--- title: "1. 応募種目の選び方" book: 科研費獲得の方法とコツ 第9版 chapter: 第2章 科研費応募の戦略 pages: 76-84 images: page_0076.png ~ page_0084.png --- # 1. 応募種目の選び方 科研費の公募時期は、2025(令和7)年は7月14日に公募開始となり、9月17日が公募締切となる予定である(種目によって異なる)。今後もしばらくはこのサイクルで公募が行われると思われる。公募が開始されたら、まずはその年の公募要領に一度は目を通すこと。必ずその年の変更点があって、ときにはとても重要なものがある。また申請書の書式も変更されることがあるので、申請書上部の説明を読んで変更があれば対応すること。 科研費で基本的な研究種目は「基盤研究」と「若手研究」なので、まずはこれらのどれかの種目に応募することを考えよう(参照1章2:科研費の種類)。年齢と実績によって基盤研究か若手研究のなかから1つと、それに加えて、もし自分の研究に適した研究領域があれば学術変革領域研究の公募研究に申請することが基本的な応募方法だと思う。 ## 基盤研究への応募 1章でも書いたように、基盤研究には(S)、(A)、(B)、(C)の4種目がある。基盤研究(S)と基盤研究(A)は採択率がそれぞれ、11.9%、27.2%(参照1章2:科研費の種類、表1-2、令和6年度の公募に関するデータ)であり、応募者のレベルが非常に高く激戦である。本書の読者には基盤研究(C)に応募する研究者が多いかと思う。基盤研究(C)が科研費の一番ベーシックなものであるし、採択数も多い。令和6年度の基盤研究(C)の新規採択率は27.5%である(参照1章の表1-2、図1-8)。また実際に審査した経験からいうと、基盤研究(B)と基盤研究(C)の間には、かなりのレベルの差がある。両者の採択率はほぼ同じだが〔基盤研究(B)の採択率は28.0%〕、基盤研究(B)になると優れた業績(ということはインパクトファクターの高い雑誌に掲載された論文)をもっていて、これまでにも基盤研究(B)以上の研究費を獲得している研究者が多く、かなりハイレベルの競争になる。一方、基盤研究(C)になるとある程度の発表論文さえあれば十分に採択される。 本来なら必要とする研究費の額に応じて基盤研究(A)、基盤研究(B)、基盤研究(C)のなかのどれかに応募するのがよいのだろうが、実際には自分の研究レベルを考慮して選択するのがよい。あまり実績がないのに多額の研究費が必要だからと、いきなり基盤研究(A)に応募しても採択される可能性は非常に低い。基盤研究(C)や後述する若手研究からスタートして、実績を積んで上位レベルの種目にチャレンジするのがよい。もちろん、この数年内にCNS(Cell, Nature, Science)三大誌などの業績があり、自信のある人は積極的に研究費の大きな種目にチャレンジするべきだろう。 ## 若手研究への応募 平成30年度公募から若手研究(A)が基盤研究に統合廃止され、従来の若手研究(B)をもとにした「若手研究」1種目だけになった。若手研究といっても応募要件が、博士号取得後8年未満の者であるため、必ずしも「若手」だけの研究種目ではない。この「若手研究」に応募する読者も多いと思う。 注意点は、若手研究に関しては受給回数制限があり、交付決定を受けた場合には2回まで研究費を受給できる。つまり若手研究で2回採択されて研究費を受給したら、若手研究の応募要件を満たしていても基盤研究などに種目を変更して応募しなければならない。「交付決定を受ける」とは、採択されて交付内定の通知をもらった後に研究者が交付申請を行って交付決定されることで、交付内定を受けた後に交付申請を出さずに辞退したときには受給回数に含まれない。 > --- > **Column:その後の科研費(K教授の場合)** > > 平成7年度に奨励研究(A)で最初に科研費に採択されてから、これまで22回採択されている。昔はポスドクでは科研費に申請できなかったため、科研費への最初の応募は常勤のポストを得た後の平成7年度で、その後はさまざまな種目の科研費に採択されてきた。基盤研究9、奨励研究(A)2、萌芽研究7、特定領域研究2、新学術領域研究2である。ただし採択されたもののうち、2回は秋に追加採択されたものである。特に平成12年度はグレリンの発見の直後だったので、自信をもって応募したが結果は不採択で、当時かなり落ち込んだ。