(概要) 生体内には、内因性リガンドが不明ないわゆるオーファン受容体が数多く存在する。本研 究で対象とする消化管幹細胞マーカーのオーファン受容体はLGR5と呼ばれており、LGR5 受容体はロイシンリッチな繰り返し配列を細胞外ドメインに有するGPCR(G蛋白質共役型 受容体)で、LH(黄体化ホルモン)やFSH (卵胞刺激ホルモン)の受容体に類似している ため、その未同定の内因性リガンドもペプチド・ホルモンであると考えられている。この研 究計画では、幹細胞マーカーとして消化管幹細胞に発現するオーファン受容体の内因性リガ ンドを探索し、この内因性リガンドの腸管粘膜再生への効果を調べる。LGR5に結合する未 知のペプチド・ホルモンは消化管幹細胞の増殖や分化に関与すると考えられ、消化管の再生 医療への応用が期待される。 図3-26●「研究目的,研究方法など」冒頭の「概要」部分の見本2 図3-22の文章から改行をなくしたもの。研究の「背景と問い」の部分と、「目的】「展開・応用」の部分を別するために、図3-22では 「背景と問い」のあとで改行して2つの部分に分けている。 「研究の全体 構想」と「本 研究の具体的 な目的」を はっきりと分 けて書くこと で、内容を理 解してもらい やすい (概要) (研究の全体構想) 本研究はセントロメアの形成機構を染色体の構造改変を利用して明らかにするものです。分裂 、酵母を用い、2本の染色体が融合し、セントロメア配列を2つ保持しながら一方のセントロメアが 機能を失った融合染色体(シュードダイセントリック染色体)の実験系を用いて、染色体分配に 必額なセントロメア・動原体複合体が、どのような分子機構によって新規に形成されるのか、そ の形成過程の調節機構を解明します。 (本研究の具体的な目的) 1) シュードダイセントリック染色体を切断し、機能的なセントロメアを持たない染色体を作り 出すことで、新規機能的セントロメアが形成される実験系を構築する。2)塩基配列、エピジェネ ティック要員の新規セントロメア形成への影響を検証する。3)変異株を用いた新規セントロメア 形成に関わる因子の探索と機能解析を行う。 図3-27●「研究目的,研究方法など」冒頭の「概要」部分の見本3 平成21年度若手研究(B)の申請書の実例をもとに改変。一番の特徴は「研究の全体構想」と「本研究の具体的な目的」をはっきりと分け て書いてあること、これはよいアイデアだ。なお、この見本では「本研究の具体的な目的」のなかで「研究の方法」と「研究の展開」につ いても触れられている。 容も理解しやすくなるのでお勧めする(図3-28)・ また「研究目的。研究方法など」の本文では、(1)から(6)までの6つの 分で書いていくように指示されている。そのときにもただ数字を並べて、すな わち(1),(2),(3) と書いて、いきなり本文を書いていくより(図3-2 各数字の部分には何が書かれてあるのか、項目を書いておく方が審査委員にわ かりやすくてよい(図3-29B)(図は以前の申請書の例なので、現在の申請書 とは項目と番号の対応が異なっている)。そしてそれぞれの部分の間には余白行 を必ず入れる、あるいは項目の見出しを太字にするなどの工夫もよいと思う. このようなちょっとした工夫や書き方で申請書の読みやすさ、理解しやすさ が向上するので、細部まで気を配って仕上げていってほしい。 ▶申請書を読みやすく理解しやすいものにするためのポイント ・適宜改行を入れたり、部分に分けて読みやすくする。 ・余白行を入れる、見出しを太字にするなどで読みやすくする。 (138 科研費獲得の方法とコツ 第9版