申請書を書く前の注意点 て、内容の検討が必要になるだろう。申請書も同じで、誰に向けて書くのかを しっかり認識しておかないと、十分に理解してもらえるかどうかはおぼつかない。 では、申請書は誰のために書くものなのだろうか?自分の(研究の)ため? その分野の研究者のため?否、申請書は少数の審査委員のために書くものである。 申請書を作成するときに忘れてはいけない重要なことは、科研費の申請書は あくまでも3~8名の審査委員に理解してもらうために書くものだということ。 論文や総説のように大勢の人に読んでもらうために書くものではない。限られ た人数の専門家に向けて書くものであることをお忘れなく。 さて審査委員は自分の研究分野あるいは近い分野の研究者には間違いないの だが、応募の時点ではどこの誰なのかはわからない。書くべき対象がわからな いときは、内容の解説や専門用のレベルをどのくらいにすればいいのかわか らない.このようなときには「知り合いの研究者に向けて書く」ことをお勧め する.自分が普段からよく知っている〇〇大学の〇〇先生に向けて説明するつ もりで書いていくのだ。審査委員という漠然としたイメージに対して書くより も、具体的な特定の人に対して書く方が文章の焦点が定まり書きやすい。その 人に向けて自分の研究計画を説明して大いにアピールするつもりで書いていく のだ。過去の審査委員名簿から知り合いの研究者をみつけるのもいい.知り合 いの研究者に向けて書いていけば、申請書はよりよいものになるだろう。 申請書は誰に向けて書くのか 申請書は審査委員のためにわかりやすく書く、知り合いの研究者を想定する と書きやすい。 赤ペン添削 HB3 ● case 01 申請書に求められるわかりやすさ 科研費の審査も、学術論文の査読も、審査を行うのは数名のレビュアーであ るから、似たようなものだと思うかもしれない。しかし、科研費の審査委員と 学術論文のレビュアーには大きな違いがある。 学術論文の場合、まず投稿された論文が編集者によるチェックを受けて、そ の内容からレビュアーが選ばれる.レビュアーは少なくともその論文の内容に ついてのエキスパートであることが求められている。しかも学術論文のレビュー では1つの論文にじっくり集中できるが、科研費の審査では審査委員は1カ月 の間に100課題くらいの申請書をこなさなければならず、1つの申請書をチェ クする時間は非常に限られる。