しかし幸いにも秋に追加採択された。データベースからは配分額もわかるので秘密ではないが、これまでに獲得した科研費の合計額は1億円を超えている。多いとみるか、それとも少ないとみるか? > > 内訳としては、新学術領域研究(特定領域研究を含む)の公募研究で不採択になることが多い。領域のテーマと合致する研究内容のときには採択されることが多いが、無理矢理に応募したときにはたいてい不採択になっている。 > > この本の初版が出版されてから不採択の確率が少し高くなっている。読者の申請書のレベルがアップしているのかもしれない... > --- 若手研究は研究者が科研費に最初に応募する種目であり、その採択率は40.1%(参照1章の表1-2、図1-8、令和6年度の若手研究のデータ)と高い。当然、論文などの業績はまだ十分ではないことは審査委員も承知しているから、研究計画の内容が重要である。計画している研究内容がその「若手」に実現できるのか、その点をしっかりと示さないといけない。そのためには、身につけている実験テクニックや手法、研究環境などをアピールすることだ。 > --- > **Column:社会科学系分野のTさんの科研費獲得への道** > > 私は社会科学系の学部に所属しており、4回目のチャレンジで科研費を獲得することができました。今のところ1勝3敗です。道のりは「B判定」→「A判定」→「C判定」→「採択」でした。 > > 理科系と違い人文・社会科学系の研究室は個人で独立しています。理科系のように教授職の先生を中心に数名の研究者がチームとなり、院生やゼミ生を活用しながら共通の研究を進めているということはありません。科研費の申請書作成をはじめ、日々の教育・研究活動を自分たちだけで行わなければならないため、科研費獲得に至る道は平坦ではありませんでした。 > > 1回目の研究活動スタート支援への応募のときは、書き方が全くわからなかったので、K先生の「科研費獲得の方法とコツ」を熟読しながら申請書を作成しました。残念ながら結果は「B判定」。このとき、同じ研究活動スタート支援に応募した同僚は全員が採択され、数万円の研究費を獲得していました。部署内の会議のたびに「今度、科研費で〇〇を買います」などという会話が続けられるのがとても辛かったです。 > > 捲土重来を期して、K先生が講師の「科研費獲得セミナー」と「科研費獲得道場」を受講して臨んだ2回目の応募(基盤C)は「A判定」でした(研究者になった年齢が40歳を過ぎていたので基盤Cに応募せざるを得なかった)。これに気をよくした私は3回目も基盤Cに応募しました。2回目の「A判定」時の申請書を少し応用した内容としました。自分としてはかなり手応えのある申請書を作成したと思っていただけに、「C判定」での不採択はとてもショックでした。同時に、なぜ自分の申請書が不採択なのか理解できませんでした。 > > どこの大学でも、9月になると科研費獲得のためのセミナー(faculty developmentの一環)が開催されます。私の勤務校では、申請書アドバイザー制度というものがあり、申請書を提出する前に必ずアドバイザー(過去に科研費を獲得した経験がある人)による添削指導を受けなければなりません。しかし、大学のセミナーやアドバイザーから指導を受けても、核心に触れるような具体的な指導がないのです。講師の方のお話は理解できるのですが、具体的に自分の申請書のどこをどのように訂正すればいいのかわかりませんでした。実は、3回目の申請のときは直属の上司に添削指導を受け、その通りに記載したら「C判定」だったのでした。 > > 4回目の挑戦では、K先生から、前回なぜ「C判定」だったのか、内容と文章表現を具体的にどのように記載したらよいのかなど、核心部分のご指導があり、まさに万全を尽くしての申請でした。翌年の4月1日、日本学術振興会のホームページに採択番号と採択課題が記載されていたときの嬉しかった気持ちはいまだに忘れられません。 > > もちろん、科研費を獲得することが目的ではありません。現在、獲得した科研費をもとに申請した課題の研究を着実に進めています。慢心することなく、これからも日々精進していくことが重要だと思っています。 > > このコラムは、科研費の採択結果がきているころに書いています。私の研究室近くの教授職の先生2人が「基盤C」で不採択でした。多くの業績がある教授職だからといって採択されるとは限らない。