15挑戦的研究(開拓・萌芽)の申請書について る」研究だが、はっきりいって、そのような研究がいつもあるわけがない。「学 術の体系」の変革や転換を起こす研究が、そんなにしばしばあるのなら研究者 は苦労しない。また自分の経験からも、研究をやっている途中ではわからない のだが、研究が進んで初めてその意義というか、重要性がわかるということがあ る。多くの研究では、その未来の意義は予測できないのだ、そうかといっても、 ここには何かを書かないといけない。そこで、次のような内容はどうだろうか? ①異分野の研究を融合させるもの 異分野からの手法や概念を別の分野に持ち込む研究、つまり異分野への挑戦だ。 ②何か新しいものを探す研究 を書くのもよい。「萌芽」においては、「探索的性質の強い、あるいは芽生え 期の研究計画」も対象なのだから、例えば想定されている新しい因子などを 探す研究を書くのもよい。 ③どうなるのか先の結果が予想できない研究 ハイリスクだが、うまくいったときに大きな成果が期待できる研究。例をあ げるのは難しいが、例えば発見した新しい生理活性ペプチドについて、その 生体内での機能を明らかにする研究など、 こう書いてもやはり難しい.「これまでに行われていない研究だから」では不 十分.それは、どの研究もこれまでに行われていない研究だからである、この ようなときは、「この研究がこれまでに行われていないのはなぜか?」その理由 を書くといい。実現を阻む難しい点はなんなのか、その理由を書くと、なぜ挑 戦的なのかが理解してもらいやすい。そしてどのような手段や方法で、この問 題点を解決するのか、解明のためにどのようにチャレンジ(挑戦)をするのか 書けばいい。 実際に書くにあたっては説明欄(図3-82)にあるように,「①これまでの研 発活動を踏まえ、この研究構想に至った背景と経緯」と「②学術の現状を踏ま え、本研究構想が挑戦的研究としてどのような意義を有するか~」とに分けて 書く方が書きやすいし、審査委員も読みやすく理解しやすい。 ①では、申請者がこれまでに行ってきた研究内容を解説して、それが今回の 構想にどのように活かされているのかをしっかりと示すこと。挑戦的研究といっ ても突拍子のない構想ではなく、これまでの研究成果をもとにした実現可能な ものであるべきだからだ。 ②では、この研究がうまくいったときに、何が明ら かになるのか、どのような応用ができるのかなどを大いにアピールしよう。 なお、令和5年度の挑戦的研究(芽)に採択された申請書の「挑戦的研究 としての意義」が見本になるので、こちらも参照してほしい(図3-83). 97