--- title: "1. 申請書を書く前の注意点" book: 科研費獲得の方法とコツ 第9版 chapter: 第3章 申請書の書き方 pages: 106-120 images: page_0106.png ~ page_0120.png --- # 1. 申請書を書く前の注意点 科研費の申請書を書いていくことには大変なエネルギーと時間が必要だ。しかも最初から完璧な申請書などできるはずもない。まず書ける部分から少しずつ書いていって、あとで時間をかけて推敲しよう。申請書では「研究目的」が一番大切で、何を研究するのか、何を明らかにしようとするのかを審査委員に十分に理解してもらわなければならない。そして内容とともにレイアウトなどの見栄えにも気を配り、審査委員が読みやすい、理解しやすいものに仕上げていく必要がある。 なお、どのようなことをどのような割合で書いていくとよいのか、本章の図3-8〜図3-11では基盤研究(C)を例に紹介しているが、それ以外の種目についても、その目安を羊土社ホームページ(https://www.yodosha.co.jp/kakenhi/)で紹介している。 ## まず申請書を入手しよう 科研費申請書の正式な名称は「研究計画調書」であるが、この本では「申請書」と書いていく。科研費の申請書ファイルは、日本学術振興会と文部科学省のホームページからダウンロードして使用する。令和7(2025)年度申請でダウンロードできるファイル形式はMicrosoft WordとPDFファイルである。Wordファイルは、Microsoft Office Word、あるいはWordファイルを開くことができるワープロソフト(MacのPagesなど)で内容を書き込んでいく。ただしWord以外のワープロソフトではレイアウトが変わって使いにくい場合がある。PDFファイルの場合、Adobe Illustratorなどのソフトで開いて内容を記入するのだが、あまり実用的ではない。 多くの人がWordを日常的に使用しているだろうから、申請書への入力にはWordを使用するのが一番簡単だと思う。 申請書をダウンロードするためのホームページは応募する研究種目によって2つに分かれている。 ### 特別推進研究、基盤研究、挑戦的研究、若手研究などの申請書 日本学術振興会:科学研究費助成事業(科研費) https://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/ 日本学術振興会の科学研究費助成事業ホームページ左側サイドバー(ウインドウが小さいときは右上「MENU」)の「公募情報」→「公募要領・計画調書等」のところから各応募種目の申請書(様式)をダウンロードできる。 ### 学術変革領域研究、特別研究促進費などの申請書 文部科学省:科学研究費助成事業−科研費− https://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/hojyo/main5_a5.htm 文部科学省の科学研究費助成事業ホームページの、「2.科研費の応募・審査・評価等」→「1.公募情報」からアクセスできる画面からダウンロードできる。 なお、AMEDが行う各種事業、科学技術振興機構のCRESTやさきがけ、ERATO、また民間財団の研究助成などの申請書ファイルも各ホームページからダウンロードでき、これらもWordファイルで提供されていることが多い。 > --- > **申請書の入手** > > 科研費の申請書ファイルは日本学術振興会科学研究費助成事業もしくは文部科学省科学研究費助成事業のホームページから入手する。 > --- > --- > **Column:科研費は時代の流れとともに(男女共同参画推進、安全保障貿易管理など)** > > 世の中のいろんな制度が時代の流れとともに変化していくように、科研費の制度も時代の流れを受けて変化してきた。 > > **①男女共同参画推進** > これまでも「研究活動スタート支援」や「若手研究」において産前産後の休暇を取得した場合は、その期間が応募要件の配慮期間とされていたが、令和7(2025)年度公募からは、「未就学児の養育期間」も配慮期間として追加された。しかも「未就学児」の対象は、「「子」であり、民法上の解釈に即して応募者本人の子(実子、非嫡出子又は養子)」となっている。もちろん男性も育休を取得した場合は配慮期間となる。 > > **②安全保障貿易管理** > 最近の大川原化工機の冤罪事件においては、軍事転用可能な機械の輸出(実際は軍事転用などほぼ不可能だった)が裁判の争点になっていた。このときに問題となった「外国為替及び外国貿易法」にもとづいて、科研費においても海外への技術漏えいへの対処が求められる。