冒頭に簡潔な要 旨を書いておく 目的をはっきり と書いておく 何の目的で、 この実験をや るのかを書い ておく 申請者が作出したグレリンノックアウトマウスでは血圧や体温の基礎値や日内リズムが不安 定で、これは自律神経の機能障害によると考えられる。そこで本研究では、グレリンが自律神 経機能を調節するメカニズムを解明し、クレリンの病態生理学的な意義を明らかにする。 (1) 自律神経活動に対するグレリンの作用機序の解析 本研究では、グレリンノックアウトマウス(以下、KOマウス)において、血圧や体温の基礎 値や日内リズムに異常が生じる機序を主に神経回路を調べることによって解析する。 ①グレリンが中枢へシグナルを伝える経路の解析【平成20年度]: 最近、KOマウスの腹腔内に浸透圧ミニポンプを用いて、グレリン受容体アゴニストである GHRP-6を長期投与する予備検討を行ったところ、KOマウスの体温が正常になった。このため、 自律神経の機能を調節するグレリンの作用は、末梢から分泌されるグレリン由来であると考え られる。末梢のグレリンが中枢へシグナルを伝える経路として、グレリンが血液脳関門を通過 して中へシグナルを伝える糸と、迷走神経を介して延髄側核へと作用する糸が考えられる。 そこで、はじめに標識グレリンを末梢に投与した場合に血液脳関門を通過するのかどうかを検 討し、次に、迷走神経の切除術を行なった野生型マウスを用いて血圧や体温のリズムにKOマ ウスと同じような異常が生じるのかどうかを調べる。 ②中枢における神経経路の解析[平成20年度]: グレリンが血圧や体温を調節するまでの中枢内における神経回路を明かにする目的で、脳の 神経核破壊実験や神経回路遮断実験を行なう。実験は、血圧や体温に野生型マウスとKOマウ スの差が見られる生理条件下で、神経活動のマーカーであるCFos蛋白質の発現を脳で比較検 討し、この結果をもとに破壊や遮断する神経核を決定する。 このような実験から、どのような作用機序でグレリンが自律神経の機能を調節し、血圧や体 温を一定に保っているのかを明らかにできる。 図3-55・研究計画・方法の書き方の見本1 平成20年度若手研究(B)の申請の実例。 文系の方の研究計画では実験を調査と置き換えてもいい。どのような目的で その調査をやるのか?この場合も目的があってこその調査内容である。 最初に、どのような目的でその実験を行うのかをしっかりと書いておく、その 後で、各実験項目の細部を書いていく。実験の目的を明確に書いておかないと、 具体的な実験内容も理解してもらえない。例えば、まずこれまでの研究成果や予 備的な実験結果を書いて、「このような点がわかっていないので、それを明らかに するために、次のような実験を考えた」とすると、非常にわかりやすい(図3-56) そして実験の詳細を書いて、その後にこの実験で何が明らかになるのか、予 想でいいから書いておく.どのようなことがわかると予想されるのか、この実 験で何を明らかにできると考えているのか、それを書いておけばいい。論文で はすでに行った実験について書くので実験結果の後は考察に入るが、申請書の 場合は「この実験によって、(具体的に)〇〇が明らかになる」とか「〇〇が確 認できる」とか、未来予想で実験の意義を書く、まとめると、次のような順番 で書いていけばよい。 実験(調査)の目的→具体的な実験(調査)内容→この実験(調査)の意義 や展開・応用 (160 科研費獲得の方法とコツ第9版