科研費を獲得することは甘くはないということを改めて実感しました。だからこそ挑戦する甲斐があるのだと思います。 > --- ## 挑戦的研究(開拓・萌芽)への応募 挑戦的研究は「斬新な発想に基づき、これまでの学術の体系や方向を大きく変革・転換させることを志向し、飛躍的に発展する潜在性を有する」研究計画が対象である。挑戦的研究の注意点は、研究計画に「斬新な発想」が必要なのは当然であるが、アイデアだけでは採択されることは難しいということだ。申請者が計画している研究内容を、これまでの研究活動から実行可能であることをしっかりと示す必要がある。そのために応募者の研究遂行能力やその他の部分で、これまでの研究業績を十分にアピールしなければならない。挑戦的研究は重複申請が可能で、挑戦的研究(開拓)が"基盤研究(S, A, B)、若手研究(2回目)および海外連携研究(令和7年度で募集停止となったので、継続の方のみ)"と、挑戦的研究(萌芽)が"基盤研究(S, A, B)および学術変革領域研究(A)の公募研究、海外連携研究(継続の方のみ)"と同時に申請できる(参照後述の表2-1、表2-2)。これらの研究種目に応募する研究者が重複申請できることを考えると、挑戦的研究はやはり激戦である。そのため本当に挑戦的研究にふさわしい研究テーマを挑戦的研究に出すべきだと思う。挑戦的研究に応募すべきか迷っているときには、基盤研究や若手研究の方が採択率がずっと高いため、一般的にはまず基盤研究や若手研究に出すことをお勧めする。 ## 学術変革領域研究への応募 令和2年度から創設された学術変革領域研究は、前身である新学術領域研究と同様、研究費の額が大きく魅力的である。計画研究に入ることができれば年間数千万円で(A)で5年間、(B)で3年間の研究費があり、これだけでゆとりをもって研究に打ち込める。また公募研究も研究期間は2年間だが研究費が年間300万円以上のものが多くあり(ときには1,000万円のものもある)、基盤研究(C)や若手研究よりも金額が大きい。学術変革領域研究(A)の公募研究は2領域に応募できる。 私自身、新学術領域研究のときに計画研究と公募研究で採択された経験があるが、単に研究費の1つというだけでなく、領域メンバーとの情報交換や共同研究の実施などによって、非常に得るところが多かった。自身の研究に適した領域があれば、ぜひ応募することをお勧めする。 学術変革領域研究(A)の公募研究は、令和7年度現在は文部科学省が審査を行っていて、申請書も文部科学省のホームページ(https://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/hojyo/boshu/1351544.htm)から入手する。 ## 研究活動スタート支援 研究活動スタート支援だけは応募期間が異なり、通常は3月から5月までなので注意しておこう(参照1章の図1-6)。 ## 複数の種目への応募 科研費は1つしか応募できないのではなく、複数の種目に応募することが可能である。重複制限にならないで複数応募できる研究種目の組合わせを一覧表にしてある(表2-1、表2-2)。複数応募について、応募者の多い種目からまとめていこう。なおここでは学術変革領域は公募研究のみを解説する(領域申請は扱わない)。学術変革領域(A)の公募研究は2領域に応募可能である。 まず基盤研究(C)の新規応募者は、学術変革領域研究(A)の公募研究に応募できる。基盤研究(C)を継続する者も、学術変革領域研究(A)の公募研究に応募できる。これらは採択されれば重複して受給できる。 若手研究は1回目の応募と2回目の応募では、応募できる種目が異なっている。若手研究(1回目)に新規応募するものは、学術変革領域研究(A)の公募研究に応募できる。 若手研究(2回目)に新規応募するものは、基盤研究(S, A, B)、学術変革領域研究(A)の公募研究、挑戦的研究(開拓)に応募できる(2025年3月現在)。ただし基盤研究は(S)と(A)には同時に応募できるが(もちろんどちらか1種目でもよい)、基盤研究(B)は(S)または(A)とは重複して応募できない。そして若手研究と同時に基盤研究に採択された場合、基盤研究を実施する。 若手研究(1回目)を継続するものは、学術変革領域研究(A)の公募研究のみ応募できる。若手研究(2回目)を継続するものは、学術変革領域研究(A)の公募研究と挑戦的研究(開拓)に応募できる。 