Column 元学振職員が語る困った研究者 ①自分の研究だろう! 「どの分野に応募したらいいですか?」 いるんですよ、申請先の学術振興会に直接こ んなことを聞いてくる研究者が、科研費は研究 者の自由な発想にもとづき申請を行うものであ る.そして採択のためには、どの応募分野が適 切であるかを視野に入れて申請する必要がある。 その応募分野を自分で決めることができないな んて••. ②人に頼るな!ボスに頼るな! 制度を理解せずに研究分担者を加えたり、研 究分担者の役割が不適切な申請書がある、例え は、若手研究は1人で行う研究種目であるのに、 若手研究においても研究分担者を追加できると いう誤った認識で作成された申請書が見受けら れる。結果として研究組織・体制に疑問をもた れることとなり、不十分な申請書を提出してし まうといった事態につながる。 また基盤研究などの研究分担者を加えられる 種目において、研究分担者を研究室の上司にし て、上司の「指導」を役割として記載している 申請書が見受けられる。研究代表者はその課題 に対して統括を行う立場にあるので、上司から 「助言」を乞うことはあっても最終判断は研究 代表者が行う. これらを把握されずに申請書を作成すると、 研究代表者として主体的に研究を遂行できるの か,その資質が問われることになるので注意し てほしい。 ③エフォート率の調整ができていない! 科研費の申請におけるエフォート率の決定に (248 科研費獲得の方法とコツ 第9版 ついて、研究者は十分に注意を払う必要がある。 新規に申請する際や、新たに研究分担者として 参画する際に、「エフォート率の合計が100 を超える見込みとなったために、すでに採択さ れている課題の研究分担者を辞めたいのだが」 と相談に来る研究者がいる.「申請期限まで 間にあうように急いで処理してほしい」と言わ れても・・ 手続き上,エフォート率の変更には時間を必 要とするので、余裕をもって変更申請を行って ほしい.そもそも研究分担者として参画すると いうことは、当該研究において責任をもって遂 行する立場にあるということを、十分に認識し ておいてほしいものです。それを自分の都合に よって辞めるのは・・・ (著者注:現在では、エフォート率をWeb上で 入力するようになったので、このような問題は 生じないと思われる) ④落ちた理由を聞かれても・・・ 毎年4月の科研費採択の発表の後に、「なぜ 落ちたのでしょうか?」と学術振興会に直接電 話やメールで聞いてくる研究者がいる.「前年 度の不採択の理由に沿って申請書を改善した り、論文実績もつくったのに、なぜ不採択だっ たのでしょうか?」。本人の落胆と理由が知り たい気持ちはよくわかるが、こちらに聞かれて も、それはわからない。申し訳ない気持ちにな りつつ心を込めて「次回も頑張ってください」 と言うようにしていた。