④審査のしくみ に異なった種目であることが大前提である審査においては、研究計画のアイ デアと実行可能性が重要である。いくらいいアイデアの研究計画であっても、 その申請者によって実行可能なのかどうかが採択のための判断基準となる〔参照 3章15:挑戦的研究(開拓・萌芽)の申請書について)。 挑戦的研究は中区分での審査が行われ、「(開拓)」では第1段階の書面審査 と第2段階の合議審査の「総合審査」によって、「(萌芽)」では「2段階書面審 査」によって採択が決定される。他種目と異なるのは、応募件数が多い場合に 全審査委員で書面審査を実施するのに適切な課題数に絞り込むために、「事前の 選考」(プレスクリーニング)が行われることである。 ●プレスクリーニング このプレスクリーニングは、Web入力項目(前半)と研究計画調書の概要(2 ページ以内)で構成される「研究計画調書(概要版)」によって行われる。プレ Column 審査した申請書の採択状況 情報が公開されているので秘密でもなんでも ないが、私自身科研費の審査を何度かやったこ とがある。第1段の書面審査は、申請書が手元 に送られてきてから1カ月以内に、100件近い 採点をしなければならないので、結構大変だ。 応募者は必死の思いで申請書を作成したはずだ から、その思いに応えるためにも自分としては 毎回真剣に取り組んだつもりだ、さて私の採点 結果と採択された課題との間に、どのような違 いがあっただろうか?表はある年度の結果だ(こ のときはまだ、旧審査方式だった). 点数私が付けた採択された人数 採択率(%) 点数の人数 5 7 4 17 3 40 2 18 6 10 2 0 85.7 58.8 5 1 11 合計 93 18 19.4 表・ある年度の私が付けた審査点数と 採択率結果 いかがだろうか.この表を見る限りは、自分 の付けた点数と採択された課題とは結構いい相 関関係にあるように思う.5点を付けたものは 1名を除いて採択されているし、2点以下の者 では採択された者がいない。だが、本当にそう だろうか? 注意しなければならないのは、3~8名の審 査委員の合計点数(もちろん補正はしている) で採択がほぼ決まるので、1名の審査委員の点 数の影響が大きいということだ〔令和7年度公 募のときのように、基盤研究(B,C)や若手 研究で、審査委員の数が1人減ったときなどは よけいに影響が大きくなる).例えば、ある課 題に私が2点を付けると、それだけで合計点数 が低くなり、採択の可能性も少なくなってしま う.その結果が、表の採択率に表れているのか もしれない。 このように科研費の審査は非常に責任が重い のだ。審査のときには心して真剣に申請書と向 かい合わなければならない。 さて、審査委員には後日、どの申請課題が採 択されたか連絡があり、自分の採点結果と比較 してきちんとフィードバックできるようになっ ている。よいしくみだと思う. 1 章