海外連携研究の継続の応募者は、基盤研究(S, A, B, C)と挑戦的研究(開拓・萌芽)および学術変革領域研究(A)の公募研究に応募でき、両方同時に採択された場合は基盤研究(S)を除いて両方を実施可能であるが、基盤研究(S)だけは同時に受給できない〔基盤研究(S)のみ実施する〕。なお、海外連携研究は令和7(2025)年度公募から新規の公募は停止となっている。 ### 表2-1:複数応募できる研究種目の組合わせ(新規) 挑戦的研究は開拓と萌芽のどちらかしか応募できない。○は重複して応募可能な種目を、×は重複して応募できない種目を示している。○をつけたもので、ただし書きのないものは、同時に受給できる。学術変革領域研究(A)の公募は2領域に応募可能である。なお、海外連携研究は令和7(2025)年度公募から新規の公募は停止となっている。 | 新規で応募する種目 | 基盤研究(S) | 基盤研究(A) | 基盤研究(B) | 基盤研究(C) | 若手研究(1回目) | 若手研究(2回目) | 挑戦的研究(開拓) | 挑戦的研究(萌芽) | 学術変革領域研究(A)公募研究 | |---|---|---|---|---|---|---|---|---|---| | 基盤研究(S) | - | ○※1 | × | × | × | ○※1 | ○※1 | ○※1 | ○※1 | | 基盤研究(A) | ○※2 | - | × | × | × | ○※2 | どちらか1つ応募できる | | ○ | | 基盤研究(B) | × | × | - | × | × | ○※3 | どちらか1つ応募できる | | ○ | | 基盤研究(C) | × | × | × | - | × | × | × | × | ○ | | 若手研究(1回目) | × | × | × | × | - | × | × | × | ○ | | 若手研究(2回目) | 基盤研究のいずれかの種目に応募できる。ただし基盤研究(S)と(A)は同時に応募できる。 | | | × | × | - | ○ | × | ○ | | 挑戦的研究(開拓) | 挑戦的研究(開拓)以外のすべての種目と同時に応募できる。ただしそれぞれの種目の重複制限がかかる。 | | | | | | - | × | × | | 挑戦的研究(萌芽) | ○ | ○ | ○ | × | × | × | × | - | ○ | | 学術変革領域研究(A)公募研究 | どちらか1つ応募できる | | | ○ | ○ | ○ | × | ○ | - | | 研究活動スタート支援 | どの種目にも応募できるが、それぞれの種目の重複制限がかかる。 | | | | | | | | | ※1 同時に応募できるが、採択された場合は基盤(S)のみ実施する ※2 同時に応募できるが、採択された場合は基盤(A)のみ実施する ※3 同時に応募できるが、採択された場合は基盤(B)のみ実施する 挑戦的研究(開拓)の(新規または継続の)応募者は、基盤研究(S, A, B)、若手研究(2回目)に応募できる〔基盤研究は(S)と(A)には同時に応募できる〕が、学術変革領域研究(A)の公募研究には応募できない。 挑戦的研究(萌芽)の(新規または継続の)応募者は、基盤研究(S, A, B)、学術変革領域研究(A)の公募研究に応募できる〔基盤研究は(S)と(A)には同時に応募できる〕。 基盤研究(S)と基盤研究(A)の(新規または継続の)応募者は、挑戦的研究の(開拓)か(萌芽)のどちらか、学術変革領域研究(A)の公募研究に応募できる。 また、基盤研究(S)と基盤研究(A)の新規の応募者は両方同時に応募できる。両方同時に採択された場合には、基盤研究(S)だけ実施する。 基盤研究(B)の(新規または継続の)応募者は、挑戦的研究の(開拓)か(萌芽)のどちらか1つと、学術変革領域研究(A)の公募研究に応募できる。 学術変革領域研究(A)および研究活動スタート支援の重複に関しては表2-1、表2-2を参照。 このように科研費は複数の種目に応募することが可能なので、重複制限をよく理解して、できるだけチャンスを活かして応募しよう。 ### 表2-2:複数応募できる研究種目の組合わせ(継続) 挑戦的研究は開拓と萌芽のどちらかしか応募できない。○は重複して応募可能な種目を、×は重複して応募できない種目を示している。○をつけたもので、ただし書きのないものは、同時に受給できる。