全角スペースでもまったく問題がないので、申請書作成においてインデントの使い道はそれほどありません。 ### 行間の設定 Word の初期設定ではグリッド線とよばれる普段は表示されていない線に沿って文字を配置するようになっています。そのため、フォントの上下に余裕のある游明朝やメイリオなどの場合、思ったよりも行間が広がってしまうことがあります。 また、その他のフォントであっても詰まり気味の行間は非常に読みづらくなるので、ある程度余裕のある行間であることが望ましいです。 1. 空行を含め、申請書の注意書き部分以外をすべて選択する。 2. [段落]タブ →[行と段落の間隔]→[行間のオプション]あるいは右クリックして[段落]を選択し、[段落]ウィンドウを開く 3. **[1ページの行数を指定時に文字を行グリッド線に合わせる]のチェックを外す** 4. [インデントと行間隔]タブ →[間隔]から、以下の設定にする - 行間:**固定値** - 間隔:**18pt** 本書では、フォントサイズ 11pt に対して、行間**[固定値]18pt** を推奨しています。少し余裕のある間隔ですので、17pt でも構いませんが、16pt 以下だとかなり詰まった印象になるので、行間を意図的に詰めたい時などに限定した方がよいでしょう。文字数が収まらず、行間を詰めたくなっても、まずは内容の見直しで対処できないかを十分に考えるべきであり、安易に行間を変更することはおすすめしません。 なお、**表の行間は、本文とは別に設定する必要がある**ので注意してください。 > 段落ウィンドウで行間を「固定値」に、間隔を18ptに設定。「1ページの行数を指定時に文字を行グリッド線に合わせる」のチェックを外す。 申請書のスペースは常に不足しがちなので、なるべく隙間なくビッシリと書きたくなる気持ちはわかります。しかし、そうしてしまうとかえって見づらくなるので、**適度な余白は大切**です。とくに、**大見出しの直前にはしっかりと空行を設定**し、独立した内容であることを視覚的にもはっきりさせます。 1行の空行は改行を入れるだけなので便利ですし、切れ目がはっきりしてよいのですが、どうしても収まらない場合は **0.7行、0.5行、0.3行** の空行でも構いません。空行をまったく入れないよりははるかによいです。 1. 対象となる見出しを選択 2. [段落]タブ →[行と段落の間隔]→[行間のオプション] 3. [間隔]→ 段落前:**0.5行** などを設定(行のほかに pt でも設定可能です) > 段落ウィンドウで段落前の間隔を設定する画面。