--- title: "3. 電子申請の実際" book: 科研費獲得の方法とコツ 第9版 chapter: 第4章 申請書の仕上げと電子申請 pages: 230-243 images: page_0230.png ~ page_0243.png --- # 3. 電子申請の実際 科研費の申請は電子申請によって行う。今では当たり前のように電子申請を行っているが、これが導入されたのは平成17年度分の申請時からである。やってみると案外簡単なのだが、初心者には「あれっ」と戸惑う箇所がところどころある。 「JSPS科研費電子申請システム」のホームページには「電子申請システム体験版」があって便利だ。日本学術振興会の科学研究費助成事業のホームページ(https://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/index.html)の左の「MENU」の「電子申請」→「科学研究費助成事業」とクリックするとJSPS科研費電子申請システムのページになり、右下のほうに「電子申請システム体験版」がある。最近のものは「応募」と「交付申請」の2つの体験ができる。初めて電子申請する人は一度練習しておくのがよい。 ここでは実際の電子申請のやり方を、順を追ってみていこう。図4-10のような流れで電子申請を行う。 ## 電子申請前の準備 応募する者が電子申請するときに準備しておく必要があるものは、次の3つである。 ### 1. e-Rad用ID・パスワード e-Rad用ID・パスワードを取得するには、所属研究機関の担当者に連絡して申し込む(参照 1章1:科研費とは?)。すぐに手続きをしてくれるはずだ。このログインIDとパスワードは応募時のログインに必要となるためしっかりとメモして管理しておくこと。このパスワードは、申請書確認のためにPDFファイルを開くときや、審査結果を見るときにも必要になる(参照 4章4:最後のチェック、5章2:不採択のとき)。 ### 2. 作成した申請書のファイル 申請書はすでに作成済みだと思う。申請書のファイルをWordファイルあるいはPDFファイルにして、電子申請に使うパソコン上に準備しておく。 申請書をアップロードするときには、まずWeb上で応募情報(Web入力項目の前半と後半がある)を書き込む。この情報が作成した申請書とともにWeb上でPDFファイルに変換されて完全な申請書(研究計画調書)になる。なお、令和7年3月現在、Web入力項目後半の一部はPDFに変換されず、Web上で確認される。 ### 3. 研究分担者の情報 研究分担者が研究メンバーに入っているなら、応募情報のところで、その研究者の研究者番号、年齢、職、専門分野、学位、役割分担などの情報を入力する必要があるので、メモした紙やファイルを用意しておく。 ## アクセスから提出まで さあ、いよいよ実際に電子申請をやってみよう。 まず日本学術振興会の科学研究費助成事業ホームページの「電子申請」をクリックして「科学研究費助成事業」→「研究者ログイン」(図4-11)と進み、「応募者ログイン」画面でIDとパスワードを入力すれば「応募者向けメニュー」のページに到達する(図4-14)。 またe-Radポータルサイト(https://www.e-rad.go.jp/)からもアクセスできる(図4-12)。「ログイン」をクリックし、そこでログインIDとパスワードを入力すると「ホームメニュー」になる(図4-13)。「外部連携システム」のところで「科研費電子申請システム」をクリックすると、「応募者向けメニュー」に到達する(図4-14)。 以下、「電子申請システム体験版」と実際の申請画面を用いて、申請手順に沿って記述する。応募種目によって電子申請の画面と構成が異なるが、基本的な操作は同じである。 「応募者向けメニュー」の「応募手続き」→「●応募を開始する」から応募する種目(体験版では「基盤研究・挑戦的研究・若手研究」しか選べない)を選ぶ(図4-14)。「受付中研究種目一覧」の画面(図4-15)から右下にある「応募情報入力」をクリックすると、重複申請の注意点が書かれているページが現れる。「OK」をクリックすると「研究計画調書管理」の画面が表示される(図4-16)。「研究課題情報」のところの「応募情報入力」をクリックすると「応募情報入力」の画面が表示される(図4-17)。この画面でWeb入力項目「研究課題情報」を入力する。ひととおり入力が終わると「研究計画調書管理」の画面にもどるので、「研究経費とその必要性」「研究費の応募・受入等の状況」を同様に入力していく(図4-18、図4-19)。最後は「研究計画調書管理」から申請書ファイルをアップロードする(図4-16)。 なお、現在の体験版では、最初は「応募情報入力」をクリックできない。