2) 申請書(研究計画調書) <研究目的。研究方法など> 基盤研究(C)(一般)1 1研究目的、研究方法など 本研究計画調者は「小区分」の審査区分で査される。記述に当たっては、「科学研究費助成事業における査及び評価に 関する規程」(公募要領参照)を参考にすること。 本研究の目的と方法などについて、4頁以内で記述すること。 冒頭にその概要を簡潔にまとめて記述し、本文には、(1)本研究の学術的背景や本研究の着想に至った経線、研究課題の核心 をなす学術的「問い」、(2)本研究の目的および学術的独自性と創造性、(3)関連分野の研究動向と本研究の 究で何をどのように、どこまで明らかにしようとするのか、(5)本研究の目的を達成するための準備状況、(6)本研究がどのよ うな国際性(将来的に世界の研究をけん引する、協同を通じて世界の研究の発展に貢献する、が国独自の研究としての高い 価値を創出する等)を有するかについて具体的かつ明確に記述すること。 本研究を研究分担者とともに行う場合は、研究代表者、研究分担者の具体的な役割を記述すること。 グレリンは申請者らが発見した摂食亢進作用を示すペプチドホルモンで、N未端から3番目の セリン残基が脂肪酸のオクタン酸によって修飾されている。しかもこの脂肪酸修飾がグレリンの 活性に必要であるという特徴を持つ。なぜグレリンは脂肪酸の修飾がないと活性を示さないのか、 それを明らかにするためにはクレリンが結合したグレリン受容体の立体構造の解明が必要である。 最近になって申請者らは不活性型のグレリン受容体の構造解明に成功した。グレリン受容体は典 型的なGPCRの構造であるが、第6と第7の膜通領域の間に疎水性に富んだギャップ構造があ り、この部分とグレリンの脂肪酸修飾基が相互作用してグレリン受容体を活性型に変換するので はないかと考えられた。しかし、それはまだ証明されたわけではない。 本研究では高活性型の変異グレリン受容体のX線結晶構造解析や、クライオ電子顕微鏡による Gタンパク質との複合体を解析することによって、グレリンが結合した活性型グレリン受容体の 立体構造を明らかにする。この研究によってグレリンの脂肪酸修飾基が受容体を活性型に変換す るメカニズムが明らかになり、GPCRの活性化機構に新たな知見をもたらすと期待される。 (1) 本研究の学術的背景や本研究の着想に至った経緯、研究課題の核心をなす学術的「問い」 (グレリンについて) グレリンは申請者らが 1999年に発見したペプチドホルモンで、胃から分NGSSFS PEHQRV 泌されて食欲刺激、摂食亢進、成長ホルモン分泌 促進、海馬での神経発生などの作用を示す。申請 者らのグレリンの発見論文(Nature, 1999)は被 引用回数が6,300件、グレリンに関する発表論文 は1万編以上と(2019年 10月末現在)現在もグレ リンに関して活発な研究が行われている。 活性に必要な脂肪酸部分(主にオクタン酸) (グレリンの活性には脂肪酸修飾が必要である) グレリンは、N末端から3番目のセリン残基が 脂肪酸のオクタン酸によって修飾されているという特徴的な構造をしており(上図)、しかもこ の修飾がないと活性を示さない。このような脂肪酸で修飾されたペプチドホルモンは現在のとこ ろグレリンだけしか知られていない。なぜグレリンでは脂肪酸の修飾が活性発現に必要なのか、 それを明らかにするためにはグレリン受容体とグレリンとの結合を三次元立体構造(3D構造) で解明する必要がある。しかしそれは現在でも成功していない。 (不活性型のグレリン受容体構造から明らかになったこと) 申請者はグレリン受容体の活性 化機構を明らかにするために、数年前からグレリン受容体の結晶構造解析を始めた。そして〇〇 大学〇〇先生のグループとの共同研究によって、グレリン受容体にアンタゴニストが結合した 不活性型の構造解明に成功した(未発表)。その結果、グレリン受容体は典型的なGPCRの3D 構造を示すが、グレリンの脂肪酸修飾基の役割を示唆する特徴的な構造があることがわかった。 それは第6膜貫通領域(TM6)と第7膜貫通領域(TM7)の間のギャップ構造である。このギャッ プ構造を形成するアミノ酸には疎水性の高いフェニルアラニン残基が多く、ギャップ構造と脂質 との相互作用が推測された。実際にいくつかの脂質性リガンドのGPCRにおいてはTM7とTM1 の間(S1P1やEP4など)や、TM3とTM4の間(GPR40)、TM4とTM5の間(PAFR)にギャッ プ構造があり、このギャップ構造を通してリガンドが側面からリガンド結合ボケットにアク (288 ※この申請書の例は、令和2年度の基盤研究(C)に採択されたものを令和7年度の様式に変更したものだが、申請中の年 暦は、一部を当時のままとしてある。 科研費獲得の方法とコツ第9版