学術変革領域研究(A)は2領域に応募可能である。なお、海外連携研究は令和7(2025)年度公募から新規は公募停止となっている。 | 継続中の研究種目 | 基盤研究(S) | 基盤研究(A) | 基盤研究(B) | 基盤研究(C) | 若手研究(1回目) | 若手研究(2回目) | 挑戦的研究(開拓) | 挑戦的研究(萌芽) | 学術変革領域研究(A)公募研究 | |---|---|---|---|---|---|---|---|---|---| | 基盤研究(S) | × | × | × | × | × | × | どちらか1つ応募できる | | ○ | | 基盤研究(A) | × | × | × | × | × | × | どちらか1つ応募できる | | ○ | | 基盤研究(B) | × | × | × | × | × | × | どちらか1つ応募できる | | ○ | | 基盤研究(C) | × | × | × | × | × | × | × | × | ○ | | 若手研究(1回目) | × | × | × | × | - | × | × | × | ○ | | 若手研究(2回目) | × | × | × | × | × | - | ○ | × | ○ | | 挑戦的研究(開拓) | 基盤研究のいずれかの種目に応募できる。基盤研究(S)と(A)は同時に応募できる。 | | | × | × | ○ | - | × | × | | 挑戦的研究(萌芽) | 基盤研究のいずれかの種目に応募できる。基盤研究(S)と(A)は同時に応募できる。 | | | × | × | × | × | - | ○ | | 学術変革領域研究(A)公募研究 | 挑戦的研究(開拓)以外のすべての種目と同時に応募できる。ただしそれぞれの種目の重複制限がかかる。 | | | | | | | | | | 海外連携研究 | ○※1 | ○ | ○ | × | × | × | どちらか1つ応募できる | | ○ | | 研究活動スタート支援 | どの種目にも応募できるが、それぞれの種目の重複制限がかかる。 | | | | | | | | | ※1 応募できるが、採択された場合は基盤(S)のみ実施する ## 応募種目の選び方のポイント - 科研費の初心者は基盤研究(C)か若手研究から応募をスタートして、実績と経験によって上のレベルの種目にチャレンジしていこう。 - 科研費は重複制限はあるが複数の種目に応募できる。 ## 日本学術振興会特別研究員の科研費への応募 日本学術振興会特別研究員(DC・PD・RPD)は、科研費の一部種目に応募できる(参照3章16:日本学術振興会特別研究員の申請書について)。もちろん科研費自体の応募資格を満たしている必要がある。すなわち、1章の繰り返しとなるが、(1)応募時点において、所属する研究機関から次の3つの要件を満たす研究者であると認められ、e-Radに研究者情報が登録されている者で、(2)科研費やそれ以外の競争的資金で、不正使用、不正受給または不正行為を行ったとして「その交付の対象としないこと」とされていない者は応募できる。 3つの要件とは、 > ア 研究機関に、当該研究機関の研究活動を行うことを職務に含む者として、所属する者(有給・無給、常勤・非常勤、フルタイム・パートタイムの別を問わない。また、研究活動そのものを主たる職務とすることを要しない。)であること > > イ 当該研究機関の研究活動に実際に従事していること(研究の補助のみに従事している場合は除く。) > > ウ 大学院生等の学生でないこと〔ただし、所属する研究機関において研究活動を行うことを本務とする職に就いている者(例:大学教員や企業等の研究者など)で、学生の身分も有する場合を除く。〕 > > 〔令和7(2025)年度 科研費公募要領より引用〕 である。なお、応募できる種目は基盤研究(B, C)、若手研究、挑戦的研究(萌芽のみ)、学術変革領域研究(A)の公募研究、国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)に限られる。 「特別研究員奨励費」は、日本学術振興会特別研究員の申請時のみ応募可能で、採択されると研究費が配分される。特別研究員としての採用期間の2年目以降に改めて応募することはできない。 現在、特別研究員の者はいずれは科研費に応募しなければならなくなるので、経験を積む意味でもぜひともチャレンジしてほしい。