赤ペン添削 HB3 ● case 36 ・ポスドクはいうまでもなく、大学院生でも読んでわかる ・恥ずかしいくらいにわかりやすい文章でもよい ・自分でやさしく書きすぎた、というくらいがちょうどよい 「学術的独自性と創造性」 次の「学術的独自性と創造性」だが、この部分は特に書きにくい.「独自性」 や「創造性」といわれても、何を書いたらいいのかわかりにくいかと思う.し かし間違っても「この研究は世界中で私しかやっていないので独自性・創造性 がある」とか書かないことだ、このように書かれているものは、意外に多い。 もちろん競合している場合もあるが、研究とはすべてがその人しかやっていな いオリジナルなものだからだ. ここにはこの研究の特色(オリジナリティ=独自性)は何か、そしてこの研 究がなぜ重要なのか、その重要性や研究の意義をしっかりと書いておけばいい。 実際に書くときには「独自性」と「創造性」とに分けて書くのもよい。 「学術的独自性」は難しく考える必要はない。どの研究も独自性をもっている はず.この研究の特色は?一番の売りは?他の研究者の研究とどのように違 う?そういうことを書けばいい。そして、得意としているテクニックやメソッ ド、あるいは申請者が現在もっている大切な試料やデータなど、申請者にしか できないことを書けばよい。研究室に保有している最新の機器を駆使するので もいい。どのような特色があるのか、目新しい点は何かなどを書いておけば よい。 「創造性」も難しく考える必要はない。この研究によって、何が明らかになる のか、どのようなことができるようになるのか、どのような研究の展開や応用 が考えられるのかなどを書けばいい。以前の申請書では「独創的な点はどこか」 となっていたのが、「独創性」ではちょっと大げさすぎるのか平成30年度以降 の申請書では「創造性」となった。 ●独自性、創造性とは何か 「独自性」「創造性」を示せとあるので、「このような点で本研究はきわめて独 自性があり創造性があるといえる」と書く人が意外に多いのだが、「独自性」「倉 造性」という言葉があまりに陳腐になるので避けた方がよいと思う。 古い文献だが、『実験医学 Vol.16 8~12月号(羊土社、1998 武部 啓 先生の「科研費申請の正攻法とコツ」にはすごく参考になることが満 載だ。ぜひ読むことをお勧めする。そのなかで「独創性」(独自性・創造性と言 い換えてもいいと思う)に関して述べていることにすべてが書かれている。 いわく、「自分しか行っていない研究」は独創性を示すことにはならない。 (148 科研費獲得の方法とコツ 第9版