科研費の基金化、調整金、合算使用、バイアウト制度 「研究以外」の業務代行経費としての「バイアウト制度」 「バイアウト制度」とは、研究者が研究時間を確保するために、研究以外の業 務の代行費用を、競争的研究費の直接経費から支出可能とする制度である。研 究以外の業務とは、①研究活動と②組織の管理運営事務以外で、「研究者が本来 行う必要がある教育活動等及びそれに付随する事務等の業務が対象となる〔例: 教育活動(授業等の実施・準備,学生への指導等),社会貢献活動(診療活動. 研究成果普及活動等)等〕」〔令和7(2025)年度科研費公募要領より〕.「競争 的研究費」にはもちろん科研費も含まれる。これまで直接経費で使えるものは 研究に直接間接にかかわるものだけであったが、「バイアウト制度」では「研究 以外」のものにも経費を使えることが画期的である。 「バイアウト制度」に関する経費は「その他」の費目で計上し、「事項」欄に 必ず「バイアウト」という文言を記載することになっている。また、この経費 は研究者が代行要員を雇用するための費用自体を指すものではなく、あくまで 研究者が代行要員雇用のために研究機関に支払う費用である。すなわち「バイ アウト制度」を実施するためには、研究機関において「バイアウト制度」に関 する仕組みが構築されていることが必要である。 「バイアウト制度」の詳細は、内閣府より公表されている「競争的研究費の直 接経費から研究以外の業務の代行に係る経費を支出可能とする見直し(バイア ウト制度の導入)について」(https://www8.cao.go.jp/cstp/ buyout_seido.pdf) を参照 →基金化と調整金、合算使用、バイアウト制度 ・基金化と調整金によって科研費は非常に使いやすくなった。 ・科研費やその他の研究費の合算使用によって共用設備の購入が可能。 ・「バイアウト制度」により研究以外の業務に科研費が使える。 今後への期待 近年、科研費の制度には画期的な改革が相次いで、現在は非常に使いやすく なった.しかし懸念すべきことは、研究費の不正使用が大きな問題となり、科 研費を使いやすくするための制度改革のはずが、逆に場合によっては使いにく くなっていることだ。すなわち、研究者よりもむしろ研究機関側が、不正使用 ととられかねないような便途のミスをおそれて、さまざまな理由書などの提出 や制限を設けていることだ。例えば申請書に書いている以外の機器購入をした 章 (65