④審査のしくみ いうまでもなく、これらの項目の評点は、審査委員の主観的なものである。 先に書いたように「評定要素」の点数はあくまでも参考で、「総合評点」の点数 とは別である。つまり、「評定要素」の合計点数がそのまま「総合評点」に反映 されるとは限らない。 重要なことは第1段審査において4段階で点数が付く「総合評点」が、第2段 審査における評価(つまり採択)に大きな意味をもつということだ。いくら「評 定要素」で最高の4点を多く付けられても、総合評点が低いと採択は難しい。 ・総合評点 総合評点は基盤研究(B,C)と若手研究では最高が4,最低が1で、小数点 以下はない。基盤研究(S,A)では最高がSで以下、A,B,Cの順になって いる. 「総合評点」は相対的な評価であるため、評点分布の目安が決められている。 基盤研究(B,C)と若手研究の評点区分では4点が10%、3点が20%、2点が 40%、 1点が30%の割合になるように申請書の採点を行う。基盤研究(S,A) の評点区分ではSが10%,Aが10%,Bが10%,Cが70%の割合になるよう に採点を行う。Sは「最優先で採択すべき」もの、Aは「積極的に採択すべき」 もの、Bは「採択してもよい」。Cは「S~Bに入らないもの」である。 そして、ほほこの評点分布にしたがって、各評点区分における申請者の人数 が調整される。そのため審査委員は、よい申請内容のものがなくても必ず最高 点を付けなければならないし、内容がよくてもどれかの申請課題には一番低い 評点を付けないといけない。ただし審査委員の担当研究課題数が少ない場合は、 この限りではない。 また審査委員によって点数の付け方に多少のバラツキがあるので、採点の集 計においては、審査委員による採点の偏りを避けるために統計処理され、小数 点以下の点数が付く.この補正で使われるのはTスコアで、平均点と標準偏差 により審査委員ごとの素点のばらつきが補正される。 ・審査意見 評点とともに審査委員はすべての研究課題について審査意見を記入しなけれ ばならない。各応募種目の「書面審査における評定基準等」には「全ての研究 課題の「審査意見」欄に、当該研究課題の長所と短所を中心とした審査意見を 必ず記入してください」とある、種目によって異なるが、1人の審査委員には 平均100課題の申請書が送られてくる。その100課題近くの審査意見を全部書 くことは、審査委員にとってなかなか大変なことなのだ。 章