5「本研究の目的および学術的独自性と創造性」の書き方 具体性に乏しい 「過去に行われて いない」から、独 自性・創造性が あるのではない 最近作成された遺伝子改変モデル動物(ARKOマウス)を用いて、アンドロゲンの食欲・摂食行 動・中枢神経作用を解析する。このような解析は過去には行われていない。ARKO雄マウ 10週齢以降で肥満を号するこくは既にKらによって確認されている。今回のわれわれの解析で、 •地満の原因となる摂食・リズム異常、中枢神経レベルでの摂食関連神経活動の異 ・ご確認され、選択的なアンドロゲン作用による「食欲」調節機能の一端が解明されると予想する 肥満者人口の当加、ストレス環境下での摂食障害、リズム(睡眠)障害患者の増加は国内外で社会 へおり、本研究の成果は社会的要請に応え得るものと考える。 具体性に欠ける 図3-41●「学術的独自性と創造性」のあまりよくない例 あまりに決まりきった表現になっている 自分たちの強み を強調 応用面の可能性 を示す 準備が整ってい ることをアピー ルする 最後にもう一度 意義を強調 図3-42●「学術的独自性と創造性」の見本1 平成19年度基研究(B)の申請の実例をもとに改変。 (学術的独自性と創造性) 近年の肥満症、摂食障害患者の急増によって、摂食調節ペプチドを中心とした内分泌・エネ ルギー代謝の研究は世界中で盛んに行われており、この数年でもNPW、ガラニン類似ペプチド、 ネスファチン-1など新しい摂食調節ペプチドが見つかっている。グレリンは申請者らが、世界 に先駆けてその精製・構造決定を報告したペプチド・ホルモンであり、摂食亢進作用をはじめ とするその広範な生理作用から世界中で活発に研究がすすめられている。申請者らはグレリン 発見の論文発表前よりグレリンの研究を展開してきたため、現在でも、申請者らのグループ、 および申請者らと共同研究を行っている国内・国外の研究グループが中心になってグレリンの 基礎・応用研究をリードしていると考える。応用面では共同研究先のAファーマやK大学探索医 療センターにおいてグレリン摂食亢進作用を応用した臨床試験研究がスタートしており、フェー ズを経て、現在フェーズIIの臨床試験を行っており、摂食障害やカへキシアなどに対して良好 な結果を得ている。 このように臨床応用研究も進んでいるグレリンであるが、まだまだ未解明の問題が多く残さ れている。本研究ではこれらの未解明の問題に取り組み、グレリンの臨床応用へ向けた基盤作 りを行う。申請者らは予備的な検討で、クレリンKOマウスの自律神経機能の異常や、グレリン 前駆体のプロセシングプロテアーゼの同定、グレリンの骨作用など、これまでにあまり明らかで なかったグレリンの研究で興味ある結果を得ており、研究期間内に本計画を達成可能な準備を整 えている。また久留米大学や他大学の臨床部門との共同研究によって、グレリンの臨床応用のた めの基盤研究を進めており、研究期間内に医師主導型の臨床試験を開始する計画である。 このように本研究計画によってグレリンの基礎研究から臨床応用までの一貫した研究の基盤 を確立できると考える。 →「本研究の目的および学術的独自性と創造性」の書き方のポイント ・研究目的を2~3行で最初にしっかりと書く. ・どのような研究を行って、何を明らかにするのか?をはっきり書く。 ・自分がこれまでやってきた研究やデータを説明して独自な研究の流れを書く. ・本研究によって明らかになること(もちろんよい結果のことだけ)を予想 して書く. ・この研究の特色,一番の売り、目新しい点は何かを書く. ・研究の重要性や意義をしっかり書く・ (151