Column K大学科研費事務担者の奮闘記 Q:いつも思っていたのですが、なぜ科研費の 日本学術振興会での締め切りと比べて、学内の 締め切りはその2~3週間前と早く設定されて いるのですか? A: 大学によって異なるのですが、K大学の場 合、全学部の申請書をまとめて最終的に学術振 興会に提出の処理をするのは経理課です。申請 書のチェック、様式などですが、これをチェッ クするのは、医学系では研究推進課、文系学部 は各学部の事務が担当します。科研費の締め切 り最終日に学術振興会に送信しようとすると、 万が一のことが起きる可能性があるので、あら かじめ余裕をもって経理課は締め切りを設定し ます。その設定に合わせて各学部の担当部署が、 さらに早く締め切りを設定することになります。 そのため、実際の学術振興会の締め切りよりも、 学内の締め切りがかなり早くなってしまうの です. Q:科研費のとりまとめで、事務方として苦労 する点を教えてください。 A:まずなんといっても処理する数の多さです。 文系学部の申請数はそれほど多くないのでいい のですが、医学系では毎年300件前後の申請が あり、それを実質1人で処理しなければなりま せん。チェックだけでも大変な数です。しかも 一度電子申請を行ったものを取り消してほしい など、締め切り間際の連絡が多く、その時期に は事務室の電話は鳴りっぱなしです。 事務では申請書のチェックをします。よく訂 正を求めるのは、様式がずれているものなどで す。申請書の青式が変わることが多いのに、前 年度の古い書式のままで提出する先生も結構い ます. また先生方に修正点を連絡するのですが、学 会や研究会などで不在の先生も多く、捕まえる (104 科研費獲得の方法とコツ 第9版 のにひと苦労です。申請書をメールで添付して 送ってくる先生もいて、これも連絡をとるのに 大変です。秘書さんや研究補助員さんが出張中 の先生からの指示を受けて訂正することもあり ます. 困るのは、ほとんど何も書いていない申請書 を出す先生がいることです。講座や教室で教授 など上の方から絶対に出すように命令されて、 仕方なくほんの少しだけ書いて出す先生がいま す.ひどいものになると概要だけ1行しか書い てないものもあります。もっとも臨床の先生方 は非常に忙しいので、気の毒には思いますが、 それから研究計画のところで、毎年同じ研究 計画を書いているときなども、先生に訂正を求 めます. 事務では様式などのチェックはできるのです が、内容に関してのチェックはできません。そ れでも私たちに「申請の書き方は?」「どうやっ たら採択されるのか?」「応募期間は何年にし たらいい?」「研究費の額はいくらにしたらい い?」などの、こちらでは答えることのできな い質問も結構きます。 Q:研究者への要望は? A: まず、ちゃんと公募要領を読んでほしいと いうことです。公募要領は毎年何らかの変更が あります。申請書を書く前に、まずその年の公 募要領をよく読んでほしいと思います。 それから、申請書を作成するのなら、ただ出 すためにつくるのではなく、ちゃんと採択され るための申請書を書いてほしいです。 最近,医学部で研究をやる先生の数が減って、 応募数が伸びないのが悩みです。研究費の獲得は その先生の業績になるとともに、大学にとっても 非常に重要なことです。もっと多くの先生方に頑 張って科研費を獲得していただきたいです。