それは近年、頻繁に起こる戦争やテロの脅威への対応として、「軍事的に転用されるおそれのある研究成果等が、大量破壊兵器の開発者やテロリスト集団など、懸念活動を行うおそれのある者に渡らないよう」(令和7(2025)年度科研費公募要領より)にするためである。そのため、研究機関には組織的な対応が求められ、安全保障貿易管理の体制整備の状況をe-Radに登録しないと応募を受け付けてもらえないようになっている。 > > 科研費はこれからも、時代の変化に対応していくことだろう。 > --- ## その年度の公募の変更点を必ずチェックすること 科研費の公募では毎年なにかしら変更点がある。令和7年度公募でいうと「(1)審査資料の電子化及びカラー化(学術変革領域研究、奨励研究)」「(2)男女共同参画推進に向けた応募要件の緩和について」「(3)研究活動スタート支援及び奨励研究の審査方式の変更について」「(4)研究インテグリティについて」「(5)安全保障貿易管理の体制整備について」「(6)研究データマネジメントについて」「(7)国際的に波及効果の高い学術研究の推進について」の7項目が変更された。例年、申請書作成において重要な変更点から、作成にあまり影響のないものなどがある。その年度の主な変更点は公募要領の最初の方に書かれているので、申請書作成の前に、必ず変更点をチェックしておこう。 ## 最初はワープロソフトで下書きを ダウンロードした申請書ファイルにいきなり書いていくという人がいる。「どのくらいの分量を書けばいいか、申請書に書き込んでいくとわかりやすいから」という理由からだ。しかし、たくさん書けば採択されるというものでもないし、申請書のスペースを埋めなければ採択されないということもない。しっかりした研究の内容ならば、例えば基盤研究(C)や若手研究では4ページある「研究目的、研究方法など」の最後のページで1/3ページくらいのスペースが残っていてもまったく問題はない。ただし空いたスペースが多すぎると、研究内容が乏しく感じられ、あまりよくない。 ぜひ最初はワープロソフトの新規ファイルに下書きを書いて、最後にコピー&ペーストで申請書ファイルに移していってほしい。いきなり申請書ファイルに書いていくと、どうしても申請書のスペースを埋めていくことが中心になってしまって内容のバランスが崩れてしまう。まず申請書の各項目の下書きをワープロソフトで書いていって、それを限られた申請書のスペースに移すようにする。そしてスペースの具合に応じて、文章を削ったり書き加えたりすることで、全体がまとまった内容になり、またそのことが文章の推敲にもなる。 > --- > **申請書の下書き** > > いきなり申請書ファイルに記入するのではなく、まずはワープロソフトで下書きする。 > --- ## 申請書(研究計画調書)の構成 申請書(研究計画調書)は常に変化している。令和7年度公募の申請書においても、基盤研究(A,B,C)に「(6)本研究がどのような国際性を有するか」の項目が加えられたり、「本研究の着想に至った経緯」の記載場所が移動されたりした。その結果、申請書の中心部分の「1 研究目的、研究方法など」は次の順番で記載することになった。 1. **(1)** 本研究の学術的背景や本研究の着想に至った経緯、研究課題の核心をなす学術的「問い」 2. **(2)** 本研究の目的および学術的独自性と創造性 3. **(3)** 関連分野の研究動向と本研究の位置づけ 4. **(4)** 本研究で何をどのように、どこまで明らかにしようとするのか 5. **(5)** 本研究の目的を達成するための準備状況 6. **(6)** 本研究がどのような国際性(将来的に世界の研究をけん引する、協同を通じて世界の研究の発展に貢献する、我が国独自の研究としての高い価値を創出する等)を有するか(※この項目は若手研究にはない) 次いで「2 応募者の研究遂行能力及び研究環境」、「3 人権の保護及び法令等の遵守への対応」、「4 研究計画最終年度前年度応募を行う場合の記述事項」を書いていく。そして「研究経費とその必要性」「設備備品の明細」「消耗品費の明細」「研究費の応募・受入等の状況」「エフォート」などは電子申請システム上で入力する。 いずれにしても、申請書の構成は基本的に「研究目的、研究方法」「応募者の研究遂行能力及び研究環境」が中心であり、それぞれの種目によって少しずつ異なる。 ### 各基盤研究の申請書のページ構成 | 項目 | 若手研究・基盤研究(C) | 基盤研究(B) | 基盤研究(A) | 基盤研究(S) | |---|---|---|---|---| | 1 研究目的、研究方法など | 4 | 5 | 6 | 6 | | 2 応募者の研究遂行能力及び研究環境 | 2 | 2 | 2 | 2と1 *2 | | 3 人権の保護及び法令等の遵守への対応 | 1 | 1 | 1 | 1 | | 4 研究計画最終年度前年度応募を行う場合の記述事項 | 1 *1 | 1 | 1 | 1 | *1:若手研究にこの項目はない。 *2:基盤研究(S)では「研究遂行能力及び研究環境」は「研究者調書」として研究代表者が2ページ、研究分担者が1ページとなっている。 ### 研究目的、研究方法など この項目は概要と(1)〜(6)の合計7つについて記載する。 - **(概要)** 冒頭にその概要を簡潔にまとめて記述:10行程度で研究の概要をまとめる。長すぎてはいけない。 - **(1)** 本研究の学術的背景や本研究の着想に至った経緯、研究課題の核心をなす学術的「問い」:提案する研究テーマのこれまでの流れを簡潔にまとめる。「着想に至った経緯」では教科書的な説明ではなく、申請者のオリジナルな経験を書く。「学術的「問い」」として、何が問題点なのか、何を解明すべきなのかをはっきりと書く。 - **(2)** 本研究の目的および学術的独自性と創造性:提案している研究の重要な点、オリジナルな点、研究の特徴は何かなどをしっかりと書く。 - **(3)** 関連分野の研究動向と本研究の位置づけ:研究者の実名や論文をあげて現状を説明し、本研究がこの研究分野の進展にどのように貢献できるのかを書く。 - **(4)** 本研究で何をどのように、どこまで明らかにしようとするのか:以前の申請書の「研究計画・方法」に相当する部分。研究分担者がいる場合はその具体的な役割も記述する。 - **(5)** 本研究の目的を達成するための準備状況:本研究がどの程度に進んでいるのかを書く。機器や装置の保有状況、共同研究体制なども書く。 - **(6)** 本研究がどのような国際性を有するか:国際的に高いレベルの研究であることをアピールする。令和7年度公募で基盤研究(A,B,C)に追加されたもので、若手研究にはない。 > --- > **Column:よい申請書とは** > > 「よい申請書とは?」と質問されたら、それは答える人によってさまざまに異なるだろう。しかし、審査委員にとってほぼ共通していることは「わかりやすいこと」である。そして「わかりやすい」には2つあって、1つは「研究内容がわかりやすいこと」と、もう1つは「申請書が読みやすいこと」である。 > > 「研究内容がわかりやすい」申請書は、一度読むだけで内容がすっと頭に入ってくる。ただ単に簡単に書いているというのではない。たとえ自分の専門とは異なる分野の内容であっても理解しやすいのだ。そして読んだ後には新しい知識を得た満足感が得られる。 > > まず問題点をはっきり書いている。なぜこの研究が面白いのか、なぜこの研究をやる意義があるのか、現時点で何がわかっていないのか、何を解明すれば大きな進歩につながるのかなど研究の背景をはっきりと書いている。次に、やるべきこと、解明すべきことをきちんと書いている。そしてその後に、この研究がうまくいったときに「こんないいことがあるんだよ」と読む人が納得するように書いてある。 > > 文章力が「わかりやすいこと」に大きく関与していると思う。文章力を身につけるには練習しかない。よい見本をたくさん読んで参考にして、自分の文章を磨くしかない。書く経験を積むこと、これに尽きる。 > > もう1つの「申請書が読みやすいこと」だが、これはスペースのとり方、行間の幅、レイアウト、図、フォントの種類と大きさなどの工夫によってずいぶんと違ってくる。よい申請書の見本を集めて、それを真似していけばよい。上達するのは比較的簡単だ。 > > 「じゃあ、お前が書いた申請書のなかで、よい申請書は?」と尋ねられたなら、私は「採択された申請書!」と答える。 > --- ### 応募者の研究遂行能力及び研究環境 令和元年(平成31年)度の申請書から大きく変更された部分。従来は論文や著書、招待講演などの研究業績をリスト化するだけでよかったのだが、「研究業績は、網羅的に記載するのではなく、本研究計画の実行可能性を説明する上で、その根拠となる文献等の主要なものを適宜記載する」こととなった。記載すべき内容は「(1)これまでの研究活動」と「(2)研究環境」である。「(1)これまでの研究活動」には「(主要な研究業績を含む)」と但し書きがあるように、必ず申請者の研究業績を書いておくこと。 ### 人権の保護及び法令等の遵守への対応 各種委員会の承認を受けていることや、個人情報保護への対応などをきちんと書いておくこと。 ### 研究計画最終年度前年度応募を行う場合の記述事項 令和4(2022)年度の研究計画最終年度前年度応募については、応募件数が567件、採択件数が204件と発表されている。この年度の新規の応募件数が10万件近いことを考えると、ごくわずかな数といえる。 ### 研究経費とその必要性、研究費の応募・受入等の状況 これらの項目は電子申請システム上で入力する。