--- title: "3. 採択課題の調査―審査区分を選ぶにあたって①" book: 科研費獲得の方法とコツ 第9版 chapter: 第2章 科研費応募の戦略 pages: 91-92 images: page_0091.png ~ page_0092.png --- # 3. 採択課題の調査 ―審査区分を選ぶにあたって① ## 異分野への応募 ストレートに自分の研究分野で勝負するのもいいが、関連があるが少しだけ離れた審査区分に応募するのも1つの戦略だ。ともかく、申請内容の研究テーマを考えて最適の審査区分に応募するのがよい。たとえ自分には異分野で知り合いがいなくても、内容がしっかりしてさえいれば大丈夫であり、かえってその審査区分では新鮮なテーマに映るのか、案外採択されることが多い。 例えば私は「内因性の成長ホルモン分泌促進因子グレリンはドーピングの禁止薬物の対象となるか?」という研究課題で、「スポーツ科学」分野(平成30年度の公募より前の公募にあった)で採択されたことがある。これは、私にとってはまったく知り合いもいない異分野であるが、内容を十分に理解してくれると考えてこの分野に応募し採択された。私のまわりにも、科研費をずっと出していたけれど採択されず、内容はほとんど同じだが審査区分を変更しただけで採択されたという例が少なからずある。 また、医学博士(MD)でない研究者でも、臨床医学分野に応募して採択されることも十分に可能だ。例としてあげると、知り合いのH君はMDではないが、骨形成タンパク質を研究していて、当初基礎研究の分野に応募していたが採択されず、整形外科分野に応募先を変更して採択され、以後継続して循環器内科学、内分泌学などの臨床医学分野で採択されている。 くれぐれも申請内容からよく考えて審査区分を検討しよう。 ## 審査区分の選び方のポイント 所属講座や所属学会の分野に応募するのではなく、申請書の内容に最もふさわしい審査区分に応募しよう。 ## 採択課題の調査 どのような研究課題が採択されているのかを知ることは、その分野の採択傾向を探るとともに、ライバルの動向を探るのに必要だ。応募しようとする分野では誰のどのような研究課題が採択されているのか、他の研究者の課題名を調べることは非常に勉強になる。また知り合いが採択されていれば、頼んで採択課題の申請書を見せてもらうこともできる。 採択課題の調査で、最も便利なのが国立情報学研究所のKAKEN(科学研究費助成事業データベース)(https://kaken.nii.ac.jp/)だ。 採択年によって、簡単に採択課題を調べることができる。平成30年度以降から使われている「審査区分」、それ以前の制度で使われていた「研究分野」の両方で検索できる。 このデータベースはなかなかおもしろく、あの研究者の採択の状況はどうか、課題名は何か、どのくらい科研費をもらっているのかなど、簡単に検索できる。また自分自身の採択された科研費データベースとしても使うことができる。