研究が当初計画通りに進まないときの対応 今回、ショウジョウバエにおいて新規生理活性ペプチドの探索、生理機能の解明、さらに哺乳 類への応用を中心に研究を行う。探索に関しては、今回発見した2種類以外にもすでに活性を示 す受容体を発見しているので、そのいずれかは哺乳類にもホモログが存在すると思われる。も し、なかった場合でも、昆虫に広く存在しているペプチドの場合、重要な生理機能を有している と考えられるので、昆虫において検討を進める。ショウジョウバエではペプチドの投与は難しい ので予備実験として、カイコに投与する実験は始めている。 図3-52●研究が計画通りに進まないときの対応の例 そのときの対応を、このように別に書いておいてもよい。 赤ペン添削HB3 ● case 61| 赤ペン添削 HB3 ● case 47~49 初の計画通りに進まないときの対応は書いておいた方がよい(図3-52). この項目は書くのが難しいと感じるかもしれない。しかし、研究計画を立て るときにはいくつか異なったアプローチで実験を行うことと思う.1つの実験 項目のなかに異なるアプローチの実験方法も書いておいて、「計画通りに進まな いときには」と書いておけば問題はない。 ⑤研究計画を遂行するための研究体制を書く 学術変革領域研究や特別推進研究を除いて科研費は、基本的に少人数で研究 を行うものである。しかし現在の多様化した研究内容によっては研究分担者や 研究協力者との共同研究が欠かせない。2章5:研究パートナー(共同研究者)の選 び方で記載したように、他の究者をメンバーに加える場合は、その究者が もつテクニックやメソッドが研究計画の遂行に不可であることを明記してお くのがよい。そうすれば計画の実現性に説得力が増す。 ⑥研究代表者、研究分担者の具体的な役割(図表を用いるなど)を書いておく 誰がどの研究項目(サブテーマ)を担当するのか、具体的に書いておく.サ ブテーマごとに「(担当:児島、中村)」などと書いておけばよい。また研究体 制を図表にしておくのも、わかりやすくてよい(図3-53)・ 研究計画・方法を書くときの注意事項 さて、具体的に研究計画の部分はどのように書けばよいのだろうか。当然だ が、突拍子もない計画や、実現不可能な実験計画は書かないこと。ここでは実 際の例を参考にして、注意点を書いていこう。 ①いきなり具体的な研究手技を書かない! 科研費の審査をしていて、研究計画に実験方法が詳しく書いてあるのになぜ か印象に残らないし、いったいその研究で何をやろうとしているのかが、はっ きりしないと感じることが多々ある。これは、何を明らかにしようとしてその 実験をやるのか、実験の目的をしっかりと書いていないからだ。このような例 (158 科研費獲得の方法とコツ第9版