「研究経費とその必要性」には研究計画に適した明細を記入することと、なぜその経費が必要なのかを書いておこう。この項目は令和5(2023)年度の公募より、研究計画調書のPDFファイルには表示されず、審査に当たっては電子申請システム上で内容を確認することとなった。 ## どこから書いていけばいいのか――概要は一番最後に 科研費申請書の作成をはじめた段階で、申請書に書くべき内容についてはある程度固まっていることと思う。では、申請書はどこから書いていったらいいのだろうか? ダウンロードしてきた申請書ファイルでは「研究目的、研究方法など」が最初の項目だ。そしてこの部分が申請書の中心だ。当然、ここから書きはじめればよい。ここでは、「冒頭にその概要を簡潔にまとめて記述し」と、まず「概要」を書くことが求められている。この「概要」部分はとても重要だ。審査委員は申請者の名前と所属、タイトルをさっと見て、「概要」の部分を読みはじめるだろう。したがって「概要」は審査委員が申請書の内容に共感するかどうかの最重要ポイントだ。 しかし、**「概要」部分は、申請書の全体ができあがってから一番最後に書くこと**。なぜか?「概要」は申請書のサマリーである。全体ができあがっていない段階で、そのサマリーである「概要」を書くことはどう考えてもおかしい。論文を書くときにサマリーはいつ書いているだろうか?おそらく、論文全体ができあがって、最後にサマリーを書いているはずだ。同じように「概要」は全体が完成してからまとめるべきだ。 **どこから書きはじめるべきか**:本文の「背景」や「着想に至った経緯」から書いていくことをお勧めする。研究の「背景」および「着想」とその問題点(学術的「問い」)があってこその「研究目的」であるし、「研究目的」があってこそ「研究方法」(研究計画も含む)だからだ。学術的「問い」を明らかにするのが「研究目的」であり、その「研究目的」を実現するのが「研究方法」だからだ。 研究遂行能力や研究経費など、その他の部分は「研究目的、研究方法など」を書き進めながら、並行して書いていけばよい。 ## 申請書は審査委員のために書く――知り合いの研究者に向けて書くつもりで 科研費の申請書は誰のために書くのか?申請書は少数の審査委員のために書くものである。 申請書を作成するときに忘れてはいけない重要なことは、科研費の申請書はあくまでも3〜8名の審査委員に理解してもらうために書くものだということ。論文や総説のように大勢の人に読んでもらうために書くものではない。限られた人数の専門家に向けて書くものであることをお忘れなく。 審査委員は自分の研究分野あるいは近い分野の研究者には間違いないのだが、応募の時点ではどこの誰なのかはわからない。書くべき対象がわからないときは、**「知り合いの研究者に向けて書く」** ことをお勧めする。自分が普段からよく知っている〇〇大学の〇〇先生に向けて説明するつもりで書いていくのだ。過去の審査委員名簿から知り合いの研究者をみつけるのもいい。 > --- > **申請書は誰に向けて書くのか** > > 申請書は審査委員のためにわかりやすく書く。知り合いの研究者を想定すると書きやすい。 > --- ## 申請書に求められるわかりやすさ 科研費の審査委員と学術論文のレビュアーには大きな違いがある。 - 学術論文の場合、投稿された論文の内容からレビュアーが選ばれ、その論文の内容についてのエキスパートであることが求められる。しかも1つの論文にじっくり集中できる。 - 科研費の審査では、審査委員は1カ月の間に100課題くらいの申請書をこなさなければならず、1つの申請書をチェックする時間は非常に限られる。 - 科研費の場合は審査委員がまず決定されて、そこに申請書が送られてくる。審査委員は審査分野の専門家といっても、必ずしもその分野のすべての範囲に詳しいとは限らない。 平成30年度の公募から審査区分が大きく変更され、これまでよりも広い領域での審査になった。例えば基盤研究(B,C)や若手研究では「内分泌学」は「代謝および内分泌学関連」で審査される。基盤研究(A)、挑戦的研究(開拓・萌芽)では中区分54「生体情報内科学およびその関連分野」において審査される。つまりどの種目に応募するときでも、自分の研究領域以外の審査委員が加わるということだ。 こういったことから、科研費の申請書は学術論文よりも、もっとわかりやすく書くことが必要になる。「わかりやすく」のレベルは: 1. 申請しようとしている分野と異なる分野の人にもわかる。少なくとも近い分野の研究者ならばわかるレベル 2. ポスドクはいうまでもなく、大学院生でも読んである程度わかる 3. 恥ずかしいくらいにわかりやすい文章でよい 4. やさしく書きすぎたというくらいがちょうどよい > --- > **申請書のわかりやすさの程度** > > 審査委員は応募する審査区分の分野にいるものの、応募するテーマに精通している専門家とは限らない。