16 日本学術振興会特別研究員の申請書について 「申請者に関する評価書」(指導教官が作成する) ここには評価書作成者からみた申請者の「(1) 研究者としての強み」と「(2) 今後研究者として更なる発展のため必要と考えている要素」について記載する。 これらの項目は「14】研究遂行力の自己分析」の記載項目とほぼ同じである。 つまり申請者自身と評価書作成者(おそらく指導教官だろう)が、主観的客観 的に別々にこれらの項目について書くということだ。 申請者を悪く書く指導教官はいない。あるいは申請者の立場からは、自分を 悪く書くような指導教官には評価書を頼まない。評価書の内容がいくらよくて も、研究内容があまりよくないものは採択されないだろうが、やはりよい評価 書があるに越したことはない。評価書を書く者の腕のみせどころである。 記載内容に求められているのは、申請者の研究における主体性、研究の進捗 状況、発想力,問題解決能力,専門知識・技量,コミュニケーション能力、特 来性、研究の独創性または特色などである。評価書作成者には申請者の未来を 予見する能力が求められているようだ。 多くの評価書は当たり障りのない。申請者が誰であってもそのまま使えるよ うな内容になりがちだ。例えば、以下のように、 ・毎日コツコツ実験を積み重ねる努力家で、忍耐強く実験を行い、優れた 研究成果をあげた ・自分の研究分野だけでなく、他の関連分野の知識も豊富で、よく勉強し ている ・着想力や想像力が豊かで,研究チームとのコミュニケーションも良好で ある ・学業成績優秀で,将来性豊かである このように書かれた評価書では、申請者の人物像は審査委員にはあまり印象 に残らない。では、どのような評価書が印象に残るだろうか?私はできるだけ その申請者にまつわる具体的なエピソードを入れて書くようにしている。研究 室(あるいは日常生活)でのできごとについて、その人物がどのように対応し たのか、どのような行動をしたのか、などを書く.他の誰でもない。その申請 者ならではのエピソードから、申請者の研究姿勢や能力などが浮かび上がるよ うにする。もちろんこのような書き方は難しいだろうが、当たり障りのない評 価書よりも、はるかに印象に残ると思う.例えば、以下のように. (211