<研究目的,研究方法など(つづき)> 基盤研究(C)(一般) 4 [1 研究目的、研究方法など(つづき)】 ている。Gilqを昆虫細胞で発現させて精製し、別の昆虫細胞で発現し精製したGBとGyとGタ ンパク質複合体を形成させる。このGタンパク質複合体に、さらにグレリンとグレリン受容体と の複合体を形成させる。複合体の形成においては、グレリン受容体、グレリン、Gタンパク質と ともにATPジホスフォヒドロラーゼであるアピラーゼ (apyrase)を加えることで、Gタンパク質 から放出されたGDPをGMPへと加水分解し、GDPがグレリン受容体・Gタンパク質複合体と再 結合して解離させるのを防止する。さらにGaとGBYの接合面を認識するモノクローナル抗体 (共同研究先より入手済み)によってGTP ySによるGタンパク質のヘテロトリマー解離を阻書 する。これによってグレリン受容体とGタンパク質複合体がより安定になることが期待される。 ② Gqのaby タンパク質とグレリン受容体を昆虫細胞に同時に発現し複合体として精製する 予備的な検討では、昆虫細胞においてグレリン受容体・Gタンパク質を同時に発現させること ができ、細胞の抽出物から複合体の精製が可能であることを確かめており、複合体の発現効率と 精製効率を上げるために、ベクターの混合比率や、精製方法の検討を行う予定である。 ③ 分子シャペロンRic8Aを使ってGq aの発現を高める Ric8Aという分子シャペロンを共発現させるとGq αタンパク質の発現量が劇的に増加するこ とが知られている(Chan et al. JBC 286. 2011)。そこで昆虫細胞を使ってRic8 ることでGq aの発現量を増加させ、単一のものに精製する。 ④ Giとのカップリングで解析する グレリン受容体はGqカップリングが主であるが、Giともカップリングする。実際に申請者は 褐色脂肪細胞の培養系において、グレリン添加によるCAMP産生抑制が百日咳毒素によってキャ ンセルされることから、グレリン受容体がGiとカップリングすることを確認している。これまで の研究ではGiは培養細胞系において発現が良好であり、Mオピオイド受容体やニューロテンシン 受容体などではGiとの複合体を形成してクライオ電頭による活性型の構造解明に成功している。 そこでグレリン受容体の場合もGiとのカップリングを行い、活性型の構造を明らかにする。 (試料調製ができたあとの構造解析について) グレリンと活性 型受容体との結晶化がうまくいった場合は、Spring-8において線 分子量 Gq 複合体 回折を行う。グレリン・グレリン受容体・Gタンパク質の複合体の 形成に成功したときには、BINDS(創薬等先端技術支援基盤プラッ トフォーム)を通じてクライオ電子顕微鏡での解析に進めていく。 (5)本研究の目的を達成するための準備状況 発現した Gq タンパク 質複合体の電気泳動 (発現した GVgはGp およびGyと複合体を 形成している) 不活性型のグレリン受容体の3D構造解明には成功しており、現 在論文投稿の準備中である。この研究によって、グレリン受容体タ ンパク質の大量発現と精製はできており、活性型の結晶化や、クラ - GVg (41.4kDa) ーGP (37.5kDa) イオ電頭のための複合体形成用の受容体は調達可能である。またグ レリンは化学合成したペプチドを十分量保有している。 Gタンパク質(とくに発現が難しいGq)については、Gタンパク 質の専門家である〇〇先生(現・〇〇薬科大学)の指導を受け、発 現効率をあげるためにGiのN末端部分をGqに融合したもの(Gi/q) 4Gy (7.9kDa) の発現を試みている(右図) (6) 本研究がどのような国際性を有するか GPCRは創薬のターゲットとして国際的にも注目されており、特に本研究では、がん悪液質へ の応用が進んでいるグレリン受容体に焦点を当てている。このテーマは米国〇〇〇〇研究所のC 〇博士との国際共同研究に基づいており、特に〇〇博士の研究グループが持つ最新のGPCRの構 造解析技術を活用することで、従来不可能だったグレリン受容体の活性化メカニズムを解明でき る可能性が高い。この成果はGPCR研究全体に新しい視点を提供し、創業分野においても国際的 に重要な貢献となる。 以上の研究によって、摂食亢進ホルモン「グレリン」の脂肪酸修飾基はなぜ受容体活性化に必 要なのかを明らかにする計画である。 (29