申請書の内容については何も知らないと考えてわかりやすく書く。 > --- > --- > **Column:審査委員はあなたの申請書を何分見るか?** > > 審査委員はあなたの申請書を何分間チェックするだろうか? > > 第1段審査において1人の審査委員には申請書が平均100件送られてくる。審査期限はほぼ1カ月。申請書を読んで、採点とコメント(審査意見)をネット経由で記入しなければならない。最近ではすべての申請書に何らかのコメントを書くことが求められていて、これに結構時間がかかる。 > > かなり良心的な審査委員がいて、1つの申請書を読むのに30分、採点とコメントに15分かけるとすると、合計で1課題に45分。45分 x 100で4,500分=75時間、一日に5時間を審査に費やすとして、15日間必要。 > > さて、あなたの指導教官にはこんな時間があるだろうか?難しいのでは。だから読んですぐに理解してもらえるような申請書を作成することが必要なのだ。 > --- ## わかりやすい申請書にするためには わかりやすい申請書にするためには、文章と内容の両方のわかりやすさが求められる。 ### 文章をわかりやすくするためには - 専門用語を使いすぎない。使うべき専門用語を絞る。その専門用語は一般的か、説明なしで使って大丈夫かを考える。 - 文章は短く、長い文章は避ける。1つの文章はなるべく2行以内にする。 - 人に説明することを意識して書く。人に説明するときには、理解してもらえるようにいろいろと工夫するはずだ。 - 漢字を多くしすぎない。漢字が多いと申請書の見た目が黒くなり、読む側は圧迫感を感じる。 ### 内容をわかりやすくするためには - **具体的に書く**。内容をわかりやすくするためには、なんといっても「具体的に書く」こと。 - 各段落の冒頭にその段落のまとめの文を1〜2行で書いておく、あるいは結論を先に書いておく。 - 箇条書きを使う。ただし使いすぎに要注意。 - 重要なことを示すときには「重要なことは」と最初に書いておいてから説明する。 - 学術的「問い」をしっかりと示すためには「この研究の学術的「問い」は」と書いて説明すればよい。 ### レイアウトや読みやすさに注意を払う - 文章をひとまとめに書かないで、いくつかの段落で構成する。 - 適宜、余白行を入れる。記載項目の間には必ず余白行を入れること。 - 効果的な図を用いる。 - 読みやすく、きれいなフォントを使う。 ## 具体的に書くために 申請書の内容をわかりやすくするために一番重要なのは、「具体的に書く」ことである。抽象的な文章は頭に残らないが、具体的な文章は読んでイメージしやすいし頭に残りやすい。 文章を具体的にするためのポイント: **①詳しく説明する** 少し説明を加えるだけで文章はより具体的になる。「その先は?」を意識して書いていくこと。 例:「この研究では、構造情報にもとづいてアミノ酸置換を行い、〇〇受容体への結合実験を行う」→「この研究では、構造情報にもとづいて〇〇受容体のいくつかのアミノ酸置換を行い、そのアミノ酸がリガンドの受容体への結合に必要かどうかを明らかにする」 **②例をいくつか示す** 研究に関する具体的なものの名前や方法などを2〜3あげる。例えば「摂食調節ペプチドの作用を調べる」を「グレリンやレプチンなどの摂食調節ペプチドの、視床下部弓状核の神経細胞に関する作用を調べる」とする。 **③数字をあげて説明する** 例えば「日本の食品産業は世界でも大きな割合を占めている」を「日本の食品産業は世界第3位の規模を誇り、国内総生産でも約1割を占める」とする。 ## 申請書のカラー化への対応 令和7年1月現在、審査資料である申請書が電子化・カラー化されているのは、「特別推進研究」「基盤研究(S)」「研究活動スタート支援」「奨励研究」「学術変革領域研究(A,B)」「学術変革領域研究(A)(公募研究)」「国際共同研究強化」「帰国発展研究」である。 基盤研究(A,B,C)、若手研究、挑戦的研究については電子化・カラー化される時期はまだ未定であるが、いずれそうなると思われる。 カラーで作成する際の注意点: - まず、色を使い過ぎないことが第一。色数が多すぎたり、派手すぎるとどこに目をやっていいかわからなくなる。 - 本文中で色文字にするところは少なめに。ここぞというところだけに使う。 - いくつかの異なった色を使うのではなく、赤文字だけに限るのがよい。 - 図やイラストでは、学術論文や総説と同じ使い方を心がけること。派手な色使いを避け、原色ばかり使わない。 - 本文でも図やイラストでも、一番目をいかせたい箇所はどこで、そこに効果的に色を使えているかどうかをよくチェックすること。