1 章 科研費の概略 科研費に応募するのは研究費を獲得するため。そのためには科研費に ついて知っておかなければならない.どのような研究種目(応募種目) があって、どのような審査区分(応募分野)があるのか。自分はどの種 目に応募できるのか,どの区分に応募すべきなのかを調べておこう。ま 科研費の制度は常に変化しているので、応募するときには最新の情報 を集めておこう。なお、第9版でも、発行後に発表される科研費の重要 情報については羊土社ホームページ(https://www.yodosha.co.jp kakenhil)で紹介する予定である、そちらも併せてご覧いただきたい。 1 科研費とは? 科研費(科学研究費補助金および学術研究助成基金助成金)とは「人文学、 社会科学から自然科学まで全ての分野にわたり、基礎から応用までのあらゆる 「学術研究」(研究者の自由な発想に基づく研究)を格段に発展させることを目 的とする「競争的研究費」であり、ピアレビューにより、豊かな社会発展の基 盤となる独創的・先駆的な研究に対する助成を行うもの」〔「科研費ハンドブッ ク(研究者用)ー2024年度版」より〕である。科研費は文部科学省および独立 行政法人日本学術振興会(JSPS)が行っているピアレビュー(専門分野の近い 複数の研究者による審査)をた、独創的・先駆的な研究に対する助成であり、 日本国内で研究を行う者にとって、最も代表的な研究費である。年度ごとに研 発費が措置される「科学研究費補助金」と、複数年間の研究期間全体を通じた 研究費が確保される「学術研究助成基金助成金」により運営されている。科 費の予算額をみてみると、平成22年度には総額2,000億円を超え、基盤研究(B) の基金化の導入された令和5年度には3,031億円と過去最大額になった。和6 年度の予算額は2,429億円である。科研費は基本的な研究資金として、今後も重 要であり続けるだろう. 科研費の一番の特徴は、「研究者の自由な発想」による研究をサポートする、 国からの唯一の研究費であることだ。科研費は研究者が「こういったことを研 究したい」と希望したテーマに国が研究費を支援する。「新しいホルモンをみつ けたい」とか「細胞分裂のしくみを探りたい」など、まず研究者の思いがあっ 20) 科研費獲得の方法とコツ 第9版