===== Page 37 ===== 3 ③審査区分の種類 募の時期と同じで7月中旬から9月中旬までであった。留学などの単なる海外 派遣ではなく、あくまでも海外共同研究者との共同研究の強化が目的である。 応募資格は応募年度の7月1日現在で「基盤研究」「若手研究」「特別研究員奨 励費」に採択されており、応募年度の4月1日現在で45歳以下の者となってい る。研究費は1,200万円以下である。 海外連携研究は、「海外で国際共同研究を実施し、我が国の研究者が国際的な ネットワークの中で中核的な役割を担うことにより、国際共同研究の基盤の構 築や更なる強化に資すること」を目的としている.しかし、令和6年度を最後 に公募停止となった。 国際先導研究は「我が国の優秀な研究者が率いる研究グループが、国際的な ネットワークの中で中核的な役割を担うことにより、国際的に高い のある研究成果の創出を目指す」ものであり、「ポストドクターや大学生の参 画により、将来、国際的な研究コミュニティの中核を担う研究者の育成にも資 する」ことも目指す。研究代表者は、「責任著者となっている国際共著論文(6 年以内に発表したもの)が、被引用数 Top10%の国際共著論文に該当すること」 など、申請のハードルは高い。令和7年度の公募は令和7(2025)年1月9日~ 3月14日と、通常の科研費公募の時期とは異なる。研究期間は7年間(10年間 まで延長可能)で、研究費は5億円以下である。 帰国発展研究は海外から日本に帰国する予定の日本人研究者のための助成で ある(期間3年以内,5,000万円以下)。国外の研究機関に教授、准教授または それに準ずる身分(ポスドクを除く)を有して所属しており、日本に帰国予定 の場合は応募を検討するとよい。 →科研費の種類 基盤研究と若手研究,挑戦的研究,研究活動スタート支援,学術変革領域研 究、国際共同研究加速基金などがある。 審査区分の種類 科研費は応募者自らが研究課題にもっとも相応しい審査区分を選んで応募し、 その審査区分において審査される。後述するように審査区分は応募種目によって 異なり、小区分、中区分、大区分の3つの区分からなる。2章で詳述するよう 審査区分の選択は科研費の採択にとても重要なので、どのような審査区分があっ て、その区分が対象としている研究内容は何か、よく調べておく必要がある。 1 章 ===== Page 38 ===== 科研費の公募では、応募者が「審査区分表」から選択した区分において審査 される.この「審査区分表」はおおむね5年ごとに見直しが行われることになっ ている。従来の「応募分野」が「審査区分」として再編成されたのは平成30 (2018)年度からなので、令和5年度はその見直しの時期にあたり、令和4年3 月に「審査区分表」が変更された。新しい「審査区分表」は和5(2023)年 度の科研費の応募から適応されている。 この改正のポイントは、 ・小区分の「内容の例」の見直し(区分の分け方には変更はない、つまり区 分の数に変更はない) ・「基盤研究(B)」において、著しく応募件数の少ない一部の小区分につい て、複数の小区分での合同審査を実施すること である。 審査区分の一覧表は、日本学術振興会の科研費に関するページでダウンロー ドできる〔科学研究費助成事業ホームページのサイドバー(ウインドウが小さ いときは右上に表示される「MENU」)→「審査・評価関係」→「審査区分表 等」や、公募要領のなか、あるいはhttps://www.jsps.go.jp/ i-grantsinaid/03_keikaku/data/r05/R5_s 図1-3, 図 1-4).審査区分の一覧表を手がかりに、自分の申請内容に最も適した応募先は どこなのか検討する. またKAKEN(科学研究費助成事業データベース)(https://kaken.ni の検索によって過去の採択課題を調べ、応募に適した審査区分を選ぶ方法もよ い。ただし、このデータベースには、平成30年度以降の公募で使用されている 「審査区分」,平成29年度以前の公募で使用されていた「研究分野」の両方が登 録されている。そのため、平成29年度以前のデータを活用するには、現在の審 査区分に対応する従来の研究分野で検索する必要がある。また自分の研究課題 のキーワードで検索して、近い研究テーマがどの研究分野で採択されているか がわかるので、その情報をもとに審査区分を検討できる。 ただし研究活動スタート支援だけは審査区分が別のもの(詳しくは公募要領 の「研究活動スタート支援」審査区分を参照)なので注意が必要だ。 なお、特来的には区分の手編が行われて、より少ない区分数になるというこ とが発表されている。自身の研究分野以外の審査委員も加わることになるので、 異なる分野の審査委員にも理解してもらえるような申請書を作成することが、 より必要になることだろう. 38 科研費獲得の方法とコツ 第9版 ===== Page 39 ===== ③審査区分の種類 応募種目によって大・中・小区分で審査が行われる 1 大区分 大区分I 中区分7:薬学およびその関連分野 小区分 47010薬系化学および創薬科学関連 47020薬系分析および物理化学関連 47030薬系衛生および生物化学関連 47040薬理学関連 47050環境および天然医薬資源学関連 47060医療薬学関連 中区分48:生体の構造と機能およびその関連分野 小区分 48010解剖学関連 48020生理学関連 48030 薬理学関連 48040医化学関連 中区分49:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野 小区分 49010病態医化学関連 49020人体病理学関連 49030実験病理学関連 中区分50:腫瘍学およびその関連分野 小区分 50010腫瘍生物学関連 50020腫瘍診断および治療学関連 中区分51:ブレインサイエンスおよびその関連分野 小区分 51010基盤脳科学関速 51020認知脳科学関連 51030病態神経科学関連 中区分52:内科学一般およびその関連分野 小区分 52010内科学一般関連 52020神経内科学関連 52030精神神経科学関連 52040 放射線科学関連 52050胎児医学および小児成育学関連 中区分53:器官システム内科学およびその関連分野 小区分 53010消化器内科学関連 図1-3・審査区分表(総表) 複数の小区分が集まって中区分を形成し、複数の中区分が集まって大区分を形成する。応募者は最もふさわしいと思う区分に応募す 小区分 内容の例 対応する中区分、大区分 中区分 大区分 54020 〔膠原病およびアレルギー内科学関連) 豚原病学、アレルギー学、臨床免疫学、炎症学、など 54 I 54030 〔感染症内科学関連) 感染症診断学、感染症治療学、生体防学、国際感染症学、など 54 I 54040 55010 〔代謝および内分泌学関連 エネルギー代謝、糖代謝、脂質代謝、プリン代謝、骨代謝、電解質代謝、内分泌学、神経 内分泌学、生殖内分泌学、など 〔外科学一般および小児外科学関連〕 外科総論、乳腺外科、内分泌外科、小児外科、移植、人工臓器、再生、手術支援、など 54 I 55 55020 [消化器外科学関連】 上部消化管外科、下部消化管外科、肝臓外科、胆道外科、膵臓外科、など 55 55030 〔心臓血管外科学関連] 冠動脈外科、弁膜疾患外科、心筋疾患外科、大血管外科、脈管外科、先天性心疾患、など 55 〔呼吸器外科学関連〕 55049 肺に科、外科、胸照外科、無道外科、など 図1-4●小区分の内容 (39