「こちらをクリック」を順にクリックすると「応募情報又は研究計画調書確認」の画面に進むが、「Warning!以下の内容を確認してください。」と表示されて、まずは応募情報入力が未完了のときに表示されるエラーを体験するようになっている。 ## 各項目の入力 各項目を入力していくときの注意点は、変更はいつでもできるので、入力途中ではこまめに「一時保存」することである。なお、入力した後、どのような形になるのかは、巻末の実際に採択された申請書(1)(2)を参照してほしい。 ### 1. 申請者と研究課題の情報 ここでは、応募する「区分」、研究代表者(つまり申請者)の情報、研究課題名(この部分で初めて入力する)などを入力する(図4-17上)。 ### 2. 研究組織 ここでは研究代表者と研究分担者の情報を入力するとともに、研究分担者の承諾や、研究代表者と研究分担者の研究インテグリティの誓約が求められる(図4-17下、図4-20)。重要なことは研究分担者の承諾と、研究インテグリティの誓約がないと応募できないということだ。 研究分担者が本研究課題に参加するときは、研究分担者とその所属する研究機関の承諾を得る必要がある。これには研究代表者が研究分担者に承諾について連絡したうえで、Web上で本入力欄の「承諾状況」の「依頼する」にチェックを入れて一時保存する。そうすることで研究分担者とその所属機関に依頼が届き、Web上で両者から承諾が得られる(参照 2章5:研究パートナー(共同研究者)の選び方)。研究分担者には早めに連絡しておこう。 一方、研究インテグリティ誓約状況については、e-Radに登録されている情報が反映されるため、e-Radでの研究活動に関する記載と登録をあらかじめ行っておくことが必要である。 ### 3. 研究経費とその必要性 「研究経費とその必要性」では各費目の「追加」のところをクリックして、当該年度の表示を出し、各品名や消耗品の種類などを記入していく(図4-18、図4-21)(参照 3章13:研究経費とその必要性)。訂正するときには「削除」をクリックして、いったん消去し、再度入力する。「再計算」をクリックすると自動的に合計金額を計算してくれるので、簡単に金額を調整できる。 ### 4. 研究費の応募・受入等の状況 この部分は申請書のPDFファイルには出力されない。 ここでは「(1)応募中の研究費」「(2)受入予定の研究費」「(3)e-Rad外の研究費」「(4)兼業や、外国の人材登用プログラムへの参加、雇用契約のない名誉教授等を含む現在のすべての所属機関・役職」を記入する(図4-19)。(1)と(2)では、他の研究費に加えて、この研究課題に応募する理由として、研究内容がどのように異なるのかを書いておく。(1)〜(3)のエフォートを記入すると、(4)と「(5)その他の活動」と合計してエフォートが100%になるように自動計算される。 ## 応募ファイルのアップロード 以上の応募情報をひととおり入力したら、「研究計画調書管理」画面にもどるので、画面下の「添付ファイル項目」の「ファイルを選択」をクリックして、作成した申請書ファイルを選ぶ(図4-16下)。すべて入力し終わったら「→次へ進む」をクリックする。応募情報と申請書が1つのPDFファイルに変換されて、自動的にアップロードされる。なお、何度も言うが作業過程は「一時保存」を押すことでこまめに保存しておくこと。また、もし途中までしか進めなかったときでも「一時保存」をクリックして保存しておくことで、そこから作業を再開できる。 変換されたファイルは「応募情報又は研究計画調書確認」の画面から、PDFファイルとしてダウンロードできる(図4-22)(完成した申請書がどのような形になるのかは、巻末の実際に採択された申請書(1)(2)を参照)。ダウンロードしたPDFファイルをチェックして、問題がなければ「確認完了・提出」ボタンをクリックする。すると「応募情報(※研究組織の情報を含む)又は研究計画調書を確認完了・提出すると応募情報又は研究計画調書を修正・削除できません」とあり、また研究インテグリティに関する注意書きも書かれていて、これらの点に問題なければ「OK」ボタンをクリックする。 そして所属機関担当者がシステム上で受理して、「処理状況一覧」画面の「応募状況」のところが「所属研究機関受付中」になったら提出完了だ(図4-23)。所属機関から日本学術振興会に送信されて、ここが「学振受理」になると、日本学術振興会への提出も完了したことになる。 > --- > **電子申請の実際のポイント** > > - 電子申請では間違いがあっても後で修正できるので、安心して、画面の指示にしたがって提出すること。 > - 途中、こまめに一時保存しておくとよい。 > ---