6科研費の現状について一令和6年度のデータより る.基盤研究(A)の応募件数が大幅に増加したのは、競争がとくに厳しい特 別推進研究と基盤研究(S)を避けて、採択率が高くなった基盤研究(A)に応 募先を変更したことが理由だろう。 2回という受給制限のある若手研究は、制度が導入された和3(2021)年度 には前年度より約5,000件と大幅に減少したが、それ以降は応募件数が13,000件 前後とほぼ同じ水準で推移している。また基盤研究(C)は和3年度以降、毎 年45,496件→45,434件→43,689件→45,713件と、令和5年度 れ以外はほぼ45,000件前後で推移している。それでは若手研究の受給制限で減 少した約5,000件分の申請者はどこに応募種目を変更したのだろう。詳しい内容 は不明だが、これまで若手研究に応募していた若手研究者の一部が科研費への 応募を止めてしまったのだろうか. 研究機関別にみると、令和6年度はすべての研究機関で前年度に比べて応募 件数が増加した。応募件数全体における研究機関別の割合を調べると、この10 年間で国立大学が応募件数に占める割合は、49.9%から46.6%(2014年度 →2024年度、以下同じ)と低下傾向は続いている(20年前の2004年には57.7% だった).それに対して公立大学は7.7%から8.4%、私立大学は30.4%から 33.3%と上昇している。 この数年、各地の大学や研究機関で科研費セミナーを行った経験からいうと、 どの大学や研究機関でも科研費獲得への積極的な取り組みを行っており、今後、 科研費の獲得はますます激しくなっていくと思われる。 ▶ 応募件数の変化 全体の応募件数が和5年度と比べると和6年度では大幅に増加した。基 盤研究(A),基盤研究(C),研究活動スタート支援での応募件数の増加が 目立つ. 新規採択件数,採択率の変化 令和6年度には前年度よりも応募件数が大幅に増えたため、採択件数は前年 度よりも824件増加した(図1-7,図1-8). これは3.4%の増加率である かし採択率は前年度とほぼ同じの27.5%(前年度は27.6%)であり、応募件数 に比例して採択件数も増加したことがわかる。 科研費の新規採択率はこの10年間では平成29~30年度に25%前後と低く なっていたが、和年度の大幅な採択件数増加によって新規採択率が28%と なり、以後、28%前後で推移している(図1-9).もっとも平成22年度以前で 1 章 (53