ペースに3つくらいの具体的な研究項目を中心に書いていけば、少なくとも全 体の構成は整う.さらに「本研究で何をどのように、どこまで明らかにしよう とするのか」の部分では、研究項目ごとに、それぞれさらに3つくらいの具体 的な実験方法を書いていけばよい。 例をあげてみていこう(実例をもとにした架空の内容である). 申請予定の研究テーマ:「創傷の持続洗浄療法による感染予防」 実験内容:感染創モデルを作製して、持続洗浄療法を行った群と行っていな い群とで創傷部の感染状態や治癒を比較する。 このような内容で相談を受けたとする。正直これだけでは内容が弱すぎると 思う.ただ単に治療を行った群と行っていない群との比較だけだからだ。初心 者にありがちなのだが、「~を測定する」「~と~を比較する」「~を調べる」と いった簡単なレベルの記述で終わっている例が多い。そこをもう少し踏み込ん で、そのためにどのような研究を行うのか、具体的にどういった実験を行うの かまで、詳しく書いてほしい〔参照3章1:申請書を書く前の注意点)。 相談しながら、3つの研究項目を考え出したとする。 ①感染創における菌の種類によって持続洗浄療法の効果は異なるのか? ②創傷治癒を速めるFGF(線維芽細胞増殖因子)を加えることで、創傷治癒 の効果は高まるのか? ③抗菌ペプチド投与による感染防止や、循環調節ペプチド投与による血流改 善によって、治癒は進むのか? ③は、私の専門である生理活性ペプチドの分野と無理矢理関連させた感があ るが、許してほしい。 こうやって3つの研究項目をあげると、その後の内容が非常に書きやすくな る。菌の種類はどのようなものがあるか?投与するFGFの濃度は?他の増殖 因子は創傷治癒に使えないか?ペプチドは何を使うのがよいのか?このよう に次々に関連項目が浮かんで書く内容が広がり、内容が充実したものにできる だろう。1つの研究テーマに関して、大きな枠組みで書いていくよりも、3つく らいの研究項目をつくって、いくつかの部分に分けていくと初心者には書きや すい. (102 科研費獲得の方法とコツ 第9版