申請書を書く前の注意点 関しての現状を説明する。「本研究の位置づけ」には、本研究がこの研究分野の 進展にどのように貢献できるのかを書けばよい。 ・ (4)本研究で何をどのように、どこまで明らかにしようとするのか 以前の申請書の「研究計画・方法」に相当する部分で、どのように研究を進め ていくのかを具体的に書く、その他、「本研究を研究分担者とともに行う場合 は、研究代表者、研究分担者の具体的な役割を記述」する(若手研究にはない). ・ (5) 本研究の目的を達成するための準備状況 本研究がどの程度に進んでいるのかを書く.また研究に使用する機器や装置の 保有状況や、共同研究体制のことなどを書いておけばよい。 ・(6) 本研究がどのような国際性を有するか 単に国際共同研究を行っているだけではだめで、国際的に高いレベルの発で あることをアピールすること、なお、前述しているが、この項目は令和7年度 の公募で基盤研究(A,B,C)に追加されたもので、若手研究にはない。 Column よい申請書とは 「よい申請書とは?」と質問されたら、それ は答える人によってさまざまに異なるだろう。 しかし、審査委員にとってほぼ共通しているこ とは「わかりやすいこと」である。そして「わ かりやすい」には2つあって、1つは「研究内 容がわかりやすいこと」と、もう1つは「申請 書が読みやすいこと」である. 「研究内容がわかりやすい」申請書は、一度読 むだけで内容がすっと頭に入ってくる。ただ単 に簡単に書いているというのではない。たとえ 自分の専門とは異なる分野の内容であっても理 解しやすいのだ。そして読んだ後には新しい知 識を得た満足感が得られる。それはなぜだろう? まず問題点をはっきり書いている。なぜ、こ の研究が面白いのか、なぜこの研究をやる意義 があるのか、現時点で何がわかっていないのか、 何を解明すれば大きな進歩につながるのかなど 研究の背景をはっきりと書いている。次に、や るべきこと、解明すべきことをきちんと書いて いる.そしてその後に、この研究がうまくいっ たときに「こんないいことがあるんだよ」と読 む人が納得するように書いてある。 そう、文章力が「わかりやすいこと」に大き く関与していると思う. では、文章力を身につけるには?これはもう 練習しかない。よい見本をたくさん読んで参考 にして、自分の文章を磨くしかない。書く経験 を積むこと、これに尽きる。 さて、もう1つの「申請書が読みやすいこと」 だが、これはスペースのとり方、行間の幅、レ イアウト、図,フォントの種類と大きさなどの 工夫によってずいぶんと違ってくる。こちらは 研究者のセンスによりけりだが、よい申請書の 見本を集めて、それを真似していけばよい。上 達するのは比較的簡単だ。 本書では、これら2つのわかりやすさを生み 出す力を磨くためのエッセンスを凝縮して解説 したので、ぜひ細部まで読み込んで実践してほ しい. 「じゃあ、お前が書いた申請書のなかで、よ い申請書は?」と尋ねられたなら、私は「採択 された申請書!」と答える。巻末に収録した実 際に採択された申請書の見本は、その点で「よ い申請書」と思うのだが、どうだろうか?